統計法で支える日本の分散型統計行政【ChatGPT統計解析】
日本の統計行政は統計法を基本法とし、分散型統計機構のもとで運営されている。統計法は統計の真実性確保、調査重複排除、体系整備、改善発展を目的とし、国の重要統計を指定統計として定め、調査主体には目的明示、結果公表、個票非公開、秘密保護、目的外利用禁止を義務付ける。一方、被調査者には申告義務がある。調査は総務省政策統括官が調整し、地方レベルでは都道府県統計主管課が法定受託統計調査を市町村を通じ実施している。国際的には統計機構は国ごとに異なり、アメリカは分散型、カナダは集中型、ドイツは連邦集中・地方分散型、イギリスは日本に近い分散型である。
▼▼▼▼▼▼▼▼
チャンネル登録はこちら
統計法と統計機構
統計法と統計機構
現在、日本の統計行政、すなわち統計に関する行政は、統計法を基本法として分散型の統計機構のもとで行われている。
国及び地方公共団体が行う統計調査は統計法、統計報告調整法及び「届出を要する統計調査の範囲に関する政令」に基づいて行われている。
統計法は、
@統計の真実性を確保し、
A統計調査の重複を除き、
B統計の体系を整備し、
C統計の改善発達を図る
ことを目的としている。
そして統計法では、国の重要な統計を指定統計として規定し、指定統計調査はすべて統計法に基づくとしている。
調査規則が廃止されたものや一回限りのものを除いて、2005年4月現在、継続して行われている指定統計調査は56件である。
指定統計には指定された順に番号が付されており、その第1号が国勢調査である。
また、統計報告調整法と、「届出を要する統計調査の範囲に関する政令」に基づく統計調査は、それぞれ承認統計、届出統計と呼ばれる。
これらの統計調査の総合調整は総務省政策統括官(統計基準相当)が所掌しており、その審議機関として統計審議会がある。
なお、世論調査、市場調査も広義の統計調査の一種ではあるが、統計法で規定している統計調査には含まれない。
統計法の重要な点は、その目的である統計の真実性を確保するために、次のことを条文として明確に定めていることである。
まず調査主体に
@統計調査の目的の明示
A結果の公表
を義務付ける。
ただし個票は公表しない。
さらに、調査主体に、
B被調査者の秘密に属する事項の保護と調査した個票の目的外利用の禁止
を規定している。
そして@―Bの下で被調査者にC申告義務を課している。
国勢調査を例にこれらの規定を説明すると、国勢調査は「政府が本邦に居住しているものとして政令で定める者について行う人口に関する全数調査」であって、調査結果は通常、調査年の12月下旬に要計表による人口及び世帯数が公表され、また約8カ月後に1%抽出集計による主要結果の速報が行われる。
この後、順次、全数集計及び抽出詳細集計の結果が公表され、報告書が刊行される。
ただし、個々の調査票の記入内容を税務監査などの目的で使うことは統計法上禁止されている。
このような形で秘密の保護、個々人のプライバシーは守られる一方で、申告拒否に対しては罰則規定が設けられている。
このような統計法および統計報告調整法のもとで、日本では、各府省が所管の業務に必要な統計を作成するのが原則となっている。
このため、統計を作成するための統計調査も各府省がそれぞれで実施しており、いずれも統計の作成や分析を担当する組織を置いている。
このような統計機構を一つの機関が統計調査を集中して行う集中型の統計機構に対して、分散型の統計機構と呼んでいる。
ただし、各府省がそれぞれ勝手に統計調査を行うと、調査が重複したり、統計の利用に支障が生じたりするおそれがあるため、総務省政策統括官(統計基準担当)が各府省が行おうとする統計調査の内容の審査、調整を行っている。
また、政策統括官(統計基準担当)は、統計の作成に必要な産業や職業の標準統計分類の設定も担当している。
なお、総務省統計局は、国勢調査など国の基礎的な調査(通常は、指定統計に指定されている調査)を実施している。
日本の統計機構は、国レベルでは組織分散型であるとはいえ、統計調査の業務の流れから見ると地方レベルでは、機能集中型であるといえる。
都道府県には統計主管課が置かれており、都道府県は国から法定受託した各種統計調査を実施するとともに、大規模な調査については市町村を経由して実施している。
その際、調査内容や調査票の審査等について必要な説明を行っている。
なお、総務省では各都道府県の調査の業務量に応じて定数を決め、それに要する人件費等を統計専任職員配置費として交付しており、2005年度の統計専任職員数は2,219人となっている。
