データマネジメント報告書|【医療統計学・統計解析】
データマネジメント報告書
データレビューのエラー率は,データレビュアーの判断や教育などに利用すべきである.
施設への問い合わせ件数も,効率性という観点からの臨床試験の終了時には総括報告書が作成されるのと同様に,データマネジメント業務が完了し適切に実施されたことの証拠として「データマネジメント報告書」が作成されるべきである.
すなわち,データマネジメント報告書はデータマネジメント計画書と対を成すものであり,計画書がある以上,実際にどうだったのかという報告書があるということは自然なことであろう.
治験においてこの書類はGCP上の必須文書に含まれてはいないが,このデータマネジメント報告書により,その臨床試験に対する臨床試験データの品質保証を行うようにすべきである.
総括報告書においても, 1996年5月1日に薬審第335号として発表された「治験の総括報告書の構成と内容に関するガイドライン」には「9.6データの品質保証」という項目が規定されており,必要に応じてデータマネジメント報告書の内容を参考にして記載することになる.
このような目的で作成するデータマネジメント報告書には,少なくとも次のような内容が含まれているべきである.
@データマネジメント計画書で規定した各ステップの業務実施状況
Aデータマネジメント計画書からの逸脱事項とその対処
Bデータレビューの結果
C許容エラー率と実際のエラー率
D最終的な臨床試験データの合否
これらのうち,データレビューの結果については,改めて総括したものを作成して添付することも可能かと思われるが,基本的には実際に使用したデータのチェックリストとそれに対応した修正履歴用紙の写しなどを,そのまま添付することで差し支えない.
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