施設外IRBの進化と企業主導研究の新時代【ChatGPT統計解析】

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施設外IRBの進化と企業主導研究の新時代【ChatGPT統計解析】

施設外IRBの進化と企業主導研究の新時代【ChatGPT統計解析】
施設外IRB(独立倫理審査委員会)は、大学や大規模研究機関以外で行われる研究に対する審査を行うため、1968年に米国で設立された。最初の施設外IRBであるWestern IRB (WIRB)は、内分泌科医Angela Bowenがコミュニティベースの研究を続けるために設立した。その後、施設外IRBは規制当局や製薬会社からの依頼に対応し、特に小規模な医療施設や独自のIRBを持たない研究機関に重要な役割を果たすようになった。FDAやDHHHが制定した規則により、企業出資の研究もIRBの審査が必須となり、1980年代以降、施設外IRBの数や規模が急速に拡大した。WIRBの有料審査制度は、施設内IRBと比較して効率的で迅速な審査を提供し、研究者に支持された。しかし、営利目的による利益相反のリスクも指摘されており、被験者保護の維持が課題とされている。

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目次  施設外IRBの進化と企業主導研究の新時代【ChatGPT統計解析】

 

 

施設外部の独立IRBの役割

 

歴史

 

米国初の施設外部の独立IRB(以下「施設外IRB」と記す)であるWestern IRB (WIRB)は,予期せぬ一連の事情に対応するために1968年に設立された.

 

Angela Bowen という内分泌科・医が,シアトルのVirginia Mason Hospital (バージニア・メイソン病院)を辞して,オリンピア(ワシントン州)で開業するために移助した.

 

Bowenは. NIHグラント(研究費)を受けており,コミュニティベースの開業医(private practice)としても研究を継続したいと望んでいた.

 

しかし. NIHでは開業医ベースの研究を支援する仕組みや,将来的にも支援を開始予定はなく,非営利団体(non-profit entity)からの助成に研究費を移行するよう要求した.

 

Bowen医師は,地域の慈善団体と研究費助成の交渉をした.

 

しかし,その慈善団体は,これまで医学的研究を支援した経験がなかった.

 

そこでBowen医師は,コミュニティの医師グループと一般人からなる委員会を作って,そこから研究に関する助言を受けたりスポンサー団体に関わる問題に対処することとした.

 

当時は,研究費を受けている研究機関が被験者保護およびインフォームド・コンセントの手順を遵守しているか否かに関して,事前に施設内委員会での審議を受けることを求めていたのは,米国公衆衛生局(USPHS)のみであるという時代であった.

 

Bowen医師が独自に委員会を設立した時期は, NIHクリニカルセンターで実施する研究に関してIRBの審査を要求したり. USPHSがIRBのメンバーとして専門外の委員を加えるように求めたのとほぼ同時期であった(1969年).

 

これは偶然であったものの,当時研究者間で起こりつつあった動きが形となって現われたものであった.

 

悪名の高いタスキギー梅毒実験(Tuskegee Syphilis Trial)の全容は未だ明らかにされていなかったものの.米国で実施される医学研究においては,ニュルンベルク綱領に示す被験者の基本的人権が必ずしも守られていないことが. NEJMに掲載されたBeecherの論文で明らかにされた.

 

研究の外部監督が必要であることは明白であった.

 

Bowen医師は,地域の人材で研究をどのように監視するかという方法を確立していったが.NIHでは,施設内に委員会を設置する方法を確立していった.

 

施設内に委員会を設置する方法は,ほとんどの医学研究が政府の資金援助により医療機関において行われていた時代には適切な方法であった.

 

Bowen医師が開設した委員会は,オリンピアを始めとして地域の医師の必要に応じて事業が拡大してゆき, 1977年にはWIRBとして法人化された.

 

その考え方は,米国保健福祉省(Department of Health and Human Services, DHHS)および食品医薬品局(Food and Drug Administration,FDA)が1981年に制定した連邦規則集(21 CFR Part56および45 CFR Part 46)にも取り入れられていった.

 

1981年のFDA規則は,施設外部の独立IRBが発展する上で重要な役割を果たしている.

 

この規則では,FDAの監督下にあるすべての研究がIRB審査を受けるべきことが定められたとともに,前文においては,開業医が資金提供を受けて行う場合など専門的研究機関以外で研究が行われ.施設内IRBが存在しない場合のあることが示されている.

 

FDAが示した対応策の1つは,地域にある医療施設内のIRBに審査を依頼することであったが,実際問題として,そのような委貝会では自分たちの施設における研究の審査を行うだけで手一杯という状態であった.

