個推定値の標準誤差|【多変量解析・統計学・統計解析】
個推定値の標準誤差
各被験者に対して基準変数における彼・彼女のスコアから,実際の彼・彼女のスコアを引き算することを考えてみよう.
これらのスコアは,一般に誤差得点とか残差得点とよばれ予測または複数の回帰式を用いて基準変数上の被験者の得点を推定する際の誤差を表している。
これらの誤差得点の分布の標準偏差であるSDの小さい重回帰方程式は精度がいい.
重回帰方程式は平均についての式であって.その上に予測にエラー(誤差)が少ないことが示されるからだ.
他の標準偏差を用いるのと同じでSEは信頼区間を考えるためにも使われるにのある仮定の下ではこれらの区間はその区間内では基準変数の得点が低下すると予想される限界値を示している。
完全な予測が存在しない(つまり,p<1.00)ことを考慮すれば.1つの特定の予測得点を使用するよりも,予測得点の範囲や間隔を設けるほうが.多くの場合でより合理的である。
たしかに,予測変数まわりの信頼区問を計算するにあたってSEが統計的に最も正確というわけではない。
なぜならSE は予測のエラーの平均だからである。
つまり,どの予測の値に対しても一定の数であるが,実際の予測における誤差は一定ではない。
むしろ,予測変数の値がそれぞれの平均から離れるにつれて,予測誤差は大きくなる。
言い換えれば,外れ値をもつ被験者の予測は,平均ぐらいの予測変数をもっている被験者から比べれば,どんどん正確さがなくなっていくといえる。
公開された予測研究の論文に対して,多くの可能性を秘めたSEの記載を求めることは無理がある。
しかしSEをのせることで,この研究を応用しようと思っている潜在的なユーザーに対して,予測の誤差の平均がどれぐらいあるかを示すぐらいのことはしたほうがよい。
ユーザーは,SEとその応用の信頼限界を計算して,自分たちがほしい情報を手に入れたいと思うだろう。
関連記事