理論的な説明【多変量解析】

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理論的な説明|【多変量解析・統計学・統計解析】

理論的な説明【多変量解析】


目次  理論的な説明【多変量解析】

 

 

理論的な説明

 

相関係数から因果関係を描き出すことはできないという原則に基づいて,回帰と相関から本質を説明したり現象の原因を説明したりすることはできないと多くの人が論じてきた。

 

しかし,因果的だったり説明的だったりする解釈を可能にするのは,データの分析手続きというよりむしろ,理由づけのロジックやデータ収集デザインによってあらかじめ定まるのである。

 

この話については2つの論点が含まれていることを指摘しておこう。

 

第一に,人が現象の性質についてよりよく理解するのはそれといっしょに起こった変数を特定することによってであるということだ。

 

結論とまではいかなくても、同時に起こった要因はお互いに因果的に関係している可能性があるか,共通の原因となる他の要因をもっている可能性がある。

 

少なくとも,同時に生じるという情報は,現象を研究の対象とするときに,理論的な構成を助けることができる。

 

MRCは共起関係について複数の指標を提供することによって,この問題に対処する。

 

第二に、ある人の因果論において確信をもたらすのは,あり得そうな他の因果的説明を除外し,その仮説をどんどん改良していくことによってである。

 

より好ましいのは、実験的統制の名の下,研究のデザインにおいて他の因果的説明が除外されていることである。

 

しかし,実験的制御は不可能なことがよくある。こうしたとき,MRCはある他の説明要因(第三変数による説明)について,統計的な統制を加えることができる。

 

Steinberg, Elmen. & Mounts (1989)では,養育態度が学業成績に及ぼす効果に関する仮説を検討するためにMRCを用いている。

 

これらの仮説のうちの1つは,1985年の研究で見いだされた,権威的養育態度の3つの要素(受容,心理的自律性の援助,行動制御)が. 1986年に成績平均点(grade point average: GPA)によって測定された青年期の学業成績にそれぞれ独自に影響するであろうというものであった。

 

他の説明変数として. 1986年のGPAが権威主義的な養育態度に影響したのではないか,というのがあったが、実験的な統制を通じてそれは除外された。

 

というのもGPAは養育態度を測定した1年後に測定されたのである。

 

1986年のGPAを説明する第三変数として,6つの変数を統計的に統制したMRCを行った。

 

それらは, 1985年のGPA, 1985年の学業成績(CAT),年齢,社会経済的地位(SES).家族構成(FAM)である。

 

この統制は, MRC分析において予測変数に加えてこれら6つの変数を入れることで達成されている。

 

 

たとえば,性別は養育態度と大学での成績の問にみられる可能性のあるあらゆる関係を制御する変数として予測変数の巾に含められた。

 

養育態度が大学での成績に影響しているから,という理由以上に性別が実際に影響するかもしれないからである(たとえば養育態度と大学での成績が,因果的な関係にないということであったとしても、その関係を計算することによって,女の子のほうが男の子よりも成績がよい可能性がある。

 

MRCは分析から性別を除くようにコントロールし性別に関係する変化を統制された。

 

つまり残されたものは,養育態度と1986年のGPAの関係だけであり、それらは性別から影響を受けてないとされる。

 

3つの養育態度と潜在的な第三変数が予測変数の中に入れられ. 1986年のGPAを基準変数とした重回帰分析に同時に投入された。

 

これはステップワイズ法や階層的重回帰分析、総当たり法の重回帰分析で行われているような、変数の追加や削除を一つひとつ行う方法ではなく、あらゆる予測因子の貢献度を同時に分析する方法である。

 

前述のように. MRCは予測変数の組み合わせから基準変数を予測する線型方程式として,最適な係数を決定するにあたって,最小二乗基準を用いる。

 

 

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