食品の抗酸化作用やがん細胞抑制作用|効果の根拠には臨床試験が必要【統計学・統計解析講義基礎】
トムヤンクンに抗酸化作用やがんの抑制効果があると言われているが、どの成分に効果があるのか、その量的根拠が明らかでなく、臨床試験も実施していないので、さらなる研究が必要であろう
食品の抗酸化作用やがん細胞抑制作用
トムヤンクンは、タイに行けば真っ先に食べる名物料理だと思います。
ちなみに、世界三大スープはブイヤベース、フカヒレスープ、あるいはトムヤンクンでしょう。
このトムヤンクンに抗酸化作用やがんの抑制効果があると言われているようです。
京都大学、近畿大学、タイのカセサート大学でこの調査を行なっていますが、出版の有無は見当たりません。
そんな訳では、トムヤンクンのどの成分に抗酸化作用やがんの効果があるのでしょうか。
香辛料やハーブなどにがん抑制効果を有しているのなら、これらの成分に良い影響が基礎実験で知られていたと考えられます。
しかし、トムヤンクンががんを抑制したと言われているのと、トムヤンクンの成分を調査して、よく効いたのはこの成分だろうというのは、趣旨が異なります。
後者はトムヤンクンの横断研究ということになります。
効果の根拠には臨床試験が必要
タイ人に消化器系のがん発生率が低いという事実が存在するようで、日本人より半分も少ないようです。
そ要因が何かと考えあぐねた上で、タイの代表的な料理であるトムヤンクンだと主張しています。
トムヤンクンに使われる香辛料・ハーブなどを成分分析したところ、抗酸化作用やがん細胞抑制作用などが見つかったというのです。
確かにトムヤンクンに含まれる成分は抗がん作用が強いかもしれません。
しかし、それらがどの程度強いかという量的証拠は記事には載っていません。
また、この研究はある種の試験管内の実験にすぎず、さらに臨床試験を実践して確認しないと、本当にトムヤンクンにがん抑制効果があるとはいえないと思われます。
関連リンク