臨床試験データ品質を保証する最終確認プロセス【ChatGPT統計解析】

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臨床試験データ品質を保証する最終確認プロセス【ChatGPT統計解析】

臨床試験データ品質を保証する最終確認プロセス【ChatGPT統計解析】
臨床試験データの品質確認は、データ固定後に最終的な品質を確認し、集計・解析に問題がないことを保証する重要なプロセスです。データ固定までに実施された各種確認作業が適切に行われたことを文書で証明し、整合性判定では症例報告書と入力データの一致を検証します。許容エラー率(例:0.3%)を設定し、基準を超えた場合はデータ修正や再確認を繰り返します。重要項目は全数検査を実施し、抜き取り検査では基準を満たす場合に合格とします。JIS基準に基づくAQL方式などを活用し、最終確認を経てデータ固定が行われ、症例一覧表や問題症例一覧表を作成します。このように適切な品質確認を通じて信頼性の高い臨床試験データを提供します。

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目次  臨床試験データ品質を保証する最終確認プロセス【ChatGPT統計解析】

 

 

臨床試験データの品質の確認

 

得られた臨床試験データを固定し,集計・解析に提供する前に最終的な品質の確認を行う必要性がある.

 

原則的には,データ固定を行った段階で臨床データマネジメント部門の全ての業務は完了することになるからである.

 

そして,臨床試験データマネジメントにおいて品質の確認を行うということは,作成された臨床試験データの品質を確認し,集計・解析を行うことに問題はないことを保証することである.

 

既にここまでの段階で,臨床試験データに対して,論理チェックの実行結果およびチェックリストに基づくレビュー,粗集計による確認,読み合わせによる確認,医師などへの問い合わせ,コンピュータデータの追加・修正などの必要なステップは全て終了しているはずである.

 

このため,この段階での品質確認はそれらを繰り返すということではなく,次のような二つのステップを行うということである.

 

まず第一に,上に示したようなデータ固定までに必要とされるステップが間違いなく実施されたことを,文書など,第三者にも示すことのできる明確な根拠を用いて確認することである.

 

この意味では,データレビューに用いたチェックシートなどがとても重要な意味を持つ.

 

このような目的では,決して,きれいに清書され整えられた書類に重みがあるのではなく,実際に活用した経緯が手に取るようにわかるような書類の方が遥かに重みがある.

 

さらに,このような作業経緯を明確に第三者に説明するために,各業務段階で担当者や業務を行った日程などを適切に記録する仕組みをつくり,これらを整理したプロセス管理表のようなものを作成しておくのも一つのアイデアである.

 

次に必要と思われることが,最終成果物である臨床試験データの確認である.

 

ただし,症例報告書のレベルから再度確認することはデータレビューの繰り返しが必要になってしまうため効率的とは言い難い.

 

そこで,ここでは必須であると考えられる,症例報告書は正しいものと考えた上でコンピュータ上に入力された臨床試験データとの整合性を判定する場合の例を考えることにする.

 

症例報告書とコンピュータ上に入力された臨床試験データとの整合性(Accuracy)は,読み合わせやサードエントリーなどの方法により判定することができる.

 

そして,一定の許容エラー率,たとえば0.3%というような基準を設定しておき,エラー率がこの許容エラー率以下であった場合には,この整合性判定に合格したと判断する.

 

残念ながら,このような許容エラー率に関する基準を,科学的な根拠を伴って定義することは非常に困難であり,各組織で妥当と思われる基準を設定するしかない.

 

一般に臨床試験データについては,エンドポイントなどの重要項目とそれ以外の項目で区別して許容エラー率が決められるべきであり,重要項目については100%の完全性,すなわち許容エラー率は0%を設定すべきであるという考え方もある.

 

そして,エラー率が許容エラー率を越えているような場合には,予めデータマネジメント計画書などで定義しておいた手順に従って処理を行い,再度,整合性の確認を行うというステップを整合性判定に合格するまで繰り返すことになる.

 

この時に,予め定義しておく手順としては,究極的にはコンピュータ上のデータを破棄し,再度入力からやり直すということが望ましいのかもしれないが,これは現実的であるとは考えにくく,大丈夫だと
自信が持てるまで全例の読み合わせなどによる確認とデータ修正を行った上で,もう一度,最終の整合性判定を行うということになると思われる.

 

なお,この最終的な臨床試験データの整合性判定においては,場合によっては全例を対象とするのではなく抜き取り検査でも構わない.

 

ただし,重要項目については常に全数検査を行うべきである.

 

また,エラー率が1%以下,とくに0%以下の場合にはエラー率を保証することは困難であると言われているので,注意が必要である.

 

ある組織では,最終臨床試験データにおいて文字変数と数字変数をそれぞれ1,000個ずつ無作為に抽出して確認し,それぞれが3個以下のエラーであった場合には合格というように設定している.

