健康関連QOL測定値の選択基準【統計解析講義応用】

健康関連QOL測定値の選択基準【統計解析講義応用】 | 統計解析 - ChatGPT・Python・エクセルを使った講義で最速マスター

セミナー詳細                    解析ご相談                    LINEでお友達

健康関連QOL測定値の選択基準|【統計学・統計解析講義応用】

健康関連QOL測定値の選択基準【統計解析講義応用】


目次  健康関連QOL測定値の選択基準【統計解析講義応用】

 

 

健康関連QOL測定値の選択基準

 

現在使用されている多くの尺度は,前述の信頼性,妥当性,および使いやすさの基準を満たしている.

 

ある特定の状況において適切な選択をする場合,その選択基準に含めるべき追加事項は多くある.

 

いくつかの健康関連QOL測定値は.精神状態において患者の特定の母集団によって設計されており,それらはより広範囲の患者や被験者に対しては適用されていない.

 

大抵の指標は.機能的な制約を基としてではなく,疾患の重症度を利用して開発されている.

 

健康関連QOL評価測定値は,その尺度で測定するためにデザインされた母集団,あるいは興味のある領域(例えば,情緒的な幸福感(emotional well-being),経済状態など)に基づいて選択され.容易に使うことができる.

 

現在,包括的(generic,全般的(global))なQOL測定値と,疾患特異的なQOL測定値の2種類が頻繁に用いられている.
これら2種の尺度は患者の健康関連QOLを異なる観点で測定し.互いに補完するものであると考えられている.

 

最近の研究では,2種の健康関連QOL測定値は.ともに健康関連QOLの問題に関して全範囲を網羅するために使用されている.

 

包括的(全般的)な健康関連QOL測定値の結果は,疾患間,メタアナリシスにおける研究間,一般的または「健康的な」集団標準値において比較することが可能である.

 

健康関巡QOLの包括的測定値の多くには.一連の下位尺度と領域があり,健康関連QOLに関して異なる全般的な要因を測定する.

 

また,いくつかは健康関連QOLに関係する特異的な症状を極めて詳細に測定するようにデザインされた.

 

包括的な測定値の欠点(限界)としては,特異的な疾患の状態においては,包括的尺度が健康関連QOLに関連するすべての問題を評価していないということが挙げられる.

 

症状特異的な包括的尺度評価をテスト・バッテリー(test battery)に加えることは,一般的な症状やその特異的な領域が,試験集団において健康関連QOLに強く影響すると確信できる場合に好ましいだろう.

 

この種の尺度は,睡眠.疲労,抑うつのような因子を含む.

 

疾患特異的な健康関連QOL測定値は,特異的な病気や病気分類を測定するように設計されている.

 

特異的な母集団の独特な関心や課題に集中することで.疾患特異的尺度は,包括的尺度よりも応答性(わずかな臨床的相対変化も検出できる)になりがちである.

 

スコア化が容易かどうかは臨床研究者により異なる.質問の明確さと数は,多くの集団,特に機能障害をもつ人や,英語を母国語としない人たちを考慮しなければならない.

 

データの収集目的は,選択に影響を及ぼす.健康関連QOL測定値を,治療効果を評価するための臨床アウトカムとして使用する場合には,治療の成功に影響を受けやすいと研究者が確信しているような領域を含むべきであり,それらは.一般的すぎるべきではない.

 

これらの指標は,薬物毒性(第1相)の測定値として用いることができるほど特異的なものではないが,第U相試験から得られる情報を補足するものとなるだろう.

 

そしてこれらの指標が最もよく使われるのは,第V/第W相試験においてである.

 

いくつかの健康関連QOL測定値が,与えられた母集団のニーズを決定するためにデザインされているが,他のものは経時的に患者をモニターするか,あるいは個人の母集団に対する新規の医療プログラムの影響を評価するようにデザインされている(例えば,AIMS. EORTC (European Organization for Research and Treatment of Cancer. 欧州がん研究治療機関)−包括的尺度よりも疾患特異的な傾向がある).

 

この際.ある特定の尺度をどのように用い,特異的な試験のニーズに対して最適であるかを確認することが好ましい。

 

使用方法は慎重に検討しなければならない.

 

 

尺度の多くは,患者報告アウトカム/自己報告アウトカム(PRO/SRO. Patient Report Outcomes/Self-・Reported Outcomes)の調査である.

 

これは確かに効率的であるが,患者・自己による報告の方法は,質問を誤って解釈したり,完全に埋まらないかもしれない.

 

よって,PRO/SROの調査における欠測データを扱う標準的な方法があるかを知っておくことは重要である.

 

いくつかの調査では,全無回答調査(全く回答/返答されなかった調査),部分無回答調査(調査の大部分が完全でない,あるいはいくつかのページのみ回答された調査),項目無回答(ある項目は完全だが,他の項目が回答されない調査)の扱いについて,極めて特異的な指針を提示している.

 

調査によっては,すべての調査が完全ではなく,重要な領域に対するスコアを到達することが不可能な場合がある.

 

この場合,被験者が試験中の間に,既に終えた調査が完全であるかを早期に確認することで,これらの回答に関する問題をいくらか回避することができる.

 

あるいは,患者が次の質問に進む前に,回答が不完全ならば信号を出して未解答欄があることを知らせる電子調査で回避することもできる.

 

電話調査や面接を行うことでデータの完全性はさらに確実になるが,訓練された面接官など,さらなるリソースが必要となり.実施するのによりコスト(費用)がかかる.

 

また電話や面接の調査場面において,質問に関する面接官独自の解釈が,無意識にも回答に影響を及ぼすかもしれない.

 

また,患者/被験者の介護者,または法的代理人が情報源となることもある.

 

この方法は情報を取得するための有効な手段であるが,しばしば患者と介護者間には知覚的差異があり.患者または介護者に実施された同じ試験間の相関は,常に強いわけではない.

 

 

健康関連QOL測定値の選択基準【統計解析講義応用】


セミナー詳細                    解析ご相談                    LINEでお友達

健康関連QOL測定値の選択基準【統計解析講義応用】

健康関連QOL測定値の選択基準【統計解析講義応用】