体脂肪の統計学【統計解析講義基礎】

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体脂肪の統計学|【統計学・統計解析講義基礎】

体脂肪の統計学【統計解析講義基礎】


目次  体脂肪の統計学【統計解析講義基礎】

 

 

体脂肪の統計学

 

身体を構成する脂肪組織

 

体脂肪」とは身体を構成する脂肪組織で、主に脂肪細胞や水からなり、成人で約6〜25kgになる。

 

脂肪細胞は、@母体内にいる9〜10か月の問、A生後1年間、B思存期の3つの時期に非常に増加するといわれている。

 

体脂肪は、皮下、乳腺、腎周囲に広く分布しており、貯蔵脂肪としてエネルギーに利用されるほか、内臓の保護や体温調節に役立っている。

 

しかし、今日では体脂肪の過剰蓄積(=肥満)による問題が深刻となり、肥満すればするほど脂肪細胞から産生されるホルモンやサイトカインが健康障害を引き起こすことが明らかになったことで、この本来の役割は社会構造やそれに伴う生活の変化とともにその影を薄くしている。

 

体脂肪を測る

 

体脂肪は、脂肪の総量と存在する場所(部位)が重要である。

 

したがって測定には、体脂肪量とその分布を定量するにふさわしい方法と標準値が必要である。

 

体脂肪量と分布の測定には、簡便性、正確度を満たすものとして使われるものに、「BMI」、「生体電気インピーダンス」などがある。

 

正確度は落ちるが、簡便で、脂肪の局在を評価できるものとしてよく用いられるものに「ウエストヒップ周径比」、「皮下脂肪厚」がある。

 

また、高価で簡便性はないものの、脂肪の局在を明暗に示すことができるものとして、超音波、コンピューター断層スキャン(CT)、核磁気共鳴イメージング(MRI)などがある。

 

BMI(Body Mass Index)

 

成人で使われる肥満度の目安で、身長と体重を組み合わせた方法である。

 

正確度が高いといわれる体密度により測定された体脂肪との相関係数は0.7〜0.8の間であると報告されており、国際的にもよく使われている。

 

BMIの値は、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で測られ、その値が22の場合最も疾患が少ないことから、日本肥満学会では表のような判定基準を提示している。

 

ただし、肥満(BMI≧25)は、医学的に減量が必要な状態とは限らない。肥満に起因する健康障害があるか、将来それが予測され、医学的に減量を必要とする病態を「肥満症」という。

 

WHOの判定基準とは表示が異なる。

 

体脂肪の統計学【統計解析講義基礎】

 

皮下脂肪厚(皮脂厚)

 

皮下脂肪計測器(キャリパー)による皮下脂肪の厚みの測定によって行われる。

 

測定部位は浮腫の影響を受けにくい利き腕と逆の腕の肩甲骨の肩峰突起と尺骨の肘頭突起との中点をつかんで測定する上腕三頭筋部脂肪厚が最もよく用いられ、他に上腕部、腸骨上部がある。

 

日本人の標準値は男性では8.3mm、女性では15.8mmが標準値とされている。

 

しかし、BMIと皮脂厚の相関係数は0.5〜0.6の間であり、測定手技による誤差や、加齢による脂肪蓄積場所の移行など、多くの影響を受けることを前提に測定結果を使用する必要がある。

 

 

ウエストヒップ周径比(WHR:Waist Hip Ratio)

 

その部位の体脂肪の分布を知るうえで有効であるとされ、疫学研究による健康障害に関する指標となっている。

 

米国国立科学院(National Academy of Science)によると、男性では0.95、女性では0.8以上を要注意値としている。

 

しかし、より実際的なのはウェスト周りの測定値で、その値の高い人ほど心臓病や糖尿病の危険が増加するといわれている。

 

生体電気インピーダンス

 

比較的安価な器具で行える測定法である。

 

インピーダンス(ある種の電気抵抗)は体の水分の影響を受けることがその有効性を低下させている。

 

局所の脂肪の測定

 

臍の高さで撮影するCTやMRIは、局所の脂肪や内臓脂肪に対しする腹部の皮下脂肪まで定量的に測定できる。

 

肥満の脂肪分布による分類には、腹部に蓄積する上半身肥満(リンゴ型)と、臀部や大腿部に蓄積する下半身肥満(洋梨型)がある。

 

また腹腔内の内臓に脂肪が蓄積した「内臓脂肪型肥満」、皮下に蓄積した「皮下脂肪型肥満」という分類もある。

 

内臓脂肪型肥満は肝臓でのインスリン抵抗や脂肪合成の亢進を引き起こし、糖・脂質代謝の異常、高血圧、冠状動脈の疾患など、現在問題になっている生活習慣病の発症率に深く関与していることが明らかになっている。

 

これは過体重者だけでなく、正常体重者にも生じている問題である。

 

体重が正常範囲にあっても安心してはいけない。

 

いわゆる「隠れ肥満」も同様の危険因子を抱えている。

 

その要因と適切な測定

 

体脂肪の蓄積の要因には、加齢、性、高カロリー食、高脂肪食、運動不足、喫煙、飲酒、ストレス、副腎皮質ステロイドの服用などがある。

 

体脂肪量を測定する際、その対象の特性や目的にしたがって測定方法を選択する必要がある。

 

 

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