リファレンス選別から知見導出までの文献レビュー術【ChatGPT統計解析】
文献レビューを執筆する際は、まず情報源を特定し、関連するリファレンスを選別することが重要です。入手可能性や研究との関連性、研究の質などが選別基準となります。リファレンスを選んだ後は、慎重に批判的視点で内容を読み、不備や限界をノートにまとめます。レビューを整理する際は、関連する研究をグループ化し、類似や矛盾を分析します。レビューの目的は、エビデンスを要約・評価し、最新知見を示すことです。結論には信頼性や未解決の問題を含め、仮説の妥当性を示す必要があります。
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文献レビューを書く
文献レビューの執筆には多くのステップがある.
資料となりそうな情報源を特定したのちに,リファレンスの場所を探し,関連あるものを選別する必要がある.
リファレンスを選別する
文献検索によって見つけたリファレンスは,選別する必要がある.第1の選別基準は,このリファレンスは簡単に入手できるのか,というまったく実際的なものである.
たとえば,学位論文の抄録は簡単に手に入るが,論文の全文はそうではない.
または,読者が読めない言語で書かれているリファレンスもある.
第2の選別基準は,そのリファレンスと自分の研究との関連である.
通常(いつもではないが),抄録を読めば推測できる.
抄録が手に入らないときは,タイトルから関連性を推測することになろう.
批判的に統合されたレビューの場合,第3の基準は,研究の方法論的基準,つまり,研究から生まれるエビデンスの質である.
要約しノートを記録する
その文書が自分の研究に関連があると判断したならば,全体の内容を慎重に批判的視点から読み,その報告の不備や隙間について,ノートをとったりよく見る必要がある重要な資料を確認する.
論文のコピーを使って,重要な情報に印をつけたり,アンダーラインを引いて作業することは有用である.
論文のコピーを使った場合も,ノートをとり,報告の利点や限界について要約を書くことをすすめる.
系統だった方法で情報を記録するには,形式の整ったプロトコルが助けになることが多い.
レビューを整理する
情報の整理は,レビューを古く際の重要な作業である.
トピックについての文献が広範な場合は,要約表を書くことをすすめる.
表には,著者,研究のタイプ(質的か量的か),標本,デザイン,データ収集方法,主要な研究結果などを項目にした欄をつくる.
こうした表があれば,ざっと概観しただけで大量の情報について理解できる.
要約表の例
エイバークロンビー〔Abercrombie, 2001〕は,Pap塗抹テストが異常であった者のフォローアップを改善する方略についての研究をレビューした.
そのレビューには,9つの研究をまとめた表がある.
項目は,著者と日付,標本の大きさ(サイズ).目的,デザイン/介入,結果である,
レビューを書く場合,たいていは概要(アウトライン)から始めるのが役に立つ.
レビューが長く複雑な場合には,概要を書くことが有益であろうし,短いレビューでは,概要を記憶にとどめておくだけで十分であろう.
重要な点は,書きはじめる前に構想を練ることである.
そうすれば,提示する文章が,意味のある,わかりやすい流れとなる.
まとまりのなさは,学生が初めて研究文献レビューを晝こうとする際によくみられる弱点である.
整理の細目はトピックによって異なるが,全体の目標は,提示する文章が論理的で,有意義にまとまっており,トピックについて何かわかっていて何がわかっていないか,結論を導くように,レビューを構成することである.
レビューを整理する際の重要な原則は,いくつかの研究を同じ群にまとめたり,比較する方法を見つけだすことである,
たとえば,類似した結果を出した研究と,逆に,矛盾した結果であったり結論がはっきりしない研究とを対比して,なぜ一致しないのか,きちんと分析することもできよう.
また,類似した方法で主要な変数を操作した研究を,同じ群にまとめたいかもしれない.
主要な特徴によって研究結果がさまざまである場合は(例:研究結果が異なる場合,女性を対象とする研究と男性を対象とする研究を比較する),研究の環境や標本の性質に合わせてテーマを構成するレビューもあろう.
研究レビューは,質的研究を行うことにやや似ており,重要なテーマを探さなくてはならない.
主なトピックとその提示の仕方の順番が決まれば,ノートを順にレビューする.
これは,先に読んだ資料の想起に役立つだけでなく,特定のリファレンスが概要のどこに(またはすべてに)あてはまるかを判断する下準備となるだろう.
あるリファレンスがどこにもあてはまらないように思えるなら,概要を訂正するか,またはそのリファレンスを廃棄する必要があろう.
この時点で,文献レビューの過程でもっともむずかしい作業を終了するだろう.
しかし,この過程が完了するのは,報告の草稿を書き,編集を終えたときである.
文献レビューの内容
研究文献レビューを書く際には,トピックについての最新知識の状況を客観的によく整理して要約し,読者に提示しなくてはならない.
文献レビューは,一連の引用や一連の抄録であってはならない.
