相関係数は因果を示す?真実と誤解を解明【ChatGPT統計解析】
相関係数が存在すると、それが因果関係を示すと誤解されがちですが、相関関係があるからといって必ずしも因果関係があるわけではありません。相関係数は、二つの変数間の関連の強さを示す指標であり、それが因果関係を意味するものではなく、どちらが原因でどちらが結果かも明らかにしません。実際の因果関係を解明するには、相関係数を計算するだけでなく、他の知識や経験をもとに慎重に分析する必要があります。相関係数は、因果関係の可能性を示唆し、その探求の手がかりを提供することはできますが、確定的なものではないことを理解することが重要です。
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因果関係の各種ケース
相関関係をみることで、変数Xと変数Yの因果関係について、どんなことに言及できるでしょうか。
具体的には、
@因果関係のあるなしがわかるでしょうか
Aさらに、どちらが原因でどちらが結果であるかわかるでしょうか
このことを論じる前に次のいくつかのケースを見てみましょう。
<ケース1>
メーカーAが新製品を出したら成功した。
そしてそのメーカーの売上高シェアが増加した。
そうしたら、結果的に他メーカーBのシェアは減少した。
<ケース2>
ある商品について、テレビのCMを見た人数が多かった。
結果的に、そのブランドを買った人数も多かった。
因果関係の判断
ではケース1とケース2の因果関係はどうでしょうか。
ケース1は、因果関係あり、すなわち原因と結果の関係がはっきりしている例といえるでしょう。
では、ケース2はどうでしょうか。
まずCMでブランドを知り、それを買い求めたとすれば、CMを見たことが原因で、ブランド名を覚え、さらにブランド名を覚えていたのが原因で、その結果として購入した、つまり3段論法で因果関係があるといえます。
一方、店で購入したときにブランドを知り、その後、このブランドはよくCMをやっていると気がついたとします。
こういうときは、因果関係は前述と逆転します。
原因と結果は、にわとりと卵の関係のようにループします。
仕事にやる気があれば成果があがるし、成果があがるとますますやる気が出ます。この場合はプラスのフィードバック現象といいます。
金とか権力は持つとますます欲しくなる、酒を飲むとハシゴしたくなる、など、みなそうです。
社会生活におけるダイナミックな活力は、このような増幅する相関関係によって維持されているともいえるでしょう。
相関係数の存在は因果関係があることを示唆する
以上の例は、いずれも相関係数を計算すれば、ある程度大きい値が得られるでしょう。
しかし、因果関係の在り方はいろいろあって、相関関係があるということは因果関係の在り方を規定するものではないことがわかります。
相関があったからといって因果関係があるとは限らないのです。
ましてどちらが原因でどちらが結果かということは、相関係数の計算からは出てきません。
データを分析していて、2つの変数の相関係数が大きいという事実を発見して、嬉しさのあまり「したがって、変数Xが変数Yの原因である」と断言したりするのは誤りです。
正しくは、「変数Xが変数Yの原因であるとすれば、その関係は強い、または原因の結果におよぼす影響が強い」と、慎重に発表すべきでしょう。
相関関係があることは、原因・結果の存在を立証するものではありません。
原因・結果の関係は、ほかの知識経験によってそれが前提として想定されていてこそ、その強さを相関係数で測定することができます。
見方を変えると、相関係数の存在は、因果関係のあることを示唆し、その関係の探求の糸口を与えてくれるということもできます。
これが相関係数の役割であり、得がたい効用であるといえます。
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