統計の罠:倫理を見失うデータの誤用【ChatGPT統計解析】

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統計の罠:倫理を見失うデータの誤用【ChatGPT統計解析】

統計の罠:倫理を見失うデータの誤用【ChatGPT統計解析】
統計は、その使用方法に倫理的な区分が必要である。グラフを操作して見せ方を変える行為は広く行われているが、社会的議論を引き起こすような恣意的な統計の考え方や使い方はより重大な問題である。水俣病の「ネコ400号実験」の例では、統計理論を利用して対策が遅れるという事例が挙げられる。統計的には正当かもしれないが、社会的に見て問題のある統計の使い方は、統計の倫理を問い直す必要がある。統計における倫理的な判断が、社会に与える影響を考えるべきである。

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目次  統計の罠:倫理を見失うデータの誤用【ChatGPT統計解析】

 

グラフを自分の都合の良いように見せる

 

医療の倫理、企業の倫理といいますが、統計にも、統計の名のもとにやっていいこととしてはならないことの一応の区切りがあります

 

「グラフは目盛りの設定次第で、見え方が大きく変わってきます。とくに、最小値を大きく設定すると、大きく差がついたように見えます。逆にゼロに指定すると、グラフ全体が見えて微妙な差がわかりづらくなります。目盛の調整方法を知っていると、グラフが思い通りに見せられるようになります。」

 

これはある大ソフトメーカーの表計算ソフトの説明書の一部です。

 

自分の都合の良いように見せることは広く行われていますが、誰でも自らが「間違いを起こすこと」は反省し、謝ることですむ場合も多いですが、他人にわざわざ間違いを起こさせるのは大変罪深いといえるでしょう。

 

もっとも、この程度は許されるという感じ方もあります。

 

ネコ実験:一例では不十分

 

より重大なのは、外見上は統計的に正当ですが、社会的には議論を呼び起こすような恣意的な統計の考え方・使い方です。

 

水俣病は早い段階で「ネコ実験」で確認・予見されたにもかかわらず、「一例では不十分」という統計理論を用いて対策のチャンスが抑えられる結果となった苦い例です。

 

水俣におけるメチル水銀中毒を語る場合に、必ず論じられる「ネコ400号実験」があります。

 

チッソ水俣工場付属病院の細川一医師によって工場排水への疑いを確かめるために行われた動物(ネコ)による実験で、無機水銀を使用している酢酸工場排液(アセトアルデヒド排液)が直接にネコのエサに用いられました。

 

開始約2カ月半後、ネコは痙攣発作、跳躍運動など、問題になっている疾病に固有の症状を示し始めました。

 

ネコはまもなく屠殺解剖されました。

 

細川医師は市川正技術部次長に実験結果を報告したが採用されず、実験の継続もただちには認められませんでした。

 

すでにチッソを退職していた市川元次長は1995年にテレビのインタビューで次のように答えています。

 

ナレーター:細川医師はこの後も実験を続けることを条件に、市川さんの提案を受け入れました。この瞬間にネコ400号はチッソの反論書から外されることが決まりました。

 

記者:結局これがですね、あとで水俣病隠しというふうに言われますね。

 

市川正さん:ええ。

 

記者:それを聞いたときはどう思いましたか?

 

市川正さん:それは間違っていると思いましたね。会社が都合が悪いから外したんだっていう。そういう噂が飛びましたねえ。それはまったく違うんであって、私と細川さんの意志で、むしろ私の意志だったかもわかりませんが(400号実験を反論書から)外したわけです。

 

記者:そのとき外す判断をしたことについて、どう思いますか?

 

市川正さん:わたしは正しかったと思いますね。一例でもってね、判断するというのは非常に危険ですからね

 

 

細川ノートNo.400猫の酢酸工場排液実験

 

方法:酢酸工場排液(アセトアルデヒド排液)20mLを基礎食にかけて毎日1回経口投与した。排液は当院から2回採取に行く。

 

開始:1959年(昭和34年)7月21日

 

実験経過

 

7月21日 開始

 

10月6日 症状発現 元気なく、うずくまる。檻内で少しよろめく。食欲あり。外へ出して歩かせると後肢の麻痺が軽度に認められる。毛の光沢なし。

 

10月7日 朝食後まもなく間代性痙攣発作並びに跳躍運動(1分以内)を認める。外に出してみると失調、震顫が著明で元気なし。さらに1回、間代性痙攣発作(瞳孔散大、よだれ)襲来す。

 

10月8日 午前に1回、午後に2回、痙攣発作ならびに跳躍運動あり。食欲かなり良好。

 

10月9日 朝食後痙攣発作(1分20秒)あり。痙攣発作中より流涎を認める。また失調、震顫を認めた。摂食の中、前肢で食物を押さえて食べようとしてもうまく食べられない。首を持って吊り下げると後肢を曲げる。元気もかなりあり、食欲も比較的よい。

 

10月21日 痙攣発作後回走運動(壁にぶつかり方向転換し、走り回る)。

 

10月24日 回走運動2回あった。次第に衰弱し全く元気、食欲なし。体重1.8kg屠殺解剖す。標本は九大へ送る(水俣病資料集、1966、下p.1579)

 

一般的にいうと、今日でもしばしば「さらに科学的解明を待つべきである」という言い分が一当事者から申し立てられます。

 

その間に被害者の数が増えていくのであれば、そこがまさに統計の倫理が問われるところでしょう。

 

 

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