臨床試験データ【医療統計解析】

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臨床試験データ|【医療統計学・統計解析】

臨床試験データ【医療統計解析】


目次  臨床試験データ【医療統計解析】

 

 

臨床試験データ

 

臨床試験において大切なことは得られたデータをいかに評価し,正しく有効性と安全性に関する情報を把握するかということである.

 

このためには,臨床試験そのものが適切に計画・実施されるとともに,臨床試験データが適切に集計・解析される必要があることは言うまでもないことである.

 

医師にとってはヒポクラテスの宣詞が基本的な精神とされているが,臨床試験の適切な実施については,ヘルシンキ宣言(Declaration of Helsinki)が基本精神となっている.

 

ヘルシンキ宣言とは1964年にヘルシンキで開催された世界医師会総会で採択された「ヒトを対象とする医学研究の倫理的原則」のことである.

 

科学的かつ倫理的な試験,インフォームド・コンセント(十分に知らされた上での同意)などをはじめとする被験者の保護などが述べられている.

 

その後, 1975年に東京(日本) , 1983年にベニス(イタリア) , 1989年に九龍(香港),1996年にサマーセットウェスト(南アフリカ),2000年にエジンバラ(英国)の世界医師会総会で修正が行われ今日に至っている.

 

臨床試験に関する倫理としてはNIH(米国国立衛生研究所; National Institutes of Health)がURLアドレス:cme. cancer・gov/c01/ にて公開している。

 

「Human Participant Protections Education for Research Teams」も参考にすることができる.

 

また,日本では治験の実施に関する基準として1989年10月2日に厚生省(現;厚生労働省)より「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP ; Good Clinical Practice)」が公布されており, 1990年10月1日より実施されてきた.

 

その後, ICH-GCPに対応するために新GCPとして「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)に関する省令(省令GCP)」が1997年3月27日付けで厚生省令第28号として公布され, 1998年4月から完全実施されている.

 

そして,医師主導の治験にも対応するために2003年6月1日付けで改正が行われた.

 

同様に市販後調査に対しても1993年4月に厚生省から「新医薬品などの再審査の申請のための市販後調査の実施に関する基準(GPMSP ; Good Post Marketing Surveillance Practice)」が公布されて以来, 1994年には「医薬品の市販後調査の実施に関する基準」として改訂され,1997年に厚生省令第10号として「医薬品の市販後調査の基準に関する省令」,さらに改訂版が2000年12月に公布され,2001年10月から完全実施されている.

 

これらの最新版GCPおよびGPMSPは法律として規定されているため,法律的な強制力を有する.

 

また,医師主導の臨床試験においても多くのガイドラインが示されるようになってきており,たとえば日本癌治療学会からは「臨床試験実施ガイドライン」,日本泌尿器科学会からは「排尿障害臨床試験ガイドライン」や「尿路感染症臨床試験ガイドライン」というようなものが提案されている.

 

たとえ,具体的なガイドラインがない場合であっても, GCPの概念は尊重され,準拠するという方向で臨床試験は実施されなければならないものである.

 

このように臨床試験の実施については法的なものも含め,様々な規定がある.

 

そして臨床試験データを評価するための集計・解析についても,「臨床試験のための統計的原則」や薬効群別の「臨床評価ガイドライン」などが厚生労働省より公表されている.

 

このように多様な側面から適切な臨床試験が実施されるように努力を行っている.

 

 

しかしながら,臨床試験が倫理的かつ科学的に適切に実施され,適切な統計手法を用いて解析されていたとしても,症例報告書に記載されている臨床試験から得られたデータが誤ったものや不完全なものであったならば,その臨床試験の結果も誤ったものになってしまう.

 

すなわち,薬効評価という面からは臨床試験データが記載される症例報告書の持つ意味は極めて大きい.

 

このため,症例報告書に対する適切な品質保証を如何にして実現するかということは大切なことである.

 

臨床試験データの基となる臨床データは,予めプロトコルにおいて原資料として特定されているはずであるが,カルテ,看護記録,患者日誌,臨床検査伝票,X線などの画像データなど多岐にわたる.

 

さらに,原資料を作成する人も医師,看護師,薬剤師,臨床検査技師,患者など多くの人々であり,記録される形態も様々である.これらの資料を総括的にまとめるために,薬効評価に必要な部分のみを収集し,集計・解析するための基本となる臨床試験データが記載されたものが症例報告書である.

 

本来であれば,原資料の作成段階を含めて管理が行われることにより完全な品質管理を実現することができると思われるが,臨床試験を依頼する側か施設内の全ての業務に関与し管理することは不適切かつ不可能であり,少なくともその成果物である症例報告書の作成以降の範囲を管理の対象とせざるを得ない.

 

そして,実際に症例報告書の品質保証を行うためには多くの工夫が必要となる.

 

 

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