脈拍測定の統計学【統計解析講義基礎】

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脈拍測定の統計学|【統計学・統計解析講義基礎】

脈拍測定の統計学【統計解析講義基礎】


目次  脈拍測定の統計学【統計解析講義基礎】

 

 

脈拍測定の統計学

 

脈拍とは

 

看護師が患者の腕をとって脈をとるのはおなじみの光景である。

 

このとき、看護師は3本の指(示指、中指、薬指)をそろえて脈を測っているが、これは3本の指を使うことで相手の脈を感じ取りやすいことと、3本の指を巧みに使いながら微妙な脈の変化や性質をキャッチしようとしているからである。

 

ちなみに熟練した看護師は脈をとるだけで、おおよそ、その人の血圧が予測できたりする。

 

では、いったい脈拍とはなんだろうか。

 

血液は心臓が収縮することによって大動脈に駆出される。

 

心臓からの血液の駆出に伴い動脈壁が伸び広がり血液を溜める。

 

心臓の収縮がいったんおさまる(拡張する)と、弾力に富む動脈は元の状態に戻ろうとしながら溜め込んだ血液を末梢へと送っていく。

 

このようにして心臓から駆出された血液は全身へと巡っていく。

 

このとき、大動脈で周期的に起こる収縮・拡張に伴う圧の変化は血管壁を伝わり、末梢の動脈へと伝わっていく。

 

これを脈波といい、浅い動脈(とう竹動脈や大腿動脈など)では脈拍として触れることができる。

 

脈拍とは心臓の拍動を反映するもので、脈拍数とは心拍数でもある。

 

これは通常1分間の回数で示され、健常な成人で60〜80回/分である。

 

しかし、不整脈(期外収縮、心房細動など)があると、心室に十分に血液が満たされないうちに心臓の収縮が起こってしまうので、大動脈への血液の駆出が十分ではなく、心臓の収縮が起こっても脈が触れないことがある。

 

 

TPOに応じる脈拍の5ポイント

 

@緊張すると脈拍が速くなる。
心臓は白限神経の支配を受けているので、緊張時に優位になる交感神経の興奮は心拍数を増加させる。したがって脈拍も増加する。たとえば、試験直前や、びっくりした時、反対にリラックスすると脈拍は遅くなる。

 

A年齢や性別、体格によって脈拍数に差がある。
新生児の脈拍は120〜140回/分だが、学童になると70〜90回/分、成人になると60〜80回/分となる。これは基礎代謝の低下や、血管系の発達によるものである。また女性は男性より脈拍が速い。

 

脈拍測定の統計学【統計解析講義基礎】

 

B運動すると脈拍が速くなる。
運動するということは、エネルギー産出のための酸素の必要量が増すということである。
筋肉などに酸素を十分に補給し、肺から酸素を取り込むために心臓の拍動が速くなるので脈拍も速くなる。
これは身体を動かすということだけではなく、食事をしたことによっても消化のために胃や腸への血流が増加するので食後も脈拍が早くなる。
ちなみに30歳台で脈拍が120〜135回/分ぐらいの運動が効果的な運動(有酸素運動)といわれている。

 

Cある種の薬は脈拍に影響がある。
強心剤であるジギタリスは1回の血液の駆出量を増加させるが心拍数は減少させるので、脈拍も減少する。たくさんコーヒーを飲むとカフェインの影響で心拍数は増加するので、脈拍数も増加する。

 

Dある種の病気は脈拍に影響がある。
不整脈などの心疾患は血液が十分に駆出されないことがあり、心拍数に対して脈拍が欠損することがある。
甲状腺機能亢進症の人は、甲状腺ホルモンの分泌亢進のために代謝が亢進し、心拍数が増加するので脈拍が増加する。

 

脈拍の意味を考えることの重要性

 

心収縮が非常に弱いときには、とう骨動脈では脈拍を触れることができない。

 

特定の動脈において脈が触れなければその動脈の塞栓が推測される。このように脈拍はその人の身体状態についての膨大な情報を与えてくれる。

 

しかしながら脈拍は上記のごとくさまざまな状況から影響を受けるので、脈拍への影響をみるときには、その人あるいは性質の同じくする集団に分けて変化(差)をみることが必要である。

 

また、実験的に何がしかの心臓への影響を知りたいのであれば脈拍数の変化よりは心拍数で測定したほうが妥当である。

 

しかし、動脈の弾力性を知りたければ、血圧と末梢動脈圧と脈拍数との関係を調べることで推測することができるだろう。

 

脈拍は簡便に相手に負担が少なく測定することができるという利点があるので、その意味をよく考えて測定することが重要である。    

 

 

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