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統計学における実験計画法:要因実験【統計解析講義基礎】 | 統計解析 - Python・R・エクセルを使った講義で最速マスター

統計学における実験計画法:要因実験【統計解析講義基礎】

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統計学における実験計画法:要因実験【統計解析講義基礎】

 

目次  統計学における実験計画法:要因実験【統計解析講義基礎】

 

要因実験

 

緊張性気胸という病気の最適な治療方法を明らかにする目的で、実験計画を立案しました。

 

検討すべき要因としては以下の6種類があります。

 

実験者 A B

 

麻酔 あり なし

 

処置間隔(分) 30 60

 

投与量(mg) 50 100

 

胸腔ドレナージ する しない

 

入院期間(日) 1 2

 

それぞれにつき2通りの条件で検討するとしたら、この場合2の6乗、つまり64通りの方法が考えられます。

 

果たしてあなたは64通りの実験をすべて実施し、一番結果の良かった方法を採択しようとしますか。

 

それはあまりに手間と時間がかかりすぎます。

 

もっと効率の良い方法はないでしょうか。

 

簡単に思いつくのは上から順番により良い方法を選択していく方法です。

 

この例では、先ず実験者Aと実験者Bを比べ、実験者Aのほうが臨床経験が豊富で技術的にも優れていると考え、実験者Aを採択します。

 

次いで、麻酔の有無に関しては、海外の大規模比較試験の結果から麻酔下で治療したほうが有効率が高いという報告から、麻酔ありを採択します。

 

この要領で、2択のうち良い方を上から順番に選んでいきます。

 

この方法は一見合理的に思えますが、次のような問題点があります。

 

確かに実験者Aは確かに実験者Bに比べると臨床経験が長いベテランですが、主に麻酔なしでの治療経験が長く、麻酔下での治療経験がほとんどなかったらどうでしょう。

 

むしろ若手の実験者Bのほうが麻酔下の治療技術に秀でていたらどうでしょう。

 

「実験者B,麻酔あり」という選択が最適かもしれないのに、上から順番に決めたがために「実験者B,麻酔あり」という条件を採択するチャンスをつぶしてしまったのです。

 

これを実験者(A/B)と麻酔(あり/なし)の間で交互作用がある、といいます。

 

交互作用とは、ある要因がそれと全く無関係と思える他の要因の影響を受けることをいいます。

 

上から順番に1要因ごとに選択していく方法をOne Factor at A Time法(略してOFAT法)と言います。

 

一般に交互作用を含む実験系においては、OFAT法では最適解が得られないとされています。

 

完全実施要因計画

 

では、やはり64通り実験しなければならないのでしょうか。

 

それはあまりに多すぎるので、せめて3要因(実験者、麻酔、処置間隔)に絞ることにしましょう。

 

それでも2の3乗で8通りもあります。この8通りの試験デザインを図示すると以下のようになります。

 

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1つ1つの実験条件の組み合わせを「デザインポイント」と言います。

 

この場合は2×2×2=8通りのデザインポイントがあります。

 

図の立方体の頂点がそれぞれのデザインポイントに対応します。

 

すべてのデザインポイントを網羅的に実験するこのような計画を「完全実施要因計画」といいます。

 

完全実施要因計画では、要因の数や水準の数が増えるとデザインポイントが飛躍的に増加して実施困難になります。

 

期間、予算なども鑑み、せめてこの半分(4通り)に減らしたいとき、どうすればよいでしょうか。

 

一部実施要因計画

 

このような場合に有効な方法が「一部実施要因計画」である。具体的には以下のような実験デザインです。

 

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つまり、実験者、麻酔、処置間隔の各2条件をできるだけ近いところにまとめないようにするのがコツです。

 

上の立方体で言えば、2点間の距離ができるだけ大きくなるように、言い換えればできるだけ遠く離れた位置に4点のデザインポイントを配置します。

 

このような上手な端折り方をすれば、実験の負担が半分で済み、また最適解も逃さずに済みます。

 

一部実施要因計画は、手間のかかる完全実施要因計画をうまく端折り効率化した実験計画法です。

 

特定の条件に集中せずに出来るだけ遠く離れたデザインポイントに分散させるのがコツです。

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