検定力を高めるためのデータ量の重要性【ChatGPT統計解析】
十分なデータを集めなければ、実際に存在する効果を見逃す可能性がある。これは薬の有効性や副作用を見つけられない原因になる。データ量を決めるための概念として「検定力」があり、効果を偶然と区別する確率を指す。例えば、コイン投げで不正を疑う際、100回投げて表が60%出る場合でも、それが検証できるとは限らない。95%の確率で40〜60回表が出るが、1000回試せば不正の検出が容易になる。標本が大きいほど検定力が上がり、測定誤差も影響する。知能テストのような変動の大きい測定は低い検定力になるため、データ量の多さが重要だが、現実には資源の不足で困難になる。
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十分な数のデータを集めないことで,実際に存在する効果を見つけられない可能性があることを見てきた。
このことによって,うまくいきそうな薬を見つけられなかったり,重大な副作用に気づかなかったりするかもしれない。
それでは,データをどれだけ集めれば良いかということは,どうすれば分かるだろうか。
検定力(statistical power)という概念がこの問題の答えになる。
ある研究における検定力とは,単なる偶然といくらかの大きさのある効果とを区別できる確率を指す。
研究に当たって,薬から得られる利益が大きければ検出するのは簡単だろうが,わずかな差を検出するのはずっと難しくなる。
検定力曲線
自分に敵対する人物が不正なコインを持っていると確信しているとしよう。
コインを投げたとき,表と裏が半々で出てくるのではなく,どちらか一方の面が出るのが60%と偏っているのだ。
そして,この偏りによって,例の敵対者はコイン投げの賭けという信じられないほどつまらない遊びでいかさまができるようになっている。
自分としては相手がいかさまをしていると疑っているのだが,どうすればそのことを証明できるだろうか。
そのコインを100回投げたときに表が出た回数を数えるだけではだめだ。
まったく不正のないコインでも常に50回表が出るとは限らない。
50回表が出るのが最もありえる結果ではあるが,そうなる確率は10%に満たない。
51回表が出たり52回表が出たりする可能性もかなり高い。
実際,不正のないコインを100回投げたとき,40回から60回表が出る確率は95%だ。
逆に,この範囲に当てはまらない回数の結果が出ることはありそうにない。
不正のないコインでは,表が出る回数が64回以上か36回以下である確率は1%にすぎない。
表が90回とか100回とか出てくることはほとんどありえない。
数学の問題を解いてみよう。
100回試行し,そのうち表が出た回数を数えるものとする。
もし,ちょうど50回表が出るという結果でなかったら,不正のないコインを投げた結果がそれ以上にずれることが起きる確率を計算する。
この確率が,p値になる。
0.05以下のp値を統計的に有意なものだと見なす。
つまり,p値が0.05以下ならば,コインに不正があると考えるわけだ。
この方法を使うことでコインが偏っていることを探り出せる可能性はどれぐらいあるだろうか。
検定力曲線(power curve)でそれが分かる。
検定力曲線の水平軸は,コインの表が出ることの真の確率で,コインがどれだけ偏っているかを示している。
垂直軸はコインがいんちきだと結論づける確率だ。
どんな仮説検定においても,検定力とは,統計的に有意な結果(この例ではp<0.05と定義されている)が得られる確率のことだ。
不正のないコインは,何度も実験をすれば,そのうち95%で,40回から60回表が出る。
だから,不正なコインについて,検定力とは,40回から60回表が出るという範囲に当てはまらない結果が得られる確率なのだ。
検定力は以下の3つの要因に影響される。
・探し求めている偏りの大きさ 巨大な偏りはわずかな偏りよりずっと検出しやすい。
・標本の大きさ より多くのデータを集めること(コイン投げの回数をより増やすこと)で小さな偏りをより簡単に検出できる。
・測定誤差 コイン投げの回数を数えるのは簡単だが,多くの実験は疲労感や抑うつ感の症状を調べる医学研究のようにもっと測定しにくい値を扱う。
偏りの大きさから話を始めよう。
コインの表が出る真の確率が0.6のとき,検定力は0.5になる。
残りの50%では,表が出る回数が60回以下となり,偏りを検出するのに失敗する。
コインを100回しか投げないというのは,偏りを偶然変動から常に区別するにはデータが足りていない。
偏りに100%近くの確率で気づくためには,表が出る確率が80%のように,信じられないほど偏っているコインでなくてはならないだろう。
もう1つの問題は,たとえコインがまったく不正のないものだったとしても,偏っていると誤って非難してしまう可能性が5%あることだ。
p<0.05となる結果は偏りを示すものとして解釈するように実験を計画したのだが,そうした結果は不正のないコインだとしても起こりうるのだ。
幸いなことに,標本の大きさを大きくすれば,感度は向上する。
コインを1000回投げれば,コインがいんちきなものかを簡単に見分けることができる。
このことは筋が通っている。
不正のないコインを1000回投げたときに,表が出ることが600回を超えることはほとんど絶対にありえない。
95%の確率で, 469回から531回表が出ることになる。
残念なことに,不正の有無を試すために敵対する人物のコインを1000回投げる時間は実際ないだろう。
十分な検定力のある検定をすることは,純粋に実践上の理由から,しばしば不可能になるのだ。
さて,表と裏を数えるのは簡単だが,かわりに知能テストを実施するとしたらどうなるだろうか。
知能指数の得点は,潜在的な真実を測定するものではない。
むしろ,測定にランダム雑音をもたらすテストの問題や被験者の気分によって,日ごとに変わりうるものだ。
2つのグループの知能指数を比較するとしたら,人ごとに違う知能の正常変動だけでなく,特定の個人の得点における偶然変動も見ることになる。