 

WIRBが確立した有料の審査制度サービスモデル(fee-for-service model)は,企業出資による研究の他,研究鼠:規模が小さく独自のIRBを設世できない医療機関に適していた.

 

1980年代には,研究者のこのコミュニティニーズに応えるために,いくつかの有料で審査を行う独立IRBが設立された.

 

FDAおよびDHHSがそれぞれ策定した規則により.連邦政府の助成資金により行う研究と,製薬企業が出資して実施する研究に関する規制の枠組みは,概ね一致しているものの,異なる点も存在した.

 

そのような差異により,2種類のIRB制度が進展する結果となった.

 

NIHの研究費は.主として医学研究施設に向けられ,企業が拠出する研究費は,研究施設に加えて小規模な医療施設に向けられていった.

 

生物医学の分野における研究費は,従来ほとんどが政府出資によるものであったが, 1980年代末までに米国の製薬企業による研究開発費がNIHによる歳出額を上回るようになり.施設以外で行われる研究の割合が増えるにつれて,その差は拡がっていった.

 

1996年には,制度上および連邦政府の資金拠出による研究に対し,独立IRBによる審査が開始された.

 

同年には, NIH傘下の国立環境衛生科学研究所(National Institute of Environmental Health Sciences ,NIEHS)による委託研究に参加した19歳のロチェスター(Rochester)大学の学生が死亡するという出来事が起こった.

 

この学生の死亡に至った状況を調査したところ,当大学における被験者保護の方策が不十分であることが判明し.研究への被験者登録が差し止められた.

 

このような差し止め処分は,ロチェスター大学の評判と研究費獲得に対して壊滅的なダメージとなりうるものであったことから,大学では,研究再開を目指してWIRBに研究プロトコールの見直しを依頼した.

 

大学が独自の監視プログラムの見直しと再構築を行う間. WIRBは継続的に監督を行った.

 

Bowen医師は.連邦政府の役人と積極的に意見交換を行い,施設外IRBが適正に倫理審査の役割を果たせることを認めさせた.

 

大規模な大学等研究機関においては,状況がロチェスター大学に似たり寄ったりであることが明らかになった.

 

すなわち. IRBに関する連邦規則が開始されてほぼ20年が経過し,研究の件数や複雑さが増す一方で. IRBの人材育成および設備投資は不十分なままであり,多くの大学のIRBでは,負担が超過気味となっていた.

 

ロチェスター大学で研究差し止めが命じられた後,その他の著名な大学研究機関でも差し止めが命じられた.

 

そのような大学のうち数校は.研究プログラムが継続できるようにWIRBに助けを求め,進行中の研究の見直しを依頼した.

 

通常の場合では.WIRBが当初関わっていても,施設内IRBを再構築して,審査の責務を再度施設側か取り戻すことが多かった.

 

しかし,中には,一部の研究に関して施設外IRBによる審査を継続した研究機関もあった.

 

その大部分は,製薬企業や医療機器メーカーから委託された研究であった.

 

そうすることによって,研究費のうち組織に係る経費を増額することなく施設内IRBの機能を保持することができた.

 

IRBの経費は,研究依頼者に請求することができたからである.

 

倫理基準を遵守するという点の他にも,研究の審査を施設外IRBに依頼する理由があった.

 

それは, IRBの機能に関する理由である.研究施設において単一のIRBや被験者保護委員会がすべての研究について責任を負う場合, IRBの委員には,頻繁に会合を開いたり,審査に係る時間を優先的に費やすための助機が乏しい.

 

施設内IRBの委員は,研究者がボランティアで務めていることが多く,会議の時間に対して報酬が支払われるわけではなく,また被験者保護を最も優先的な事項と考えているとも限らない.

 

それぞれのIRBにはそれなりの文化や特徴があるが,全体的に施設内IRBは,研究者からは規制の障害や重荷であり.研究プロトコールを迅速に遂行する上で立ちはだかる障壁と受け止められる.

 

これに対して施設外IRBは,営利を目的としており,事業を継続するために効率が優れていることを示す必要がある(ここで言う効率とは,審査に要する迅速性や費用に関するものであって,承認が出やすいかどうかという点ではない).

 

期待に違わず,迅速な審査を願う研究者の声や研究者からの様々な求めに対して.施設外IRBは適切に対応することができた.

 

施設内IRBによる審査期間はそれほど問題とはされていなかったものの,施設外IRBの数が増えるにつれて,審査期間の長さに影響を及ぼすようになり,施設内IRBの審査能力は,効率の優れた施設外IRBと比較されるようになった.

