賽は投げられた|【統計学・統計解析コラム】
▼▼▼▼▼▼▼▼
チャンネル登録はこちら
賽は投げられた(The dice is cast)
シーザーはローマ軍を率いてガリア(フランス)遠征を行い,この地方を征服する.
ローマ人はここを支配していたケルト人をガリア人と呼んでいた.
このときの現地報告がかの有名な『ガリア戦記』の元になる.
しかし,シーザーはローマの元老院から難題をふっかけられる.
「シーザーが勝手に占領し課税して私腹を肥やすガリア地域を元老院に返し軍隊から離れ,1人でローマに帰れ」と命令される.
この命令に背けば反逆罪で閥賊になる.
しかし,1人で出頭すれば必ず処罰され復活の見込みはない.
部下が見守る中でシーザーは思案を重ね,最後に「賽は投げられた」と叫ぶ.
ルビコン河はカリフとローマの境界線になっており,その北側まではシーザーの軍は集結できるが,南へ兵を進めることは禁じられていた.
この瞬間,6000のシーザーの軍勢はルビコンを渡河して,義理の息子ポンペイウスが支配するローマに進撃する.
内戦の開始である.
実際にシーザーがサイコロを投げたのかどうかはわからないが、どちらをとればよいか重大な決意をして一方を取る場合に,この言葉は使われる.
ビジネスの世界でも将来のことは誰にもわからない.
あらん限りの知力をつくしも必勝パターンの経営戦略なんてあり得ない.
経営者の意思決定は不確実性にさらされている(ln business, most decision-making involves uncertainty)。
しかも,ビジネスの問題は状況が絶えず変化し,情報が不足であることを承知のうえで決断を下さねばいけない.
ここに,確率の概念がビジネスや現代社会にも登場する理由がある.
サイコロは,紀元前3200年以降にはエジプトに存在していた.
両面の和は7で現在と同じである.
サイコロは世界で最も原始的なギャンブルであり,ギャンブルのほとんどが占いの一法として始まったように,サイコロもそもそもは神意を問う占いであり,はかりがたい神の意志を,転がしたサイコロの出目で判断したわけである.
日本でも「魔除」の縁起ものとして,神社や寺で使われてきた.
関連記事