医学論文を書くにあたって【医療統計解析】

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医学論文を書くにあたって|【医療統計学・統計解析】

医学論文を書くにあたって【医療統計解析】


目次  医学論文を書くにあたって【医療統計解析】

 

 

医学論文を書くにあたって

 

研究とは学会発表だけで完結するものではない.

 

論文という形になって受理され雑誌に掲載されてようやく成果物となる.

 

学会発表は演題に応募すると、ほとんど査読なしに受理もしくは採択される.

 

したがって、学会発表の中には、誤りが散見される.

 

これに対して論文が雑誌に掲載されるためには、投稿後にピア・レビュー専門家による審査や査読)を受け、多くの場合、誤りを修正しなくてはならないし、不適切な投稿論文は「掲載不可」の審査結果を受けることになる.

 

したがって.研究論文が雑誌に採録されるということは該当分野の有識者によってその成果や有効性が認められたということといえ,業績として記録することができる.

 

しかも、場合によっては.その研究成果物はいくつもの連続したアウトカムの蓄積によってようやく結実する.

 

「どんなに濃い記憶でも,一番薄いインクに優るものはない」という孔子の格言が示唆するように、得られた知見を記録し共有することには重要な意義がある.

 

学会発表を行い、意見や情報を交換しあって磨きをかけたものを論文として仕上げてこそ,その情報がその領域を進展させる.

 

こうした研究論文を書くには多人な時間と労力を要するが,それに挑戦しようとする意欲のある若手臨床家が一定数存在することは確かである.

 

研究とは社会貢献の一種であり,そこに真の研究価値を見いだすことは大切なことであるが,初心者は単に「おもしろそうだ」という理由から研究を始めるのも良いと思う.

 

研究を「おもしろい」と感じることはすばらしいことなのである.

 

「おもしろい」と感じるからこそ,多大な時間と労力を費やしながら苦難を乗り越えることができるのである.

 

ところが,学会発表まではできるようになったが,論文としてまとめることができないという悩ましい声をしばしば耳にする.

 

卒業生たちが学会発表を行っている様子をみかけることはあっても.確かに論文としてまとめたものを目にすることは非常に少ない.

 

あるいは良い内容の学会発表をみかけると「論文としてまとめてみてはどうですか」と声をかけてみるが、なかなか筆が進まない、どうまとめればよいかわからない,といった類の返答がしばしばある.

 

そういった場合、論文の執筆要領について解説された書籍は多数あるので、そういった書籍を活用するという方法はある.

 

しかし、文執筆に関する書籍は多数あっても,論文執筆に必要な知識をコンパクトに網羅した書籍は意外と少ない。

 

一番良いのは論文を書く要領のわかっている指導者から指導を受けることである.

 

志の高い臨床家であれば,書き方のポイントを丁寧に根気よく指導すると,論文掲載まで導くことができるものである.

 

研究論文について,初心者の多くは自分には無理な高尚なもの,と決めつけてしまってはいないだろうか.

 

医学系の論文を執筆するには,確かに様々な知識,論理的思考能力,文章能力,統計処理能力などを必要とする.

 

 

しかし,ゴツゴツと質の高い論文を読みながら執筆に関するこれらの能力を高めるよう助言と指導を継続することでまとめあげることができるようになることが少なくない.
むしろ,最初は失敗しても,実際に研究を実践することのおもしろさを味わうことが大切であろう.

 

夢中になって何かを追いかける姿勢はエネルギーを生み出し,試行錯誤しながらも壁を越えて歩み続ける道を切り開く.

 

失敗を繰り返しても,研究を続けていると,研究の進め方をそれなりに学習し成長するものである.

 

例えば症例報告を書くことから始めて原著論文を書き続け,やがて国際雑誌に挑むというのは,研究者がたどる典型的な道のりである.

 

一旦その知識と技法を習得すると,おもしろいように論文を発表し続ける方もいらっしゃる.

 

書くほどに,論文の精度も高まってゆく.

 

学会の査読委員を経験してきて,論文を執筆するために必要な知識を十分に身につけていないまま投稿されてくるものが実に多いことに驚く.

 

査読でさまざまな不備な点を細かく指摘すると,驚くほど整った論文に修正されて再提出されることがある.

 

臨床に携わっていると,研究のヒント(クリニカル・クエスチョン)が多くある.

 

常に良い臨床成果を残したいという気持ちで取り組んでいると,臨床の中でのさまざまな疑問を解決しようとする思いが研究への動機となることは珍しくない.

 

こうして得られた知見の蓄積が私たちの臨床を支え,発展させる.

 

研究の目的について,難しい術語をならべて崇高に語る気はない.

 

単に,クライアントの機能,活動,参加の状態を改善し, QOLの向上に寄与するためにエビデンスを提供すること,と考えて良いではないだろうか.

 

そこに興味関心を抱くことはすばらしいことである.

 

是非失敗を恐れず論文の執筆に着手してみていただきたい.

 

 

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