中心的な作業は,研究者が行ったことを単に記述することではなく,エビデンスを要約し批判的に評価して,トピックについての最新知識の状況を明らかにすることである.
レビューは,文献の一貫性と矛盾の双方を指摘し,その矛盾に対して可能な説明(例:概念化やデータ収集方法の相違)を提示しなければならない.
重要な研究は詳細に記述する必要があるが,すべてのリファレンスを広範に網羅する必要はない(とくにページ数に制限がある場合).
類似の研究結果でそれほど重要ではない報告は,まとめて要約してよい.
文献は,自分の言葉で要約しなくてはならない.
レビューは,研究全体における蓄積された重要性に貢献する検討材料を示すものでなければならない.
さまざまな文書からの引用をつなぎ合わせただけでは,既存の研究を消化し理解したとはいえない.
レビューは,可能なかぎり客観的でなければならない.個人的な価値観や勘と相反する研究も除外すべきではない.
ある研究結果が他の研究結果と矛盾するという理由で,その研究を意図的に無視すべきではない.
矛盾する結果を分析し,それを支持するエビデンスを客観的に評価しよう.
文献レビューは,トピックについての最新知見の要約をもって締めくくるべきである.
要約は,研究結果をまとめ,それらがどれほど信用できるかを示す.
また,研究されていない隙間や領域を記さなくてはならない.
このように,要約には,トピックに関するエビデンスの広範さと明解性(依存性)についての批判的判断が必要である.
新たな研究の一環として文献レビューを行う場合,この批判的な要約は,研究の必要性を示すとともに,どのような仮説がその文脈のなかで立てられたかを明確に示すものでなければならない.
研究報告(もしくは研究提案書)の文献レビューは.通常,その問題や関連する介入(介入がある場合)についてわかっている情報だけでなく,その問題がどれほど多くみられるかについての情報も述べる.
研究報告や研究提案書では,著者は,新しい研究のための「立件(build a case)」をしようとしている.
研究方法の技能を身につけるまでは,最新知見のレビューを書く立場に立ったとは認められない.
文献レビューのスタイル
初めて文献レビューを書こうとする学生は,レビューの標準的なスタイルにあわせるのに苦労することが多い.
たとえば,学生は,経験的研究が決定的であると誤解することが多く,研究結果を批判や留保することなく受け入れてしまうことがある.
いかなる仮説も理論も,経験的検証によって立証も反証もできない,またいかなる研究設問も,ただ1つの研究で確定的に答えを得ることはない,ということに留意すべきである.
どの研究にもある程度の限界があるが,その程度は,研究者の方法論的判断に影響される.
もちろん,理論と仮説は確定的には立証も反証もされえないという事実は,エビデンスを軽視したり,われわれが出会うすべてのアイデアを疑ってかからなければならないということを意味するものではない.
とくに,結果が反復されている場合はそうである.
この問題は,ある程度,意味論的な性質のものである.
つまり,仮説は立証されないが,研究結果によって支持される.
理論は確証されないが,その妥当性を示す相当数のエビデンスがあるならば,暫定的に受け入れられる.
研究結果を記述するとき,以下のように,結果の暫定性を示す文章を一般にもちいる.
・いくつかの研究によってわかったことは
・これまでのところ結果が示唆することは
・注目すべき研究の結果が示すことは
・仮説によって支持されたデータは…
・‥・という確かなエビデンスがあるようである
関連するスタイル上の問題は,レビュー初心者の場合,自分自身またはほかの人々の意見をレビューに差しはさむという傾向がみられることである.
レビューに意見を入れるのは慎重であるべきであり,それらの出典を明示すべきである.
レビューをする者の意見は,研究の質を評価するとき以外は,レビューに入れてはならない.