 

21世紀最初の10年問に連邦政府拠出研究費と企業研究開発費との差が拡大し,研究機関が民間資金による多施設共同研究に竸って参加するようになるにつれて,施設外IRBの数や規模が増加していった.
研究者の間でも,特に上述した研究差し止め事件の後には,研究機関の管理監督業務は膨大な作業量で,困難な業務であることが次第に意識されるようになった.

 

FDAや被験者保護局(Office for Human Research Protections, OHRP)には,監査を行い,研究を差し止め,研究機関内の体制に変更を命じる権限があったが,研究機関やIRBの数が圧倒的に多いために,監査ペースで国内の研究インフラに対する信頼性を維持することは不可能であった.

 

このような背景のもと,研究プログラムを積極的に推進するために.施設外IRBの認証団体が設立されるようになった.

 

非営利団体である「被験者保護プログラム認証協会(Association for the Accreditation of Human Research Protection Programs, AAHRPP)」が2001年に設立され, 2003年には最初の審査機関を認証した.
施設外IRB関係者の間では,認証制度の必要があると考えられており,最初に認証された2機関のうち,1つはWIRBであり,もう1つはアイオワ大学であった.

 

1993年には,企業団体「独立倫理審査委貝会協会(Consortium of Independent Review Boards. CIRB)」が設立された.CIRBは,施設外IRB全体の要望や関心事項をまとめる団体であり, 2009年以降会員の認可制度を導入した.

 

これまで施設外IRBによる審査水準は,高いクオリティを維持しているものが大部分であったが,例外もあった.

 

IRB制度は,全体として大学研究機関を念頭においたものであり,このことは, IRBのIが「institutional (研究施設内)」から来ていることからも明らかである.

 

 

現在のような研究の管理監督法は,大学研究機関において起こったスキャンダルを契機として出来上がったものであった.

 

その後,被験者保護に関する法規制により,研究の監督者には厳格な監督基準と説明責任が追加されたものの,監督権限自体は,大学研究機関に再度委ねられることとなった.

 

施設外IRBは,その名のごとく,大学研究機関の外に置かれている.

 

施設外IRBの運営は,同業者との競合にさらされた利潤追求型モデルにより行われているので,気をつけていないと.ほぼ例外なく被験者保護が最も優先されるべきという大前提が忘れ去られてしまう恐れがある.

 

このようなリスクを現すものとして. 2001年から2010年の間に大規模な施設外IRBが投資家によって買収された事例が挙げられよう.

 

このことは,IRBに利潤追求が求められることを意味する.

 

「利益のための倫理(ethics for profit)」という考え方を受け入れることができない人は多い.

 

施設外IRBは,監督する対象から報酬を受けているので,サービスや審査期間,費用の面で競争するのみでなく,研究の承認という面でも競い合う恐れがある.

 

確立した施設外IRBでは,ほとんどの場合このような利益相反行為を回避する内部手続きを整備している.

 

審査を行うのではなく,承認を販売していると受け取られるならば,仮に短期間であっても,倫理的に問題であるとともに,営業活動に甚大な被害をもたらすと考えているからである.

 

しかし,このような利益相反は,現実問題として起きてしまっている.

 

依頼企業側では研究の妨げにならないことを願い,規制官庁には十分な査察を行う能力がないことと相まって,少なくとも一時期,評判の悪い施設外IRBが儲けを出していたことは否定できない.

 

 

