統計調査と統計制度|【社会経済統計学・統計解析】
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統計調査と統計制度
統計調査と統計制度
統計の切り口にはいろいろある。
調査統計、業務統計、加工統計は統計作成過程に注目した区分である。
調査統計に限って、それを法的な面から区分すると、指定統計、届出統計、承認統計と大別できる。
このうち基本となるのは指定統計である。
指定統計は統計法によって規定され、総務大臣が指定し、その旨を公示した統計をいう。
統計法は、「統計の真実性を確保し、統計調査の重複を除き、統計の体系を整備し、及び統計制度の改善発達を図ること」を目的としている。
ここに日本の統計に対する姿勢が見られる。
すなわち、統計の基本として真実(または正確性)の把握がまず要求されるのである。
また、日本の統計調査は各府省がそれぞれ独自に行う分散型である(総務省統計局の調査に重要な統計が多いものの、集中型でない)。したがって、重複の排除、体系化も重要となる。
指定統計調査は統計法に基づいて実施され、他の法律の適用を受けない(たとえば指定統計の一つである家計調査が税務調査に利用されることはない)。
さらに、統計法は守秘義務もうたっている。指定統計は2005年現在、形式的には国勢調査(指定統計)から法人土地基本調査まである。
しかし、途中で廃止されたもの、統合されたものなどがあり、実質的には56調査である。
指定統計は政府統計の根幹をなすものであって、その中でも特に国勢調査は重要である。
したがって、他の指定統計と異なり、統計法に国勢調査の条項が特別に設けられている。
統計需要の増大、調査対象となる申告者の負担軽減などから、各種の制約が伴う指定統計だけでは、統計行政上対処できないことが多い。
そのため、統計法第8条に、事前に総務大臣に届け出れば許可される条項が設けられている。
これに基づく統計が届出統計である。
一方、承認統計は統計報告調整法に基づいて実施された調査統計であり、その趣旨は届出統計と同じである。
2003年の実施状況を見ると、届出統計調査は442年、承認統計調査は145件である。
指定統計調査が42件であるから、届出統計調査、承認統計調査の数はかなり多い。
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