普及と実施研究【統計解析講義応用】

普及と実施研究【統計解析講義応用】 | 統計解析 - ChatGPT・Python・エクセルを使った講義で最速マスター

セミナー詳細                    解析ご相談                    LINEでお友達

普及と実施研究|【統計学・統計解析講義応用】

普及と実施研究【統計解析講義応用】


目次  普及と実施研究【統計解析講義応用】

 

 

普及と実施研究

 

普及と実施研究(dissemination and implementation study)は,介入または治療法の有効性がまずまずの大きさの研究において確認された後,実施されることが多い.

 

これらの研究は,新しい情報を公衆衛生での利用に転換する過程で絶対に必要である.

 

普及と実施研究の主たる焦点は.高度に制御された状況で有効な治療法を施す方法を試験し,現実世界の状況でその有効性を評価することである.

 

普及と実施研究は,後期試験と第V相試験の間の橋渡しであることが多く.第V相試験の準備において極めて有効であり,第V相の後において再び使われることもしばしばある.

 

普及と実施研究では.単に治療法の有効性または効果のエビデンスを与えるというよりも,学校,職場,地域のクリニックなど,臨床診療や患者特性に大きな違いがある現実世界の状況で治療法を実践する方法を確認する.

 

この種の調査研究のアウトカムには.研修プログラム,公共福祉プログラム,費用対効果および費用分析,医療提供者による理解,臨床診療と患者社会の両方によるアドヒアランスなどがある.

 

「普及と実施研究」という用語は.時々,すべてのトランスレーショナル科学(基礎から応用に至る研究)に言及するときに区別なしに用いられるが,用語ははっきりと区別すべきであり,エビデンスに基づく実践を一般利用に転換する中での特定のステップのことを指している.

 

実践科学(Implementation science)は,有効な治療法と実践様式を特定の文脈および状況に統合する方法を試験するものである.

 

普及科学(Dissemination science)は,有効な治療法に関して,医療提供者や大衆に知らせる方法を試験するものである.

 

両種の調査研究はエビデンスに基づく調査研究では重要なステップである.

 

比較効果研究

 

比較効果研究(comparative effectiveness research. CER)は,通常,臨床的便益およびリスクについての特定のアウトカムに関して,2つあるいはそれ以上の有用であるか,またはガイドラインに基づいた治療,戦略,診断手順を比較する戦略である.

 

その究極の目的は,調査研究政策,保険適用範囲の政策,臨床家および患者を知らせることである.

 

理想的には,経験的に有効性(efficacy)や効果(effectiveness)が示された治療が比較効果研究の主な焦点になるため,この種の研究は特定の分野における後期の相の調査研究として実施されることが多い.

 

比較効果研究は,特定のデザイン職略それ自体から成るのではなく,特定の患者および状態に対して,どんな特定の治療が最も有用(effective)かを確認するという目標を言い表している.

 

この種の調査研究は,反応の個体差を理解する価値を強調し,治療や手順を特定の患者のニーズに合わせる最適な方法を確認することに努める.

 

ランダム化比較試験は多くの比較効果の疑問に答えるように効果的に用いることが可能であるが.異なる方法,仮定およびモデルを用いる他の多くの戦略も利用可能である.

 

例えば,系統的なレビュー,電子診療記録のデータを用いた研究,およびメタ解析の技術は,大規模なランダム化比較試験よりも費川効率がよいことが多く,特定の患者のニーズに治療を合わせる最適な方法に関する疑問に答えてくれる場合があり,最も効率よく実行できることが多い.

 

目的「説明的(explanatory)」と「実践的(pragmatic)」を特徴づけ,臨床試験のデザインに対する最も有用な区別の1つを明確に述べた.

 

説明的試験(explanatory trial)は理想的な状況の下で実施され,一般に高度に管理され,薬理学的な機序を解明したり,理想化された有効性を確立したりすることを探求することが多い.

 

研究集団は比較的均一であり,1つのモデルとして用いることができ,そこから薬理学,生理学,あるいは様々な臨床的な問題に光明を投じるような挙動の原理を学ぶといったことがあるだろう.

 

説明的臨床試験は,介入の機序を理解し,試験要因のすべてにわたり厳格な対照を維持するために.一般により少数の集団と的を絞ったアウトカムに焦点を当てる.

 

 

知見は,他の状況,集団,医療実践者に高度に一般化することはできない.

 

それらは,介入が有効であるかどうかを理解する上でのみ有用であり,より大規模な効果試験に情報を提供することができる.

 

実践的試験(pragmatic trial)のアプローチは,介入が,現実世界の状況で実践されたときに,様々な選択されない患者集団においても期待される便益を示すかどうかに焦点を当てる.

 

実践的試験は,通常,説明的試験で有効性を示した介入が現実世界の状況でどのように働くかに焦点を当てる.

 

実践的試験は,その特定の介入のすべてにわたってあまり管理されないデザインで.より大規模でより異質な集団に,また介入がいつどのように行なわれるのかに焦点を当てることが多い.

 

実践的試験は,効果の一般化可能性を理解するのに最も有用であり,医療の政策や憲思決定に対する情報提供の助けになる.

 

単純化し過ぎたものの,臨床試験を実施することに対して,説明的か実践的かの二者択一の理山は,複雑な場合にデザイン選択をすることに対して有用な展望を与えるだろう.

 

どちらのアプローチも一方に対して優れているということはないが,各々の利点を理解し,どの状況がどちらの試験に対して最適であるかを知ることは重要である.
試験の基本的な目的を理解することは,取り組んでいる疑問についてだけではなく,研究デザインのほぽすべての側而について重要な影響を及ぽすであろう.

 

それらの疑問へは,一連の調査研究における異なる時点で対処されることが多い.

 

 

普及と実施研究【統計解析講義応用】


セミナー詳細                    解析ご相談                    LINEでお友達

普及と実施研究【統計解析講義応用】

普及と実施研究【統計解析講義応用】