主観的な採点を要する知能テストのように変動が大きなテストは,相対的に検定力が低くなる。
データが多いことは雑音から信号を区別する助けとなる。
しかし,これは言うは易し,行うは難しだ。
多くの科学者は,探し求めているものを検出するのに十分な検定力のある研究を行うほどの資源を持っていない。
こうした科学者は,始める前から失敗することが運命付けられているのだ。
十分なデータを収集しないと、実際に存在する効果を見逃す可能性がある。このようなケースでは、効果のある薬を見つけられなかったり、重大な副作用を見逃したりするリスクがある。では、どれだけのデータを集めれば十分なのかを判断するにはどうすれば良いのか。この問題に対する答えは、検定力(statistical power)という概念にある。検定力とは、ある研究において実際の効果を偶然と区別できる確率を指し、効果を見逃さずに発見できるかを示している。研究において、薬の効果が大きければ検出は比較的簡単だが、小さな効果を検出することは難しい。そのため、効果の有無を確認するために検定力の計算が必要となる。ここで、検定力曲線(power curve)を活用すると、研究の検定力を視覚的に確認できる。検定力曲線では、横軸に真の効果の大きさを、縦軸に統計的に有意な結果が得られる確率を示す。この曲線により、研究の設計時にどれほどの検定力が必要かを知ることができる。例えば、ある人物がいかさまのコインを使っていると疑った場合、そのコインを100回投げたときに表が出る割合を調べることができる。もし表が60%の確率で出るように偏っている場合、そのコインは公平ではないと考えられるが、100回の試行ではこの偏りを証明するには不十分なこともある。公平なコインでも、100回中50回ちょうど表が出る可能性は実は10%未満で、多少のズレが生じることが一般的だ。51回や52回といった結果も頻繁に見られ、不正のないコインでもこの範囲の結果は普通である。したがって、100回投げて40回から60回の範囲内で表が出る確率は95%であり、この範囲外の結果が出るのは稀である。不正なコインの場合、例えば64回以上や36回以下といった極端な結果が出る確率はわずか1%である。こうした結果を検定するために、試行回数を増やすことが重要となる。コインを100回ではなく1000回投げることで、偏りの有無をより明確に識別できるようになる。1000回の試行では、不正のないコインが600回以上表を出すことはほとんどありえない。具体的には、不正のないコインが1000回投げて469回から531回の間に収まる確率は95%である。このように、試行回数を増やすことで偶然の変動を抑え、偏りを検出する能力が向上する。ただし、実際にコインを1000回投げるのは時間やリソースの制約から難しい場合も多い。研究の現場では、検定力を確保するために十分なデータを収集することはしばしば困難である。これが検定力の重要な課題の一つであり、検定力を向上させるために標本の大きさが影響を与える。標本サイズが小さいと、検定力が低くなり、効果の検出が難しくなる。一方で、測定に関する誤差も影響を及ぼす。コインの表や裏を数えるのは簡単だが、心理学的テストや医学的な測定、例えば疲労感や抑うつ感の評価などは誤差が生じやすく、検定力が低下する原因になる。知能テストなどの測定では、被験者のその日の気分や体調、テストの内容による影響を受け、日々結果が変動することがある。これにより、同じ個人であってもスコアが変わる可能性があり、ランダムな変動を含む。2つのグループの知能指数を比較する際には、個々の異なる知能の変動と、測定誤差による偶然の変動が含まれるため、検定力が相対的に低くなる。このように、測定が主観的であったり、変動が大きかったりする場合には、結果の解釈が難しくなることがある。データ量を増やすことで、こうしたノイズを抑え、真の信号を見つける助けとなるが、それにはコストや時間といった実践的な制約がつきまとう。検定力の高い研究を行うためには、資源が豊富である必要があるが、多くの科学者や研究機関はそのような資源を持っていないことが多い。そのため、十分な検定力を確保できないまま、研究が開始されることもある。この場合、研究が効果を検出できないことは、初めから運命付けられているともいえる。とはいえ、標本サイズを増やすことは、検定力を上げるための最も効果的な手段の一つである。例えば、試行回数を増やしてコインを1000回投げることで、偏りを確実に検出できる可能性が高まる。不正のないコインの場合、1000回の試行で600回以上表が出ることはまずありえず、これにより、いんちきなコインであるかどうかを見分けるのは簡単になる。この原則は、どのような検定においても共通しており、効果を見逃さないための統計的有意性の確認に役立つ。とはいえ、資源が不足している場合には、多くのデータを収集することが難しいこともある。研究においては、検定力を高めるための工夫が求められる。標本の大きさだけでなく、測定誤差を抑える工夫や、実験デザインの見直しなども効果的である。測定誤差を減らすことで、検定力は向上し、効果を検出する能力が高まる。例えば、測定方法を標準化したり、誤差の少ない測定ツールを使用したりすることで、結果の精度を高めることができる。また、探し求めている効果の大きさも検定力に影響を与える。大きな効果は検出しやすいが、微小な効果を検出するためにはより多くのデータと高い検定力が必要である。試行回数を増やすことで、微小な偏りや効果を発見しやすくなるが、これには時間と費用がかかるため、研究者はしばしば妥協を迫られる。検定力を高めるためには、リソースを有効活用し、実験のデザインを最適化することが重要である。標本サイズの増加や測定誤差の低減だけでなく、統計手法の工夫も有効である。例えば、データの正規性を確認したり、適切な仮説検定を選択したりすることで、検定力を向上させることができる。
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