T得点とZ得点で学ぶ偏差値の秘密【ChatGPT統計解析】
T得点とZ得点は、テストの得点を他の人と比較するための統計的手法で、偏差値を用いて評価します。偏差値は、得点が正規分布に従っている場合に、得点を平均50、標準偏差を10として換算したものです。例えば、得点が76点なら偏差値は63.3です。偏差値は基準集団に依存し、異なる集団間での直接比較はできません。受験では、模擬テストの偏差値が大学の合格可能性を示す指標として使われますが、基準集団の違いに注意が必要です。
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T得点とZ得点(T score and Z score)の統計学
得点から偏差値を知る
「偏差値」は、テストの得点を他の人との比較で相対評価するために、もとの得点をある簡単なルールで換算した(読み替えた)ものである。
いま、基準となる集団における得点の分布が、よく知られた標準タイプである「正規分布」になっているとしよう(正規分布は人の身長の分布などで知られる)。
下の図のつり鐘型の曲線がそれである。
次に、得点の換算を行う。
まず平均点は50ときりよく換算する。
ここでは平均点は60点だったとして60→50と換算する。
次に得点分布の散らばりであるが、ここでは標準偏差が12点だったとしよう。
平均(60点)は50と読み替えたが、この標準偏差(12点)は10と読み替える。
そして、もとの得点の12点の違いごとに10を加減して、
24点→20、36点→30、48点→40、60点→50、72点→60、84点→70、96点→80のように、もとの得点から偏差値への換算を行う。
この換算ルールを一般的に式で表すと、
偏差値(T)=10×(得点一平均)/標準偏差+50
となっていることがわかる。
たとえば、76点という得点の偏差値は
T=10×(76−60)÷12 + 50 = 63.3
となる。なお、偏差値は無名数であり、63.3「点」とはしない。
図の正規分布のグラフからわかるように、偏差値80以上あるいは20以下は極めて小確率(あわせて0.3%)でしか起こらない。
また、偏差値70以上、あるいは30以下もわずかであり、ほぼ最高点、最低点に対応するものといえよう。
もちろん、平均点以上(以下)は、偏差値50以上(以下)に対応し、全体のちょうど半数を占める。
このように、偏差値は、どのようなテストでも平均が50となり、20〜80の範囲に分布全体がほぼ収まる。
なお、得点分布が正規分布でない場合には、正規分布になるように分布の形も変換するのが、もともとの偏差値の考え方である。
ただし、もとの得点分布が正規分布でなくても、分布の形はそのままで、平均と標準偏差だけを50と10に合わせるような換算を行うこともあり、その換算点も同様に「偏差値」とよばれている。
「正規偏差値」と「正規化しない偏差値」と明記すれば混乱は避けられる。
英語では、前者は「Tスコア」、後者は「Zスコア」とよばれている。
正規分布に基づいていないZスコアからは、直接的に確率(%)の計算をすることはできないので注意が必要である。
偏差値はその基準集団の中で、たとえば自分の英語の成績と数学の成績は相対的にどちらが優れているのかといった比較をするのには適している。
その一方で、偏差値はどのような集団を基準として選んだかということに完全に依存するため、異なる集団を基準の集団として求めた偏差値を直接比較することはできない。
なお、偏差値は学力テストの得点に適用されることが多いが、基本的には純粋に統計学的な換算点であり、どのような内容の変数に対しても(たとえば体重でも血糖値でも)適用できる。
偏差値とパーセンタイル順位
基準集団の中での順位を表すには、何人中の何番という直接的な表示のほか、得点の低いほうから数えて何%に当たるかという「パーセンタイル順位」による表示もよく使われる。
表は、偏差値(正規偏差値)とパーセンタイル順位との関係を示したものである。
グラフからもわかるように正規分布では中央付近に分布が集中するため、偏差値の50前後では、偏差値のわずかな違いでもパーセンタイル順位の差が大きくなるという特徴がある。
受験界でいう偏差値
受験界で偏差値というと、合否の可能性を予測するための模擬テストの得点に適用したものを指すのがふつうである。
そして、「A大学の偏差値は55」というようないい方をする場合は、模擬テストの偏差値が55であれば、A大学への合格可能性が一定の値(たとえば60%)を超えるということを意味している。
もちろん、この場合も、偏差値を算出する基礎となる基準集団が何かということを抜きに、その数字の意味を考えることはできない。
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