施設外IRB(独立倫理審査委員会)は、研究機関や大学に属さず、外部から倫理審査を行うために設置された機関であり、その役割は主に被験者の権利や安全性を保護し、研究が倫理的に適切であることを確認することである。この施設外IRBの役割が注目され始めたのは1960年代後半で、当時、米国では主に政府が資金を提供する研究が行われ、その監督は主に大学や大規模な研究機関の内部で行われていた。しかし、コミュニティベースでの開業医や小規模な医療施設で行われる研究が増えるにつれ、これらの施設では研究に対する独立した倫理審査が行われることが求められるようになった。施設外IRBの最初の例としては、1968年にAngela Bowen医師が設立したWestern IRB (WIRB)が挙げられる。Bowen医師はNIH(米国国立衛生研究所)から研究費を受けており、シアトルのVirginia Mason Hospitalを辞してオリンピアで開業した後も、開業医として研究を続けることを望んでいた。しかし、NIHは開業医が行う研究に対する支援を行っておらず、Bowen医師は非営利団体からの助成を受けることを余儀なくされた。Bowen医師は、地域の慈善団体と交渉し、さらにコミュニティの医師や一般市民を含む委員会を作り、研究の監督を行う方法を考案した。この委員会が現在の施設外IRBの前身となるものであり、当時はNIHやUSPHS(米国公衆衛生局)の規則に基づき、主に政府が資金を提供する研究のみが倫理審査を受ける必要があった。Bowen医師が委員会を設立した時期は、ちょうどNIHがクリニカルセンターで行われる研究にIRBの審査を求め始めた1969年と重なっており、この動きは偶然の一致ではあったが、当時の研究者たちの間で倫理的監督の必要性が高まっていたことを反映している。特に悪名高いタスキギー梅毒実験の全容が明らかにされる以前から、医学研究における被験者の人権が十分に保護されていないことが批判されており、BeecherによるNEJMの論文などでも指摘されていた。Bowen医師の委員会は地域のニーズに応じて拡大し、1977年には法人化されWIRBとして設立された。WIRBのモデルは、1981年に米国保健福祉省(DHHH)やFDA(米国食品医薬品局)が制定した規則にも取り入れられ、以後、施設外IRBは米国における医学研究の倫理審査において重要な役割を果たしていくこととなった。FDAの規則では、すべての研究がIRBの審査を受けるべきであると定められており、開業医や小規模な医療施設で行われる研究にもその適用が広がった。この規則は、企業や製薬会社が資金を提供する研究を含む広範な研究活動に対しても適用され、施設外IRBの役割がさらに重要視されるようになった。特にWIRBが確立した有料の審査制度は、企業出資による研究や小規模な医療機関にとって非常に適しており、これが1980年代に入ってから施設外IRBの数が増加する要因となった。1980年代には、製薬企業がNIHの歳出を上回る研究開発費を拠出するようになり、施設外IRBの需要が急速に拡大した。1996年には、ロチェスター大学の学生が国立環境衛生科学研究所(NIEHS)の委託研究中に死亡する事件が発生し、被験者保護の不備が指摘された。この事件を契機に、研究機関では被験者保護の体制を見直す動きが広がり、WIRBのような施設外IRBが研究の監督に関与する機会が増えた。施設外IRBは、大規模な大学研究機関においても利用されることが増え、WIRBが継続的に研究を監督する例もあった。通常、施設内IRBが再構築されると審査の責務は施設に戻ることが多いが、一部の研究については施設外IRBの監督が継続されることもあった。このように、施設外IRBは、特に製薬企業や医療機器メーカーが関与する研究において、効率的かつ迅速な審査を提供することで、その役割を確立していった。施設外IRBが提供するサービスは、被験者保護の観点から重要であると同時に、研究の進行を妨げないよう迅速な対応が求められることから、研究者や企業から高く評価されるようになった。しかし、施設外IRBの成長にはいくつかの課題も存在する。特に営利目的で運営される施設外IRBでは、利益相反のリスクが指摘されており、倫理的な審査が十分に行われているかどうかについての懸念が浮上することがあった。1993年には、施設外IRBの協会であるCIRB(独立倫理審査委員会協会)が設立され、2009年には会員の認可制度が導入された。さらに、2001年には非営利団体であるAAHRPP(被験者保護プログラム認証協会)が設立され、施設外IRBの認証制度が始まった。これにより、施設外IRBの審査基準が向上し、被験者保護に対する信頼性が強化された。一方で、施設外IRBが投資家によって買収されるケースも増え、利益追求型のビジネスモデルが強調される中で、倫理的な課題が残るとされている。特に、「利益のための倫理」という概念が批判され、施設外IRBが迅速な審査を提供する一方で、被験者保護が軽視されるリスクがあると懸念されている。施設外IRBの存在は、特に小規模な医療施設や開業医にとっては不可欠であり、研究が効率的に進行するための重要な要素となっている。しかしながら、その運営には常に倫理的な基準を維持する必要があり、特に営利目的のIRBでは利益相反を避けるための内部手続きが整備されていることが求められる。施設外IRBは、大学や大規模研究機関で行われる研究とは異なる形で、地域社会や民間企業が主導する研究に対する審査を行うため、従来のIRB制度と異なる文化や特徴を持っている。そのため、施設外IRBは、迅速かつ効率的な審査を提供することが求められる一方で、倫理的な監督を徹底することが重要である。施設内IRBと比較して、施設外IRBはより迅速な審査を提供できるため、特に多施設共同研究や民間資金による研究においては、その存在が不可欠となっている。21世紀に入ってから、連邦政府の研究費と企業の研究開発費の差が拡大し、研究機関が多施設共同研究に参加することが増えるにつれて、施設外IRBの数も増加していった。また、研究者の間でも、研究の管理監督がますます困難な業務であることが認識されるようになり、施設外IRBの役割がますます重要視されるようになった。

 

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