成績は平均に戻る!回帰現象と統計学の真実【ChatGPT統計解析】

成績は平均に戻る!回帰現象と統計学の真実【ChatGPT統計解析】 | 統計解析 - ChatGPT・Python・エクセルを使った講義で最速マスター

セミナー案内             AIデータサイエンス動画           インスタグラム

成績は平均に戻る!回帰現象と統計学の真実【ChatGPT統計解析】

成績は平均に戻る!回帰現象と統計学の真実【ChatGPT統計解析】
回帰現象(regression effect)は、統計学の概念であり、成績や順位が極端な値をとった場合、次の機会では平均に戻る傾向を指す。例えば、プロ野球で1年目に活躍した選手が2年目に成績が下がる「2年目のジンクス」や、偉大な選手の子供が親ほど活躍しない現象がこれに該当する。この現象は、ある年度に高い順位だった選手が次年度には順位が下がり、逆に低い順位だった選手が順位を上げる傾向があることから説明できる。また、進路指導における成績順の学校選びでも、卒業時には学力が平均に近づくことが観察される。このような現象を「回帰効果」と呼び、回帰分析などの統計手法にも関連している。

成績は平均に戻る!回帰現象と統計学の真実【ChatGPT統計解析】▼▼▼▼▼▼▼▼
チャンネル登録はこちら


目次  成績は平均に戻る!回帰現象と統計学の真実【ChatGPT統計解析】

 

 

回帰現象(regression effect)の統計学

 

プロ野球などで1年目に大活躍した選手は、多くの場合、2年目はそれほど活躍せず「2年目のジンクス」と言われたりする。

 

また、非常に偉大な選手の子は、たいていの場合、親ほどには活躍できない。

 

こうした現象について、たとえば「2年目のジンクス」については、相手チームが研究してきたからとか、慢心があったからとか、さまざまな理由説明は可能である。

 

しかし、実はこうした現象の原理は、「回帰効果」(並に戻る効果)という統計概念で説明が可能なのである。

 

たとえば、100人のプロ野球選手を、各年度の実績で1位から100位までランクづけたとしよう。

 

このとき、ある年度に1位だった選手が次年度も1位、そして2位だった選手が次年度も2位、…というように年度を越えて順位がまったく同じということは考えられない。
順位はある程度変動するものである。

 

ここで、ある年度に1位だった選手の順位が変動するとしたら、1位より上はないのだから、その選手は順位を落とすしかない。

 

逆にビリだった選手の順位が変動するとしたら、その選手は順位が上がるしかない。

 

このことからわかるように、順位が変動するとしたら、つまり順位の間の相関関係が完全なものでないとしたら、ある年度に高い順位だった選手は次年度には順位が下がる可能性が高く、逆に低い順位だった選手は順位が上がる可能性が高いのである(平均への回帰)。

 

このように考えれば、「2年目のジンクス」はないほうが珍しいのであり、むしろ自然な現象である。(もちろん、ジンクスを感じさせないケースも皆無ではない。)

 

偉大な選手の子が親ほど偉大でないということも、親の成績と子の成績を、1年目の成績と2年目の成績に置き換えて考えれば、まったく同様に理解できる。

 

このように、2つのものの関係において、一方のもの(上記の例では1年目の成績や親の成績)が高い値をとれば、他方のもの(2年目の成績や子の成績)はそれほど高い値をとらず、逆に一方のものが低い値をとれば、他方のものはそれほど低い値をとらないという傾向がある。

 

この傾向のことを、他方の値が平均のほうに戻る傾向(平均に回帰する傾向)という意味で、「回帰効果」または「回帰現象」とよんでいる。

 

なお、「回帰分析」という統計手法の名称も、この言葉に由来している。

 

 

「輪切り」進路指導の影響

 

回帰効果を具体的に考える例として、進路指導における「輪切り」の影響について考えてみよう。

 

「輪切り」とは、たとえば高校進学において、中学卒業時の成績によって上位から順番に受験する高校を決めていくといったやり方であり、教育界では、生徒の興味関心や進学する学校の特徴を無視したものとして批判されてきたものである。

 

ここでは、そうした進路指導の是非を問題にするのではなく、そうやって進学する高校を成績順に決められた場合、進学した高校によって、高校卒業時点での学力に、どの程度の差が生じるかという問題を考えてみたい。

 

成績は平均に戻る!回帰現象と統計学の真実【ChatGPT統計解析】

 

図1は、横軸に中学校卒業時の学力偏差値、縱軸に高校卒業時の学力偏差値をとり、両者の間の相関係数が0.6という場合を想定して描いた散布図である。

 

横軸の成績によって、上位・中位・下位それぞれ3分の1ずつが、順にA高校、B高校、C 高校に進学したものとする。

 

図中の「同偏差値の直線」より上の白丸は中学校時代より偏差値が上昇した生徒を表し、その直線より下の黒丸は低下した生徒を表している。

 

この図をみると、学力上位のA高校の生徒は高校時代に偏差値が低下した者(黒丸)が多く、学力下位のC高校の生徒は逆に偏差値が上昇した者(白丸)が多いことがわかる(平均への回帰)。

 

このことは、中学校卒業時の成績から高校卒業時の成績を予測する回帰直線の傾きが、「同偏差値の直線」の傾きよりも小さくなっていることにも表れている。

 

その結果、図2のように、高校卒業時の学力偏差値の分布は高校間でかなり重複したものとなる。

 

成績は平均に戻る!回帰現象と統計学の真実【ChatGPT統計解析】

 

中学校卒業時には分布がまったく重ならなかったにも関わらず、そうなるのである。

 

回帰現象の例であり、出身学校によって学力を判断することのあてにならなさがわかるだろう。

 

 

成績は平均に戻る!回帰現象と統計学の真実【ChatGPT統計解析】


セミナー詳細                    解析ご相談                    LINEでお友達

成績は平均に戻る!回帰現象と統計学の真実【ChatGPT統計解析】

成績は平均に戻る!回帰現象と統計学の真実【ChatGPT統計解析】