 

あるいはJIS Z9015-1として定義されている計数値検査に対する抜取検査手順第1部:ロットごとの検査に対するAQL指標型抜取検査方式という手法を用いることも考えられる.

 

これは,合格品質水準(AQL; Acceptable Quality Level)を指標とした抜取検査である.

 

たとえば,1症例300項目で150症例分の臨床試験データ,すなわち45,000個のデータに対して「なみ検査(Normal Inspection)」で合格品質水準を0.25%とした本手順を適用すると,必要なサンプル数は500個で,合格判定個数は3個以下のエラーということになる.

 

もし,この臨床試験データで4個以上のエラーが発見され,臨床試験データの全てを改めて確認した後に再検査を行う場合には,同じ水準の「なみ検査」を繰り返すか「きつい検査(Tightened Inspection)」に水準を上げることになり,なみ検査については同じ条件になるが,もし,きつい検査を適用する場合では必要なサンプル数が800個で,合格判定個数は5個以下のエラーということになる.
このような臨床試験データの最終確認に合格した場合に,データ固定が行われる.

 

そして,症例一覧表や有害事象一覧表を作成するとともに,最終的な症例の取り扱いを確認するために必要な場合には問題症例一覧表なども作成する.

 

問題症例一覧表を作成する場合には,問題項目別にどの症例が該当するかというリストを作成することが多いが,同時に症例ごとに問題項目が一瞥できるような一覧表も作成しておくとよい.

 

 

臨床試験データの品質確認は、試験結果を信頼性のある形で集計・解析に提供するための重要なプロセスです。この作業は、データ固定を終えた後、臨床データマネジメント部門の業務完了前に実施され、最終的なデータの信頼性を保証するために行われます。具体的には、品質確認の目的は、臨床試験データに集計や解析に支障がないことを確実にすることです。この段階に至るまでに、データの論理チェック結果やチェックリストに基づくレビュー、粗集計による確認、症例報告書の読み合わせ、医師への問い合わせ、そしてコンピュータデータの追加や修正といった工程がすべて完了しているはずです。そのため、最終的な品質確認は、これらの作業を繰り返すことではなく、必要な作業が確実に実施されたことを第三者にも示すことができる明確な根拠を用いて確認する作業に重点を置きます。この確認の際には、データレビューで使用したチェックリストや記録が重要な役割を果たします。特に、単に清書された整然とした書類ではなく、実際の作業経緯が詳細に記録された書類が重視されるべきです。さらに、作業経緯を第三者に明確に説明するため、各業務段階での担当者や実施日程などを記録する仕組みを整備し、これらを整理したプロセス管理表を作成することが推奨されます。次に必要とされる作業として、最終成果物である臨床試験データの確認が挙げられます。ただし、症例報告書レベルから再度確認を行うことは効率的ではないため、この段階では症例報告書が正しいものであると仮定し、コンピュータに入力されたデータとの整合性を検証します。この整合性(Accuracy)は、読み合わせやサードエントリーなどの方法で判定され、許容エラー率(例:0.3%以下)を基準に合否が判断されます。許容エラー率の基準設定には科学的根拠が伴いにくいため、各組織が妥当と考える基準を設ける必要があります。また、重要項目については100%の完全性を求め、許容エラー率を0%と設定することが一般的です。エラー率が基準を超えた場合は、データマネジメント計画書で定義された手順に従い、データの修正や再確認を繰り返し実施します。この際、究極的にはコンピュータ上のデータを破棄して再入力する方法もありますが、現実的には全症例の読み合わせやデータ修正を行った上で再度整合性判定を行うことが現実的です。なお、整合性判定は全数検査ではなく抜き取り検査で実施しても構いませんが、重要項目については常に全数検査を行うべきです。また、エラー率が1%以下、特に0%以下の場合にはエラー率の保証が難しいため注意が必要です。ある組織では、文字変数と数字変数をそれぞれ1,000個無作為抽出し、エラーが各3個以下の場合に合格とする基準を設けています。さらに、JIS Z9015-1に定義されたAQL(Acceptable Quality Level)方式を用いた抜き取り検査も有効です。例えば、1症例300項目で150症例分のデータ(45,000項目)に対して「なみ検査」を適用し、AQLを0.25%と設定した場合、サンプル数は500個、合格判定基準は3個以下のエラーとなります。この基準を超えるエラーが発見された場合、全データを再確認し再検査を行い、必要に応じて「きつい検査」に移行します。このようなプロセスを通じて最終的にデータ品質が保証され、データ固定が実施されます。固定後には症例一覧表や有害事象一覧表が作成され、必要に応じて問題症例一覧表が準備されます。問題症例一覧表では、問題項目ごとに該当症例をリスト化し、症例ごとの問題項目を一目で把握できる形式が推奨されます。これらの工程を確実に実施することで、高い信頼性を持つ臨床試験データが提供され、試験結果の正確な解析や評価が可能となります。

 

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