財務省発!企業の宝庫、法人統計の全貌【ChatGPT統計解析】
金額情報を含む包括的な企業統計として、財務省が作成する法人企業統計があります。これは株式会社や有限会社などの営利法人を対象に、年次および四半期ごとの確定・仮決算計数を調べるもので、売上高や営業利益などの金融情報を提供します。一方、事業所企業統計や国税庁統計年報書では、公表される法人企業数に大きな違いがあります。これは、調査の対象範囲や方法の差異によるものです。特に税務統計と事業所統計間では、SOHOなど小規模非製造業の事業所が集計から漏れていることが差の一因とされています。また、法人企業統計では資本金1億円以上の約30000社のデータが政府統計に利用されており、景気動向などを反映する重要な情報源となっています。
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法人企業数に関する統計
金額情報を調査している企業統計として包括的で歴史のあるものが、株式会社、有限会社などを対象として財務省が作成する法人企業統計です。
事業所・企業統計調査では企業と事業所の対応、業種、基本金階級、従業員規模などの基本的属性は明らかにされるものの、企業活動を知るために重要な金額情報は得られません。
法人企業統計は金融・保険業を除く営利法人を対象とし、各年度における確定決算の計数を調査する年次別調査と、資本金1000万円以上の法人を対象として四半期ごとに仮決算計数を調査する四半期別調査からなります。
基本的な企業属性に加えて、金額に関する情報として売上高、営業利益、設備投資などの損益計算書項目、および資産、負債などの貸借対照表項目が調査されます。
営業利益は景気動向を反映する情報として広く政策判断に利用されるほか、この調査で整理される資本金1億円以上の法人企業約30000社の名簿は、政府の各種統計調査で活用されるという重要な役割を担っています。
表は近年における売上高、および営業利益とともに重要な経常利益の状況です。2000年では、それぞれ約1400兆円、36兆円となっています。
景気の低迷を反映して、小規模な企業の利益がマイナスになった年度もあります。
この例のように、企業の業績は業種別、規模別でみる必要がありますが、さらに同種の企業の中でも利益率には大きなちらばりがあります。
法人企業統計でも黒字企業と赤字企業に分けた集計が可能ですが、簡単に入手できる資料として国税庁統計年報書があります。
2001年度の法人税課税状況によれば、年度中の決算を申告した約280万法人のうち黒字法人数は28.0%、その利益は39.8兆円である一方、赤字決算法人数は72.0%、欠損金額は23兆円にもなっています。
景気低迷期であっても、高い利益率を上げる企業がある一方で、多数の企業は赤字を出していることが読み取れます。
平均を見るだけでは不十分な一例です。
法人企業統計・事業所企業統計・国税庁統計年報書
公表される法人企業数は統計によってかなりの違いがあります。
国税庁の数字には会社等のほか約3万4千の医療法人、その他の法人を含んでいるため法人企業統計と若干異なっていますが、法人企業統計調査では国税庁の法人数を名簿情報として利用しているので、調査時点の差や、医療法人、対象外の金融保険業約4万法人など、概念を調整すれば正確に一致します。
税務統計から得られる企業数は税務申告に基づくものであり、登記された法人との差は事業を休止している休眠法人と考えられます。
注意すべきは事業所・企業統計との差です。
この差は近年次第に広がってきており、主要な原因として、調査員が調査区を巡回しても発見できないような事業所が増加していることが考えられます。
表を見ても、小規模、非製造業で大きな差があり、マンションの一室で行われるSOHOなどの事業所が、集計されていない可能性があります。
複数の事業所を持つ企業の産業分類は主要な活動によって決定されるのが一般的ですが、形式的に企業の産業分類を変更すると時系列的に大きな変化が起きる場合があります。
この点に関しては、法人企業統計では常識的な判断も利用して企業の分類がなされていて、比較的安定した時系列比較が可能となっていますが、他の統計と比較するときには注意が必要です。
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