前向き研究と後ろ向き研究【統計解析講義応用】

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前向き研究と後ろ向き研究|【統計学・統計解析講義応用】

前向き研究と後ろ向き研究【統計解析講義応用】


目次  前向き研究と後ろ向き研究【統計解析講義応用】

 

 

前向き研究と後ろ向き研究

 

コホート研究

 

飲酒と心疾患の関係を調べるには、心疾患の有病ではなくて発生を調べなければなりません。

 

そのための一つの方法として、まず、現在心疾患に罹っていなくて、将来心疾患を発症する可能性のある人を集めてくるという方法があります。

 

このような人たちのことをリスク集団と言います。

 

リスク集団:現在、調べようとしている疾患にかかっていない人で、かつ、将来その疾患を発症する可能性のある人

 

このリスク集団を、飲酒ありグループと飲酒なしグループのように、原因となるものでグループ分けします。

 

そして、数年間追跡調査して、その間に心疾患が発症したかしなかったか、というように、対象としているイベントが発生したかどうかを調べます。

 

これが、コホート研究と呼ばれる方法です。

 

現在から未来に向けてデータを収集しようというわけです。

 

コホート研究では、調べようとしている方向が原因(現在)から結果(未来)へと前向きになっていますよね。よって、コホート研究は、前向き研究の1つとして分類されます。

 

なんでコホート研究と呼ばれているかというと、古代ローマ軍で、コホートという言葉が兵隊の1つの編成単位として使われていたからです。平たく言ってしまえば、グループのことですね。

 

ケースコントロール研究

 

前向き研究があるということは、後ろ向き研究というものもあります。

 

その代表的なものがケースコントロール研究です。

 

ケースコントロール研究では、はじめに、心疾患のように、対象としている疾患に罹っている人と罹っていない人を集めてきます。

 

それから、飲酒の有無のように、原因となるものがあったかなかったかを、過去の資料やインタビューに基づいて調べます。

 

コホート研究とは違って、現在から過去に遡ってデータを収集しようというわけです。

 

調べようとしている方法が結果(現在)から原因(過去)へと後ろ向きになっています。

 

 

なんでケースコントロール研究と呼ばれているかというと、

 

疾患に罹っている人たちのことをケース

 

疾患に罹っていない人たちのことをコントロール

 

と言うからです。

 

前向き研究におけるコントロール:曝露のない人たち

 

後ろ向き研究におけるコントロール:疾患に罹っていない人たち

 

ヒストリカルコホート研究(後ろ向きコホート研究)

 

コホート研究とケースコントロール研究は、観察研究の代表的な研究デザインです。

 

その他にも、観察研究にはいくつもの研究デザインがあります。

 

ここでは、その中でも特に目にすることが多いであろうヒストリカルコホート研究(後ろ向きコホート研究)を紹介します。

 

ヒストリカルコホート研究は、過去のある時点を研究開始時点とみなし、現在までのイベント発生状況を調査するという方法です。

 

調べようとしている方向が原因(過去)から結果(現在)へと前向きになっています。だから、ヒストリカルコホート研究も前向き研究の一つとして分類されます。

 

過去のある時点を研究開始時点とみなすので、曝露記録が残っているときのみ適用可能な研究デザインです。

 

曝露がある場合については、将来何かしらの病気に罹る可能性が高いかもしれないので記録が残っているかもしれませんが、曝露がない場合については記録が残っていない可能性があります。

 

曝露群に関する記録が残っていても、非曝露群に関する記録が残っていなければ、ヒストリカルコホート研究を実施することはできないのです。

 

曝露群だけではなくて非曝露群に関する記録も残っているときに、はじめて適用可能な研究デザインなのです。

 

 

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