日本標準職業分類【社会経済統計解析】

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日本標準職業分類|【社会経済統計学・統計解析】

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目次  日本標準職業分類【社会経済統計解析】

 

日本標準職業分類

 

日本標準職業分類

 

日本における職業分類の原型は、1920年の第1回国勢調査に用いられた職業分類であったという。

 

ただし、今日的視点から見れば、それは産業分類に近く、それに若干の職業的色彩を加味したものであった。

 

当時の状況からすれば、産業分類と職業分類の区分の観念が弱く、両者の区別は1930年の第3回国勢調査以降ということになる。

 

こうした戦前の動向から、二つのことに気づく。

 

一つは、国勢調査が雇用統計の性質も兼ねていることである。

 

この点は今日でも変わらない。

 

もう一つは、戦前にすでに産業分類と職業分類の相違が意識されていたことである。

 

1960年以前にも国勢調査用職業分類の作成、統計審議会による審議などが行われてきた。

 

さらにこの間、国際労働機関(ILO)の国際標準職業分類の作成もあり、これらの経験や研究を考慮して、1960年に設定されたのが日本標準職業分類である。

 

その意味では古い歴史をもつ。

 

分類体系の特徴としては、第一は、職業分類の適用単位は個人であるということである。

 

 

第二は、職業の定義である。

 

日本標準職業分類でいう職業とは、「個人が継続的に行い、かつ、収入を伴う仕事」となっている。

 

この括弧内をどう規定するかが問題となる。

 

仕事の継続性とは、仕事が一時的でないことをいう(周期がなくても、続けていればよい)。

 

収入を伴う仕事とは、収入を目的とする社会的に有用な仕事を指す。

 

したがって、仕事をしないっで収入がある(利子などの財産収入、年金収入、仕送り金、競馬や競輪の配当など)場合は職業の従事とはみなされないし、仕事をしていても収入を伴わない(家事や無給のボランティア活動など)場合も職業とはしない。

 

職業の分類基準の視点としては、次の6点が掲げられている。

 

ただし、分類項目の設定に当たっては、その仕事の従事者数、法的資格なども考慮される。

 

@個人が従事する仕事の形態

 

A必要とされる知識または技能

 

B生産される財貨または提供されるサービスの種類

 

C使用する原材料・道具・機械器具・設備の種類

 

D仕事に従事する場所及び環境

 

E事業所またはその他の組織の中で果たす役割

 

これら@―Eが分類にどのように反映されるかは、分類そのものを見るのがよいであろう。

 

個人の職業を職業分類に格付けするときには、大分類から順次、中分類、小分類に適用される。

 

このときの職業の決定方法が興味深い。

 

その第一は、二つ以上の勤務先で異なる分類項目に従事しているときの決定方法である。

 

原則的に、

 

@就業時間の最も長い仕事

 

A収入の最も多い仕事

 

B最近時に従事した仕事

 

の順である。

 

収入よりも時間が優先されている。

 

その第二は、同一の勤務先で異なる分類項目の仕事に従事する場合の職業の決定順位である。

 

@就業時間の最も長い仕事

 

A職業大分類による優先順位

 

B主要過程または最終過程の仕事

 

の順で、ここでも就業時間が最優先されている。

 

また、職業大分類による優先順位とは、優先度の高い方からG, I, H, F, E, A, D, B, Cの順となっている。

 

大分類と職業決定がリンクしている点が興味深い。

 

その第三は、ある特定の身分をもつ者はその身分によって職業を格付けしている。

 

こうした例は、自衛官、警察官、海上保安官、消防員などである。

 

 

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