分析単位と調査単位|【社会経済統計学・統計解析】
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分析単位と調査単位
分析単位と調査単位
時系列データと横断面データ
統計データを見る場合の基本的区分として、最初は時系列(タイムシリーズ)データと横断面(クロスセクション)データの区別である。
時系列統計は、時間の経過に従って並べられたデータであり、横断面統計は特定時点における属性別に配列されたデータである。
より詳細な統計は両者を加味し、時系列・属性別に表示する場合もある。
時系列統計の場合、@期間幅はどうなっているか、A同じ期間幅であってもいつの時点からとられたのか、B概念などの時系列接続はどうなっているか、にまず注目しなければならない。
@の期間幅には、新聞紙上の例のような日時統計から始まって、月次、四半期、半期、年次などがある。
しかし、経済の因果関係を説明しようとするときは、関連統計データの制約もあり、四半期より長い場合が多い。
消費関数として、確定モデルを設定することも可能である。
その場合、今期の消費支出を以前の消費支出だけで説明しているわけであり、他の説明変数は介在しない。
しかし、時系列データは時間的順序が固定されているから、今期の消費支出は前期の消費支出にも依存するし、n期前の消費支出にも依存するかもしれないからである。
すなわち、消費支出は過去の消費習慣にも依存するからである。
消費支出を他の変数(所得Yなど)で説明するという因果関係はないものの、何期か前の消費が今期の消費に影響を与えていることは確実であり、それを取り入れて修正した仮説も設定できる。
仮説と期間幅の関係は重要である。
因果関係に焦点をおくと仮説設定は関連統計が存在するかどうかにかかっている。
一般的には年次(1年間)統計が用いられることが多い。
四半期、半期という用語がそれを物語っている。
次は、初期時点の問題である。
年次統計の場合、同じ1年間でも暦年と年度の区別が重要となる。
暦年とは1月1日から12月31日までのことをいい、年度とは4月1日から翌年3月31日までの1年間のことをいう。
暦年は1月1日からの1年間であるから明確である。
他方、年度は日本の場合は4月1日から始まる1年間がほとんどである。
年度は、会計年度など制度的要因に基づくものであり、業務統計でよく用いられる期間である。
調査統計についても、企業や政府は現実に年度で動いているのであるから、年度単位の統計も数多くある。
しかし、国際比較では年度の開始月が国によって異なるので、注意が必要である。
暦年と年度とは3カ月(1四半期)の差である。
したがって、四半期統計が存在すれば、暦年と年度の調整は可能となる。
ただし四半期統計で、2000年第1四半期といえば2000年1―3月を、2000年度第1四半期といえば、2000年4−6月期を指すことに注意する必要がある。
いずれにしても、暦年と年度の区別は経済統計特有の問題といえる。
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