看護質的研究:先住民女性と高齢者の孤独に迫る新視点【ChatGPT統計解析】

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看護質的研究:先住民女性と高齢者の孤独に迫る新視点【ChatGPT統計解析】

看護質的研究:先住民女性と高齢者の孤独に迫る新視点【ChatGPT統計解析】
看護研究者は質的研究の多様なアプローチを活用しており、具体例として、ブラウンとフィスクは北米先住民族女性のヘルスケア体験をフェミニストの視点から批判的エスノグラフィーで分析し、社会的要因が女性の出会いに影響する様子を描写した。参加者のヘルスケア経験には差別的態度や構造的不平等が反映され、健康への懸念が軽視される傾向が示された。また、マキニスとホワイトは現象学的研究により高齢者の孤独を探求し、徹底的な面接とジオルジの方法で、孤独の本質を不安や依存の恐れに起因する5つのテーマに整理し、孤独の経験が心理的に表現される過程を記録した。研究の厳密性を確保するためフィールド日誌を用い、具体的な研究手順も提示された。

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目次  看護質的研究:先住民女性と高齢者の孤独に迫る新視点【ChatGPT統計解析】

 

 

質的研究の例

 

看護研究者はすべての質的研究の伝統をもちいて研究を行っており,これまでいくつかの例を説明した.

 

以下に,3つの質的看護研究をとりあげ,詳細に述べたいと思う.

 

批判的エスノグラフィー/フェミニスト

 

エスノグラフィーの研究例

 

ブラウンとフィスクは,フェミニスト・アプローチによって,批判的エスノグラフィー研究を行い,主流文化によるヘルスケアサービスを受けた北米先住民族の女性の経験を探索した.

 

研究では,2つの主要課題に取り組んだ.

 

1つは,先住民女性は,地方の主流文化のヘルスケアサービスとの出会いをどう描写するか.もう1つは,こうした出会いは,社会的,政治的,経済的要因によってどう形成されるか,であった.

 

研究は,カナダ北西部の地方にある,人口600人の先住民保護地域とのパートナーシップによって行った.

 

コミュニティ側は,成員の健康やヘルスケアを改善する計画をつくる際に,女性たちとサービスとの出会いについての徹底的な記述が役立つであろうと考えた.

 

コミュニティの女性たち(研究者の1人を含む)は,先住民の健康に関する指導者として地域では有名だったが,先住民の人々が近隣の主流文化による健康団体や意思決定団体に招かれることはまれだった.

 

コミュニティの指導者や長老による助言を受けて,研究者は,2回の面接に参加する10人の女性を選んだ.

 

女性たちは,個別に1〜2時間の面接を受けた.

 

2回目の面接は,1回目の面接から得た情報を明確化し検証するためにもちいた.

 

参加者は,ヘルスケア組織との肯定的な出会い(モデルケース)と否定的な出会い(反対のケース)の双方について説明するよう求められた.

 

これらの面接の逐語記録から,解釈的主題分析を行った.最初の分析について,参加者と批評的に質疑し,熟考し,討議した.

 

「先住民の女性を過小評価し,不利な立場に置き続けた人種差別主義,差別,構造的不平等が,女性の出会いを形成している」ことが,物語にあらわれていた.

 

参加者が描写した状況では,彼女たちの健康についての気がかりや女性が伝えた症状が,真剣に受け止められなかったり,取るに足らないことであるとみなされていた.

 

ヘルスケア従事者の差別的な態度や行動を示す出会いのあり方が,蔓延していることがわかった.

 

 

現象学的研究の例

 

マキニスとホワイト〔Mclnnis & White, 2001〕は,現象学的研究を行って,コミュニティに住む高齢者20人における孤独の意味を探索した.

 

データ収集の前に,研究者は,自分の前提を括弧入れしようとあらゆる努力をした.

 

たとえば,研究者の1人は,高齢者精神科ナースとしての幅広い経験を括弧入れした.

 

各高齢者に,徹底的な面接を行った.

 

主な質問は,「あなたの孤独について話してください」と「その経験をとりまく状況を説明してください」の2つであった.

 

面接を録音し,逐語記録とし,次いで,ジオルジ(Giorgi)の現象学的方法を使って分析した.

 

この方法では,以下のことを行った.

 

@データについて熟考するために,逐語記録を何度も読む,

 

Aそれぞれの逐語記録から意味の単位を特定する,

 

Bそれぞれの意味単位に含まれる心理的洞察を表現する,

 

Cすべての定式化された意味を,経験の本質に統合する.

 

これらの高齢者における孤独経験の本質は,5つのテーマから成り立っていた.

 

その1つは,孤独は不安または恐れの状態であり,依存状態や依存状態を恐れる気持ち,機能の衰えが影響していた.

 

以下の抜粋が,このテーマを例示している.

 

たった1人で,誰もいない,恐ろしいほどで,夜が来なければいい…わかるでしよ,昼間は店なんかに行ける…だけど夜は座っているだけ,女は夜に出歩いたりしないから.

 

マキニスとホワイトは,研究の厳密性を高めて記録することに多大な注意をはらった.

 

たとえば,括弧入れに役立つように,研究の実施中,フィールド日誌を書いた.

 

研究手順を読者に具体的に例示するために,研究者らは,記録の一部も提示した.

