データの見方:絶対値の差(ポイント)か相対表現(%)か|合計は100になるか【統計学・統計解析講義基礎】
絶対変化(単純な差)を示すとき、%の代わりにポイントという用語をよく使うが、相対表現をする、つまり相対値で言うときには%を使う。合計を足して100になっているかを見ておくことも大切
データの見方:絶対値の差(ポイント)か相対表現(%)か
高齢者と息子・娘の同居率は50.3%といわれています。
ソースは厚生労働省の国民生活基礎調査です。
折れ線グラフにすると、1980年から息子・娘と同居の割合が減っていることは一目瞭然です。
一方、夫婦2人暮らし1人暮らしの割合は右肩上がりです。
さて、「この20年ほどの間に20ポイント近く低下した・・・・」という表現は何を意味するでしょうか。
1980年の時には息子と娘の同居率は69.0%だったのですが、1998年には50.3%に減っています。つまり69.0−50.3=18.7%になります。
したがって、20%近く低下したというのはわかります。
しかし、%でなくポイントという用語を使っています。
絶対変化(単純な差)を示すとき、%の代わりにポイントという用語をよく使います。
同じデータですが、相対表現をするとどうなるでしょうか。
すなわち、(69.0−50.3)÷69.0なのですが、これは暗算でも0.2-0.3くらいの値であることはわかります。
つまり、相対表現をすると、20年の間に息子・娘の同居率は27%減ったと言えます。相対値で言うときには%を使うのです。
合計は100になるか
1998年の高齢者の割合に関する内訳を見てみましょう。
グラフの右端の数字ですが、上から50.3+32.3+13.2ですから、合計すると95.8%になります。どうして100%になっていないのでしょうか。
1980年でも合計すると97.1%です。他の形態は除いているのかもしれませんし、無回答の人がいたのかもしれません。
余計なことかもしれませんが、合計を足して100になっているかを見ておくことも大切です。
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