核医学とインターベンショナルラジオロジー(IVR)|【医療統計学・統計解析】

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目次  核医学とインターベンショナルラジオロジー(IVR)|【医療統計学・統計解析】

 

 

核医学

 

核医学において,不安定な同位元素を運ぶトレーサー分子が患者に投与されます.

 

この分子は,生体内の代謝プロセスに関わります.その問,不安定な同位元素は検出可能なカンマ線を放出します.

 

そのカンマ線によって,時間との相関関係で生体内のトレーサー分子の濃度を計測することができます.

 

核医学で最も重要な臨床適用は,骨代謝,心筋潅流,心筋バイアピリティ,肺塞栓症,腫瘍と甲状腺機能の精査です。

 

SPECTとPETの2種類の核医学検査が使用できます。

 

SPECTは,2次元(2D)画像を複数の角度から収集するガンマカメラを用いて行われます.

 

PETは.放射線源として投与されたポジトロン放出核種に依存します.ポジトロンは,陽電子です.

 

ポジトロンは,放出後すぐに標準陰電子と結合し,お互いに反対方向に放出される511 keV の2つのカンマ線を生じます.

 

これは,崩壊している同位元素による単光子の放出に依存しているSPECTと較べてPETの際立った特徴です.

 

PETでは,同時計測法(coincidence detection)と呼ばれるペアのカンマ線を同時に検出することによって,カンマ線を記録した検出器の位置間に線を引くことでカンマ線の元の軌道を決定できます.

 

フツ素-18 (18F),炭素-11 (11C).窒素-13 (13N),酸素-15 (150)のような生物学的に重要な要素の同位元素を使うことで. PETは組織の血液瀧流やグルコースのような物質の代謝などの生理的過程を調べることができます.

 

最も広く用いられている薬剤は, 18fフルオロデオキシグルコース(fluorodeoxyglucose, FDG)です.

 

これはグルコースの類似体で,腫瘍細胞で増加するグルコース代謝に比例して細胞に取り込まれます.

 

FDGを用いたPETは,特にがんの病期分類と追跡に役立ちます.

 

PETは一般的に(standardized uptake value)と呼ばれる指標を推定することで定量化すします.

 

SUVは,体全体の平均値と比較して調べたい構造部位の撮像プローブにおける相対的濃度の推定値を表します.

 

SUVを推定するには,生PET画像の減衰を修正します.注入された活性の正確な値を決定します,

 

注入から画像収集までの間の放射線崩壊を計算するなどの数ステップを要します.

 

解剖学的なCTまたはMRI画像診断と比較して機能的なPET画像診断の低い空間分解能は,ハイブリッドスキャナの開発を進めるきっかけとなりました.

 

PETは.CTまたはMRIシステムとさえ合体することができます,

 

実際に,現在市販されているほとんどのPETスキャナは,単一のガントリシステムにPETとCTが組み込まれているPET/CT 一体型スキャナです.

 

このシステムは,画像を両方の装置から同じセッションで患者から収集でき,それらの画像を重ね合わせた単一画像に融合することが可能です.

 

さらに. CT画像は, PET画像の減衰補正にも用いられます.

 

このように,代謝活性を表すようなPETによって得られる機能的な画像は.解剖学的な画像とより正確に融合することができます.

 

PET/CTは,解剖学的画像診断に機能的画像診断を合体することで,腫瘍学,手術計画,放射線治療などの画像診断の多くの分野で変革をもたらしました。

 

この分野における最新の進歩は. PETとMRIを一体化した統合MRI/PETスキャナです。

 

順次走査は,構造および機能的な情報を融合する画像レジストレーションを解決するPET/CTと違って,同時MRI/PET撮像は多くの付加的特徴があります.

 

まず第一に,同時撮像により画像収集時間を減らし,同じ生理的条件の下で撮像することを可能にします.

 

第二には,高磁場MRは,CTと比較して良好な軟組織コントラスト分解能とより広い組織コントラストを提供する高解像度の解剖学的および構造的画像を作り出します.

 

第三に,MR画像は,空間的に一致した局所の生化学物質を測定する磁気共鳴分光学と融合することができます.

 

最後に,MRは電離性放射線を全く使用しないため,連続撮像に制限がなく使用できます.

 

PET放射性医薬品の欠点は,比較的短い半減期(half-life)を有することです.

 

半減期とは,崩壊し放射能活性が50%になるまでにかかる時間を指します.

 

PET同位元素の半減期は通常,18Fの約2時間から11Cの20分間や150の2分です.

 

これらの同位元素の多くが短い半減期のため,放射性同位元素(radioisotope)を生成する施設内でのサイクロトロンが必要となります.

 

市販合成および配達に対応できる半減期を有する唯一の同位元素は18Fです.

 

インターベンショナルラジオロジー

 

インターベンショナルラジオロジー(interventional radiology, IVR)は,侵襲的診断分野としての診断放射線医学から派生しました.

 

IVRは,幅広い範囲の画像ガイド下低侵襲的治療技術と侵襲的診断技術から構成される治療・診断分野です.

 

1929年, Werner Forssmannは,自分自身の前肘静脈にカテーテルを挿入し,カテーテルを進め.右房にカテーテルが届いたことを証明するためにX線写真を撮影しました.彼は,1956年にノーベル医学生理学賞を受賞しました.

 

1950年代〜1960年代にかけて, IVRにおいて,数多くの飛躍的進歩を遂げました.

 

1953年に. Sven-Ivar Seldingerは,血管への安全な挿入を行うための手順を報告しました。

 

1964年に, Charles Dotter は上腕動脈を通してカテーテルを使用し末梢動脈を開存させる経管的血管形成術を始めました.

 

画像ガイド下治療および診断手法に適している疾患および臓器の領域は広範囲にわたり,着実に広がっています.

 

その領域には,血管系,胃腸系,肝・胆道系,尿生殖器系,呼吸器系,筋骨格系,中枢神経系などの疾患と要素がありますが,これらに制限されるものではありません。

 

通常のインターペンション画像装置(interventional imaging modality)には,X線透視. CT.超音波,MRIなどがあります.

 

X線透視とCTは電離性放射線を使用しますが,両者の手技は高速で,幾何学的に正確です.

 

超音波は,画質や組織コントラストの課題がありますが,高速で安価です. MRIは高価で,特別な装置を必要としますが,優れた組織コントラストを提供してくれます.
一般的なIVRの手技には,血管造影,血管形成術/ステント,化学塞栓,塞栓,血栓溶解,生検,高周波アプレーション.クライオアブレーション,冷凍切除,下大静脈フィルターなどがあります.

 

 

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