労働時間に関する統計|【社会経済統計学・統計解析】
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労働時間に関する統計
労働時間に関する統計
労働時間は、労働需要と労働供給の両面にとって重要な指標である。
労働時間に関する統計は、労働需要側の企業(事業所)を調査対象とした統計と、労働供給側の家計を対象とした統計がある。
前者には、毎月勤労統計調査、賃金構造基本統計調査、賃金労働時間制度等総合調査があり、これら三統計の所管は厚生労働省である。
後者の代表は労働力調査と就業構造基本調査であり、この所管は総務省である。
さらに、労働時間を生活時間の一環として把握する統計に、総務省の社会生活基本調査とNHKの国民生活時間調査(ともに5年周期)があり、この統計も家計側の統計である。
一口に労働時間といっても、どの統計を使用するかにより把握の対象、内容等に微妙な差が発生するので、統計の使い分けが必要である。
労働時間の短縮
かつて、日本人は働きすぎと言われていた。
労働時間が長いことが国際的に非難の的となっていたのである。
労働時間の国際比較は、年間総実労働時間の比較である。
国によって労働慣行、制度等が異なるから、共通の尺度を用いて比較しようとするとその範囲は限定せざるを得ない。
製造業・生産労働者に限定すると、日本の年間総実労働時間は、1988年には2200時間近くもあり、アメリカやイギリスと比べて200時間以上長かった。
しかし、1988年の改正労働基準法の施行以降、1993年にかけて大きく減少し、イギリスやアメリカとほぼ同水準となった。
ただし、ドイツやフランスと比較すると、依然として400時間程度長くなっている。
なお、労働時間の動き、特に所定外労働時間の動きは、景気動向を見る上で重要な指標となっており、製造業の所定外労働時間は景気動向指数の一致系列に採用されている。
製造業の所定外労働時間は生産の動向を反映しており、鉱工業生産指数とほぼパラレルに動いている。
労働生産性
日本の労働時間の短縮要因については、労働基準法の改正等による労働時間対策と並んで、労働生産性の上昇が考えられる。
一般に生産性とは投入量と生産量の比率をいう。
投入量には、労働だけでなく、原料や燃料、機械といった生産要素が挙げられる。
このうち、生産量を労働投入量で割った比率が労働生産性であり、これは労働者が単位労働時間内に作り出す生産量に当たる。
現在、労働生産性指数は社会経済生産性本部で作成されている。
この指数は、経済産業省の生産動態統計調査をはじめ、国土交通省、厚生労働省、農林水産省などの統計から生産量と雇用量(延べ労働時間数)のデータを収集し、産出量指数と労働投入量指数を作成した後、産出量指数を労働投入量指数で除して求められる。
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