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機能測定値と健康関連ＱＯＬ(ＨＲＱＯＬ)測定値の概要

定義

個人の健康を評価する多くのアプローチがある．その大部分は，複数の領域での測定値が含まれる．

領域(domain)という用語は，個人の活動における様々な側面を説明するために用いられ，個人の活動における身体的側面，認知的側面，精神的側面および社会的側面を含む場合がある．

これらの各領域は，機能(function)と健康関連の生活の質(health-related quality of life. HRQOL)のー因となっていることが一般に認められている．

機能は，この背景(context)においては，個人の日常的または慣習的な活動あるいは行動を意味する．

機能状態(functional status)は，身体機能，社会機能，精神認知機能の３つの主要な領域において．制限なしで，各個人が選択した役割を果たすことのできる程度を指す．

なお,これらの役割は，個人特有のニーズ背景に関連して見受けられる．

CDC (Centers for Disease Control and Prevention, 米国疾病管理予防センター）は. QOLを長期の身体的および精神的健康と定義している(www.cdc.gov/brfss).

他の健康関連ＱＯＬの定義は，例えば，仕事，疾患およびそれに付随する精神（心理）状態（例えば．不安，抑うつ，攻撃性）の身体的影響，性的問題，家族や医療提供者との患者の関係性，などの機能を実行する能力についての患者の認知の測定値を包含している.

医療文献では, QOLは機能または健康状態と結びついており，しばしば健康関連ＱＯＬと呼ばれている．

健康関連ＱＯＬの標準的な定義は，まだコンセンサスが得られていない．

個人の健康を評価するアプローチは多岐にわたり、その多くは複数の領域での測定値を含む総合的な評価方法を用いている。ここで領域（domain）とは、個人の日常的な活動や生活に関連するさまざまな側面を表すための用語であり、身体的側面、認知的側面、精神的側面、社会的側面を含む場合がある。これらの領域ごとの特徴的な活動や状態は、それぞれの分野において個別の評価基準が設けられていることが多く、それらを組み合わせることで全体的な健康状態の評価が可能となる。一般に、これらの各領域は個人の機能（function）や健康関連の生活の質（health-related quality of life, HRQOL）に大きく影響を及ぼす要因とされており、したがって健康評価においては重要な要素となっている。特に、健康関連QOL（HRQOL）は、単なる健康状態を超えて、個人が生活する上でどのように日々の活動を遂行しているか、またその活動の中で感じる主観的な満足度や幸福感に影響を与えるため、現在では多くの医療や健康関連の研究において中心的な評価項目として取り上げられている。ここで、機能とは、個人が日常生活や社会活動において行う習慣的な行動や、特定の環境下での活動を意味し、個人の日常生活の中でどのように役割を果たしているかを反映する。機能状態（functional status）は、身体機能、社会機能、精神・認知機能の三つの主要な領域において、特に制限なく各人が選択した役割を果たすことができるかを評価するものである。たとえば身体機能の評価には、身体的な動きや持久力、筋力といった運動機能が含まれるが、それは高齢者や慢性疾患を持つ患者において日常生活の質に直接影響を与えるため重要視される。さらに、社会的機能は個人が社会的な役割を果たし、他者と効果的にコミュニケーションを取り、家族や職場、友人関係といった社会的環境の中で積極的に関わる能力を示している。精神的および認知的機能は、記憶力、思考力、注意力などの知的活動の維持を含むが、これもまた年齢とともに変化することが多く、個人の独立性や生活の質に大きな影響を与える要素である。こうした役割や能力は、個々の背景や特定のニーズに応じて異なり、例えば慢性的な病状を抱えている人や身体的な障害を持つ人々には異なる基準や方法で機能状態が評価されることがある。CDC（Centers for Disease Control and Prevention, 米国疾病管理予防センター）は、QOL（生活の質）を長期的な身体的および精神的な健康と定義しており、日常生活や長期的な幸福に影響を与えるすべての要因を含めて包括的に評価するアプローチを推奨している。HRQOLの他の定義には、個人が仕事を続けるための能力、慢性疾患の影響やそれに伴う心理的状態（例えば不安や抑うつ、攻撃性）への対処、性的な問題や親密な関係における支障、家族や医療提供者との関係性の質なども含まれる。これは、HRQOLが個人の主観的な評価に基づくため、同じ病状を抱える患者であっても、その人が置かれた環境や価値観、支援体制によって評価が大きく異なることが多いためである。例えば、家族からの支援が強い人は心理的にも安定しやすく、生活の質も高く保たれやすいが、そうでない場合には孤独感や不安感が増し、生活の質が低下する可能性があるとされる。医療の文献においては、QOL（生活の質）はしばしば機能や健康状態と密接に関連付けられており、そのため健康関連QOLという用語で表現されることが多い。これは、健康状態が生活の質に与える影響が無視できないほど大きいためであり、慢性疾患や高齢化に伴う身体的な衰え、心理的な不安などが、生活の質全体に影響を与えることが示されている。とはいえ、HRQOLの標準的な定義はまだ確立されておらず、国際的な医療および公衆衛生の分野では統一した定義を求める動きがある。統一的な定義がなされることで、異なる文化圏や医療制度を持つ国々においても比較可能な評価が可能となり、研究の質やエビデンスの信頼性が向上することが期待されている。