 

 

看護研究における質的研究の重要性は、患者や医療従事者の経験や意識を深く理解し、医療や看護の現場における意思決定に活用するために非常に高まっています。質的研究は、一般的な統計データや数値の分析では表現しきれない人々の主観的な思いや状況の詳細な記述に焦点を当てており、具体的な看護の実践や介入に役立つ知見を提供することができます。このため、看護研究者は多様な質的研究の方法論を活用し、対象者の文化や性別、社会的背景などを考慮した視点からのアプローチを行っています。今回は、質的看護研究の例として、エスノグラフィー、フェミニズム、現象学的研究の3つの方法論に基づいた研究を取り上げ、それぞれの特徴と成果について詳述していきます。

 

まず、ブラウンとフィスクの行ったフェミニストアプローチによる批判的エスノグラフィー研究では、北米先住民族の女性が主流文化によるヘルスケアサービスにどう対峙し、その経験をどのように感じ、理解しているかが研究の焦点となりました。この研究では、二つの主要な課題が設定されており、第一に、先住民族の女性たちが地方の主流文化に基づくヘルスケアサービスとの出会いをどのように描写するか、また第二に、こうしたヘルスケア体験がどのような社会的、政治的、経済的要因によって形成されているかを探ることを目指しました。具体的には、カナダ北西部に位置する人口600人ほどの先住民保護区とパートナーシップを組むことで、コミュニティ内の女性たちが地域のヘルスケアや健康の改善に向けてどのような考えを持っているかを調査しました。この地域では、看護研究者と先住民のコミュニティが協力し、女性たちが主流文化のヘルスケアサービスと出会った際の経験を徹底的に記述することで、今後のヘルスケア計画に役立てることを目的としていました。

 

コミュニティの女性たち、そしてその中の一部のリーダーは、地域の健康問題について指導的な立場にありましたが、こうした先住民族の人々が主流文化の健康関連団体や意思決定機関に招かれることは極めて少なく、構造的な不平等が存在していました。そのため、ブラウンとフィスクは、この地域でのヘルスケアサービスへのアクセスや対応のされ方において、先住民族の女性がどのように扱われているのかを深く理解するため、コミュニティの指導者や長老の助言を得て、10人の女性を対象にしたインタビュー調査を実施しました。この調査では、各女性が1〜2時間にわたる面接を受け、彼女たちが経験した肯定的な出会い(モデルケース)と否定的な出会い(反対ケース)を含む具体的なエピソードを語るよう求められました。

 

研究者は2回にわたる面接を行い、2回目は1回目の内容を踏まえ、参加者の経験や発言を検証し、より明確にするために設けられました。このインタビューでは、ヘルスケア組織の職員による差別的な態度や行動、またはサービスへのアクセスや情報提供の不平等が繰り返し浮き彫りとなり、先住民族の女性が主流文化に基づくヘルスケアにおいてどのような偏見や壁に直面しているのかが浮かび上がりました。参加者の中には、彼女たちの健康に関する懸念や症状が十分に受け止められず、しばしば取るに足らないものとして扱われることが少なくなかったと述べた人もいました。こうした不平等な扱いは、エスノグラフィーに基づいた解釈的主題分析により、さまざまな場面で「先住民族の女性を過小評価し、不利な立場に置く社会的構造」が女性たちの出会いに影響していることが示されました。調査結果からは、ヘルスケア従事者による偏見や差別が顕在化していることが分かり、先住民族女性のヘルスケアへのアクセスに影響を及ぼしていることが示唆されました。

 

次に、現象学的アプローチを採用したマキニスとホワイトの研究では、コミュニティで生活する高齢者20人の孤独の意味を探求しました。研究にあたって、マキニスとホワイトはデータ収集の前に、研究者自身の経験や先入観を括弧入れするために、各々の前提や信念を意識的に排除する努力を行いました。たとえば、研究者の一人は高齢者精神科ナースとしての幅広い経験を持っており、この経験が調査において影響を与えないよう、自身の主観的な見解を脇に置くよう心がけました。面接は「あなたの孤独について話してください」「その経験を取り巻く状況を説明してください」という二つのシンプルな質問から始められ、録音された音声を逐語記録とし、ジオルジの現象学的方法に基づいて分析されました。

 

ジオルジの方法では、まず逐語記録を何度も読み込み、データ全体を熟考することから始め、次に意味の単位を特定し、意味単位に含まれる心理的洞察を表現していきました。最後に、定式化されたすべての意味を経験の本質に統合することで、孤独の本質が浮き彫りとなりました。この研究では、孤独の経験が「不安や恐れ」「依存への恐れ」「身体機能の衰え」といった五つのテーマに分類され、これらが孤独の感情や状態をどのように構成しているのかが明確にされました。参加者は、昼間の活動や社会的交流ができる時間帯は孤独を感じにくいものの、夜になると孤独感が増し、特に女性にとっては夜間に一人でいることに対する恐怖や不安が強いことがわかりました。「たった一人で、誰もいない、恐ろしいほどで、夜が来なければいい」という一人の参加者の言葉が示すように、高齢者にとって孤独はただの物理的な状態ではなく、心理的、感情的な影響が強く作用していることが確認されました。

 

マキニスとホワイトは、研究の厳密性を確保するため、フィールド日誌を用いて括弧入れの実践を記録し、研究の進行中も常に自身の前提に対する自覚を維持しました。さらに、読者に対して研究の手順を具体的に理解してもらうため、調査過程での詳細な記録の一部を提示し、現象学的アプローチの透明性を確保しました。

 

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