統計機構は、行政機構に対する思想や歴史的な発展経緯によって、国ごとに大きく異なっている。
具体的に見ると、アメリカは同じ分散型の統計機構を採っているものの、行政予算管理庁情報規制局の下に置かれた統計・科学政策部が統計に関する総合調整のみを行い、統計作成機関は、商務省センサス局、労働省労働統計局などに完全に分散されている。
また、イギリスは、大蔵省に置かれた統計局が総合調整を行うほか、各種主要統計(たとえば、人口センサス、労働力調査、国民経済計算、小売物価指数、家計調査など)を実施するという分散型の統計機構を採っており、比較的日本の統計機構に近いといえる。
カナダは、産業大臣の管轄下にあるカナダ統計局が統計の企画、調整、集計、公表などを国レベルだけではなく、州レベルの統計についても行っており、完全な集中型の統計機構を採っている。
ドイツは国レベルでは、連邦内務大臣の管轄下にある連邦統計局がかなりの統計を所管する集中型であるが、調査の実施は各州に委託され、連邦統計局は、各州ごとの結果を合算するという、地方分権が強い地方分散型である。
日本の統計行政は統計法を基本法とし、分散型統計機構のもとで運営されており、国及び地方公共団体が行う統計調査は統計法、統計報告調整法及び「届出を要する統計調査の範囲に関する政令」に基づいて実施されている。統計法は、統計の真実性を確保し、統計調査の重複を除き、統計体系を整備し、統計の改善発展を図ることを目的としており、国の重要な統計を指定統計として定め、指定統計調査は統計法に基づいて行われる。継続して実施されている指定統計調査は2005年4月現在56件であり、指定統計には順に番号が付され、第1号は国勢調査である。また、統計報告調整法や「届出を要する統計調査の範囲に関する政令」に基づく調査は、それぞれ承認統計および届出統計と呼ばれる。これらの統計調査の総合調整は総務省政策統括官(統計基準担当)が担当し、その審議機関として統計審議会が設置されているが、世論調査や市場調査といった広義の統計調査は統計法で規定される統計調査には含まれない。統計法では、調査主体に統計調査の目的を明示し、結果を公表する義務を課す一方、個票は公表せず、被調査者の秘密保護や個票の目的外利用の禁止も規定されている。これらの規定の下、被調査者には申告義務が課され、例えば国勢調査では全数調査が行われ、その結果は調査年の12月下旬に要計表による人口及び世帯数が公表され、さらに約8カ月後に1%抽出集計による主要結果の速報が発表される。その後、順次全数集計及び詳細集計の結果が公表され、報告書が刊行されるが、個々の調査票の内容を税務監査など他の目的で使用することは統計法で禁止されている。このように、秘密保護やプライバシーが守られる一方で、申告拒否には罰則規定が設けられている。この統計法及び統計報告調整法のもと、日本では各府省が所管業務に必要な統計をそれぞれ作成することが原則とされ、統計調査も各府省が実施し、それぞれ統計作成や分析を担当する組織を持つ。この分散型統計機構では、各府省が独自に統計調査を行うことで調査の重複や統計利用への支障が生じる可能性があるため、総務省政策統括官が統計調査の内容を審査・調整している。さらに、統計作成に必要な産業や職業の標準統計分類の設定も総務省が担い、基礎的調査である国勢調査などは総務省統計局が実施している。日本の統計機構は国レベルでは分散型であるが、地方レベルでは都道府県に統計主管課が置かれ、大規模調査は市町村を通じて実施されるなど機能集中型の側面も持つ。都道府県では国から法定受託した統計調査を実施し、その際、調査内容や調査票の審査等について必要な説明を行い、調査業務量に応じた人件費が統計専任職員配置費として交付され、2005年度には統計専任職員数が2,219人とされている。統計機構は行政機構に対する思想や歴史的発展経緯によって国ごとに大きく異なり、アメリカは分散型統計機構を採用し、統計・科学政策部が総合調整を行う一方、統計作成機関は商務省センサス局や労働省労働統計局などに分散している。イギリスは大蔵省に統計局を設け、総合調整と主要統計実施を担う分散型であり、日本に近いといえる。一方、カナダは産業大臣の管轄下にあるカナダ統計局が国及び州レベルの統計を統括する集中型である。ドイツは連邦内務大臣管轄下の連邦統計局が多くの統計を所管する集中型であるが、調査は各州に委託され、地方分散型の側面も持つ。このように、日本の統計行政は分散型を基本としつつ、総務省政策統括官を中心に調整を図り、地方レベルでは集中型の特徴を取り入れることで、各種統計調査を効率的かつ体系的に運営している。
関連記事