主成分分析で変数間の関係を調べる|因子負荷量(相関係数)の散布図【統計学・統計解析講義基礎】
主成分分析は複数の変数間の関係を調べるにも有効な手法。各変数の因子負荷量を計算し主成分軸に対してプロットすることにより変数間の関係がわかる
複数の変数間の関係を調べる
主成分分析は、総合指標を得るのに便利な手法です。
また、主成分分析はたくさん変数があるときにそれらの関係を調べるのにも大変有効な手法です。
以下のデータは、10人の認知症患者で、記憶力、計算力、注意力、筋力、持久力を測定しスコア化したものです。
さて、先ずはソルバーで主成分分析を実行してみましょう。
基本的には2変数の場合と考え方は同じで、固有ベクトルを変化させ、制約条件をつけた上で相関係数の平方和を最大化すればよいのです。
因子負荷量、すなわち各変数の第1主成分との相関係数と、各変数の第2主成分との相関係数を計算します。
因子負荷量は、直接相関係数をCORREL関数で計算しても求まりますし、固有ベクトルに固有値の平方根を乗じても求められます。
因子負荷量(相関係数)の散布図
因子負荷量(相関係数)の散布図を描くと、以下のようになります。
このように、第一主成分との相関係数を横軸に、第二主成分との相関係数を縦軸にして因子負荷量をプロットすると、この場合注意力と計算力に類似性が、筋力と持久力に類似性があるということがわかります。
もし、患者が測定に負担を感じているということであれば、注意力と記憶力はどちらか一方を、筋力と持久力はどちらか一方を採用する、といった次のアクションに結びつけることができます。
主成分分析は総合指標を求める他に、変数間の関係を調べるのに有効な手法です。
各変数の因子負荷量を計算し主成分軸に対してプロットすることにより変数間の関係がわかります。