5年ごとの大解剖!事業所・企業統計で読み解く日本経済【ChatGPT統計解析】
事業所・企業統計調査は、日本の産業構造や事業活動の実態を明らかにするために行われる統計調査で、総務省統計局によって5年ごとに実施されます。この調査は、事業所の数や従業員数を業種別に収集し、日本標準産業分類に基づいて産業分類を行います。調査では、事業所の基本的事項を把握することに焦点を当てており、売上高や出荷金額などの金額情報は含まれていません。結果からは、経済成長率の変化と共に事業所数の増減や規模別、産業別の変動を観察することができ、経済データの特徴や産業構造の変化を理解するのに役立ちます。注意点として、調査時に回答が不十分な事業所も存在し、これらは統計に影響を与える可能性があるため、詳細な分析には注意が必要です。
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事業所・企業統計調査
事業所(establishment)とは物やサービスの生産活動が行われる基本的単位で、工場、営業所、本社などを指す統計上の概念です。
企業は単独事業所の場合も、多数の事業所をもつ場合もあります。
この分野で最も包括的な統計は、総務省統計局が作成する「事業所・企業統計調査」です。
この調査の目的はすべての事業所を対象として従業者規模や業種などの基本的事項を明らかにすることで、現時点では売り上げや出荷金額などの金額情報は調査されていない点に限界があるものの、わが国の産業構造や事業活動の実態を知ることができます。
事業所・企業統計調査は最近は5年ごとに実施され、事業所とともに、その事業所を所有する企業の全体像も明らかにされます。
調査時点は1996年以降は10月1日ですが、それ以前の3回は7月1日でした。
前回調査からの増加率を比較するときには注意が必要です。
調査年の3年後にも簡易調査が実施され、基本的な属性の変化を把握しています。
なお、回答が不十分なため事業内容等が不詳の事業所があることにも注意が必要ですが、その数は2001年では約14万事業所となっています。
参考のためにこの数値も公表されています。
表から事業所数の推移をみると、経済成長率の低下とともに事業所の増加率も低下し、1996年には調査開始以来初めて減少しました。
ここには掲げていませんが、規模別の変化をみると小規模事業所で減少傾向が強いですが、このことは1事業所あたりの従業者数が増加していることからも読みとれます。
さらに詳細には前回調査から存続している事業所、新設、廃業に分けてみるべきです。
たとえば、公務を除く全産業で1996年の6,521,837から1999年補間調査の6,203,249への変化をみると、存続事業所が5,461,128(88.0%)、新設が142,121(12.0%)、廃棄が1,060,709(16.3%)と、3年間でもこの程度の大きな変動があります。
純増だけをみるのではなく、増減の両方を規模別、産業別にみることによって、新たな事業展開の実態が把握できます。
ところで規模別にみると、表2のように10人未満の小事業所数はその数では80.0%を占めるが従業者数では27.1%にすぎず、他方、事業所数では1%未満の100人以上の事業所は、従業員数では26.2%を占めています。
このように規模別の分布が極端な歪みを持ったかたちとなるのが経済データの特徴であるといえます。
したがって、比較的少数の大規模事業所のみを調査しても、生産額をある程度把握することが可能です。
なお、表の規模別事業所の合計は全事業所数と一致はしませんが、その差の20,773は、派遣・下請従業者のみの事業所です。
従業者は派遣元で把握されているため、これらの事業所の従業者数はゼロとなっている点に注意が必要です。
日本標準産業分類
事業所数、従業者数を産業ごとに知ることも重要です。
産業分類は、企業ではなく事業所を単位として行われるもので、たとえば自動車会社の工場は製造業であり、販売代理店は小売業に分類されています。
自動車修理と販売のように複数の経済活動を行っている事業所は、売り上げの大きさによってサービス業か小売業のいずれかに分類されます。
事業所・企業統計調査では実際の売り上げ額を調査せず、回答者の判断によって事業の内容を分類しています。
しかし、活動が多角化しているため判断が難しい場合もあり、他の調査によって項目ごとの売り上げ額が明らかにされた結果、事業所の産業分類が変更されることもあります。
製造業の中でも、製品出荷額の構成に変化があれば電気機械製造業から精密機械製造業のように産業分類(中分類)が変更されます。
産業分類にあたっては日本標準産業分類とよばれる基準が用いられます。
複数の事業所をもつ企業は、その所有する事業所の主要な活動によって産業に分類されることが多いです。
事業所・企業統計調査では形式的に事業所および企業の分類が変更されますが、そのことによって時系列的な比較に注意が必要な場合も生じます。
たとえば市町村別、産業別の従業者数は、大工場の分類が変更されると、大きな変化がおきます。
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