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統計学におけるタグチ・メソッド【統計解析講義基礎】 | 統計解析 - Python・R・エクセルを使った講義で最速マスター

統計学におけるタグチ・メソッド【統計解析講義基礎】

統計学におけるタグチ・メソッド【統計解析講義基礎】


統計学におけるタグチ・メソッド【統計解析講義基礎】

 

夏に靴の中に入れておいたチョコレートが溶け出して困った経験はないでしょうか。

 

周囲温度とチョコレートの硬さを横軸と縦軸にとり、2通りの製造方法A1とA2でグラフが描けたとします。

 

A1の方はA2に比べて周囲温度の影響が少ないといえます。このように人が制御できない環境などの影響を受けにくい設計をロバスト設計といいます。

 

田口玄一氏は、従来から知られている統計学(統計学の父といわれるイギリスの統計学者フィッシャー流の統計学)の実験計画法の主目的

 

@ばらつきを見つけてこれを管理し、削減する

 

A調整しフィードバック制御を行う

 

に加え、

 

B原因の影響の減衰

 

という3番目の目的を生み出しました。

 

夏でも溶けないチョコレート

 

チョコレートの製造法や成分のように、人が選択し固定しうる因子を制御因子といいます。

 

これに対し、周囲温度のように製品特性の値に影響を与えるがしかし人が設定できない因子を誤差因子(当初は標示因子と呼ばれていました)といいます。

 

周囲温度と製造方法との間に交互作用を生み出し、これを利用します。

 

このためには、表のように制御因子を内側、誤差因子を外側とする直積実験と呼ばれる方法を行えばよいことになります。

 

実際には、製造方法だけでなくチョコレートの成分も大事ゆえ、内側には複数の制御因子を割り付けた直交表が用いられます。

 

SN比とは

 

田口氏は、フィッシャー流の実験計画法とは異なり、製品特性のばらつきに対する原因の寄与率を求めるのではなく、誤差因子に対していかに製品特性を安定化させるかに最適化の目的をもっていました。

 

そこで誤差因子というノイズ(ノイズは元々雑音と和訳されますが、不要な誤差という意味を持ちます)に対する出力(シグナル)の比(SN比)という尺度を生み出しました。

 

当初、制御因子とノイズの交互作用のグラフから制御因子の最適水準を決めていましたが、制御因子の数やノイズの数が多くなるとグラフの数も多くなります。

 

このため各制御因子の最適水準を見出す作業は困難を極めていました。

 

制御因子のある水準で、複数あるノイズの中で、あるノイズの影響は小さくなっても別のノイズの影響が大きくなることもあります。

 

SN比はノイズ全体の影響の大小を示す尺度であり、SN比を大きくする制御因子の水準を単純に選べば、それが最良水準となっていることを田口氏は主張しました。

 

以上の方法はパラメータ設計と呼ばれています。

 

手順としては第1ステップでSN比を高め、ノイズの影響が小さくなるように設計パラメータの数を決めます。

 

第2ステップで出力の平均を変える設計パラメータの中で、SN比とは無関係なものを使って目標値に合わせ込めばよいのです。

 

電気回路の場合などでは出力電圧の値は理論式により多くの場合導出可能で、目標とする値を決められます。このような時には目標とする値をめさず望目特性のSN比が用いられます。

 

同様に望大(寿命のようにより大きくしたい場合)・望小(ばらつきのようにより小さくしたい場合)特性のSN比が用いられています。

 

田口氏は、上記のパラメータ設計の他、直交表・線点図による交互作用の割付・多水準作成法・擬水準法・変身法などの実験計画や累積法をはじめとし、損失関数・許容差設計・オンライン品質管理、そして、マハラノビス距離をパターン認識に活用するためのMTS(マハラノビス・タグチ・システム)による新しい評価尺度の構成など、さまざまな功績を残しています。

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