試験デザインにおける特殊な論題|【統計学・統計解析講義応用】
試験デザインにおける特殊な論題
ここで、試験のデザインに関するいくつかの特殊な論題について考察する.
それらは,有効性(efficacy)もしくは無益性(futility)評価のための中間モニタリング,適応デザイン,非劣性および同等性検証のためのデザイン,そしてサンプルサイズの設計に関して特に配慮すべき問題である.
中間モニタリングとアルファ(α)消費
分担研究者(investigator)やスポンサー(sponsor)が,試験のあらかじめ決められた完了時点の前に中間データを見たいと考えるかもしれないことには多くの理由がある.我々は,そのうちの
(1)治療が有益(beneficial)であるというエビデンスを早期に得たい,
(2)試験を継続することが無益(futile)であるという実状を把握したい,
という2つの理由に焦点をあてることにする.
中間データモニタリングは,その結果が提示された際,当該試験を早期に終了することができる機会を提供する.
早期の終了は,試験の実施にかかる時間やリソースの消費を抑えるだけでなく,有効な薬が承認され,その薬を必要とする人々が使用できるようになるまでの時間を短縮することを可能にする.
効果安全性評価委員会(Data and Safety Monitoring Board, DSMB)は多岐にわたる側面から実施中の試験をモニターし,そして二重盲検比較試験において結果データをモニターするという機能は,別々の独立したモニタリング委員会を設ける有力な動機の1つとなる.
有効性に関するモニタリングにおいては,一般に効果が事前に定義した有効性の基準を越えることによって有意な早期のエビデンスがあると判定する厳格な解析計画に従うことが要求される.
一方,無益性に関するモニタリングは,通常は有効性のモニタリングほど型にはまったものでも拘束的なものでもない.
より詳細な統計学的な側面に関しては, JennisonとTurnbullもしくはProschanらで参照することができる.
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