文献レビューを執筆する際には、いくつかの重要なステップがあります。まず最初に、資料となりそうな情報源を特定し、次にそれらのリファレンスを適切に選別する必要があります。この段階では、リファレンスの入手可能性が重要なポイントとなります。たとえば、学位論文の抄録は容易に手に入るものの、論文の全文はそう簡単には手に入りません。また、読者が理解できない言語で書かれたリファレンスも問題となるでしょう。次に考慮すべきは、そのリファレンスが自身の研究にどれほど関連しているかです。通常、抄録を読むことでこの関連性を推測できますが、抄録が入手できない場合は、タイトルから関連性を見積もることもあります。さらに、文献レビューの中でもっとも重要なステップのひとつは、その研究の方法論的基準、すなわちエビデンスの質を評価することです。特に批判的に統合されたレビューでは、このような質の評価が不可欠です。次に、リファレンスが自分の研究に関連すると判断した場合、その文書全体を批判的視点で慎重に読むことが求められます。その際、報告の不備や隙間、あるいは特に注目すべき部分を見つけ出すためにノートをとることが推奨されます。さらに、文献のコピーを用いて、重要な情報に印をつけたりアンダーラインを引くことで、より効果的に資料を活用できます。その後、コピーを利用してもノートを作成し、報告の利点や限界について要約することが理想的です。このプロセスを行う際には、系統だった方法で情報を記録するために、形式の整ったプロトコルが役立つことが多いです。レビューを書く際に情報を整理することも、非常に重要な作業です。特に広範なトピックについての文献を扱う場合には、要約表を作成することが勧められます。この要約表には、著者名、研究のタイプ(質的または量的)、標本、デザイン、データ収集方法、主要な研究結果などの情報が含まれるべきです。このような表を使うことで、大量の情報を簡単に概観し、理解することが可能となります。たとえば、Abercrombie(2001年)のレビューでは、Pap塗抹テストの異常結果に対するフォローアップ改善方策に関する9つの研究が要約されています。そこでは、著者名、日付、標本のサイズ、目的、デザイン/介入、結果といった項目が記載されており、情報を整理する際に非常に役立ちます。次に、文献レビューを書く際には、通常、概要から始めると作業がスムーズに進みます。特に長く複雑なレビューを書く場合には、概要をしっかりと書き上げることが重要であり、短いレビューでは、概要を頭の中に留めておくだけで十分です。このようにして、書き始める前に構想を練ることで、論理的で意味のある、わかりやすい流れを持った文章を作成することができます。文献レビューでしばしば見られる初学者の弱点として、文章のまとまりがないことが挙げられます。整理の方法はトピックによって異なるものの、全体的な目標は、論理的かつ有意義にトピックをまとめ、何がわかっていて何がわかっていないのかを明らかにすることです。また、同じ群に研究をまとめたり、比較したりする方法を見つけることもレビューを整理する上での重要な原則です。たとえば、類似した結果を得た研究と、矛盾した結果や結論がはっきりしない研究とを対比して、なぜ結果が一致しないのかを分析することが求められます。また、主要な変数を操作した研究を同じ群にまとめることもあります。研究結果が異なる場合には、たとえば性別による差異を分析し、女性を対象とする研究と男性を対象とする研究を比較するなどして、研究の環境や標本の性質に基づいたテーマでレビューを構成することができます。文献レビューは質的研究に似ており、重要なテーマを探し出す必要があります。主要なトピックとその提示の順序が決まれば、それに基づいてノートを整理し、先に読んだ資料を思い出す助けとすることができます。この作業は、どのリファレンスが概要のどこに適合するかを判断する準備にもなります。また、もし特定のリファレンスがどの部分にも適合しないと感じた場合、概要を修正するか、そのリファレンスを破棄する判断が必要です。この段階を終えれば、文献レビューの過程でもっとも難しい部分を終了したことになりますが、まだ報告の草稿を書き、編集を行う作業が残っています。文献レビューを書く際には、トピックに関する最新の知識をよく整理し、要約した内容を読者に提供することが重要です。文献レビューは単なる一連の引用や抄録であってはならず、研究者が行ったことを単に記述するだけではなく、エビデンスを要約し、批判的に評価して、トピックに関する最新の知見を明確に示す必要があります。また、レビューでは文献の一貫性や矛盾を指摘し、それに対する説明を行うことが求められます。たとえば、概念化やデータ収集方法の違いが原因で結果が異なる場合、その違いを適切に説明することが重要です。レビューを書く際には、すべてのリファレンスを網羅する必要はなく、特にページ数に制限がある場合は、重要な研究に焦点を当てるべきです。類似した研究結果でそれほど重要ではないものについては、まとめて要約することで十分です。さらに、文献は自分の言葉で要約し、既存の研究を単に引用するのではなく、研究全体の中でどのような重要性を持つかを明示する必要があります。レビューは可能な限り客観的であるべきであり、個人的な価値観や直感に反する研究を除外すべきではありません。たとえば、ある研究結果が他の研究と矛盾しているからといって、その研究を意図的に無視することは避けるべきです。矛盾する結果を分析し、そのエビデンスを公正に評価することで、レビューの信頼性を高めることができます。文献レビューは、トピックに関する最新の知見を総括する形で締めくくるべきです。この総括は、研究結果をまとめ、それらがどの程度信頼できるかを示し、さらに未解決の問題や研究の隙間を明らかにするものです。このように、文献レビューの要約には、エビデンスの広がりと明確さを客観的に評価することが求められます。また、新たな研究の一環として文献レビューを行う場合には、この批判的な要約は、研究の必要性を示し、どのような仮説がその文脈の中で立てられたかを明確に示す役割も果たします。研究報告や研究提案書の文献レビューでは、その問題や関連する介入についての既存の情報だけでなく、問題の頻度や重要性についても触れる必要があります。このようにして、著者は新しい研究を実施する正当な理由を「立件」しようとします。研究方法の技術を習得するまでは、最新の知見に基づくレビューを書く能力は十分には身についていないとみなされるかもしれませんが、継続的な学習を通じて、文献レビューの執筆能力は確実に向上します。
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