量的研究デザインの全貌:比較と変化の捉え方【ChatGPT統計解析】
量的研究デザインは数多くの次元でさまざまですが、一般に構造化されている傾向が強いです。典型的な量的研究では、介入、比較、外生変数のコントロール、データ収集の時期、研究の環境などがデータ収集前に詳細に計画されます。一方、質的研究デザインは流動的であり、データ収集に応じて柔軟に変更されます。量的研究では比較が主で、異なる集団間の差異を検証する対象間デザインや、同一集団内での変化を追う対象内デザインがあります。時間的要素を取り入れる場合、横断的デザインは特定の時点でデータを収集し現象の状態を描写しますが、縦断的デザインでは時間経過に伴う変化を調べます。横断的デザインの利点は実用性ですが、コホート差を時間経過の変化とみなすことには限界があります。このため、変化を前提とした横断的研究は多くの解釈が可能であり、優れたデザインの必要性が増します。
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研究デザインの形態の概要
量的研究デザインは,数多くの次元でさまざまである。
互いに独立している次元もある.たとえば,実験デザインが,横断的か縦断的かというように.
一般に,量的デザインに共通することが1つある.それは,かなり構造化した傾向にあるということである.
典型的な量的研究では,研究者は,介入の性質,比較の性質,外生変数のコントロールにもちいる方法,データ収集の時期,研究の場と環境,そして参加者に与える情報を特定化し,すべて,1片のデータを収集する前に詳述している.
ひとたびデータ収集が進みだすと,研究デザインの変更はめったに行われない.
質的研究の研究デザインは,もっと流動的である.
質的研究者は,データが収集されるに従ってわかってくることに敏感に反応して,慎重に変更することが多い.
対象間と対象内デザイン
前述したように,量的研究デザインでは比較を行うものがほとんどである.
比較は,別々の集団間で行うことが多い.
たとえば,ハイリスクの女性における乳がんの罹患率をタモキシフェンが減じるという仮説を,タモキシフェン投与を受けた女性と,そうでない女性とを比較することで検証できる.
この例では,タモキシフェンの投与を受けた人々と,投与を受けていない人々は同じではない.
別の例では,男性と女性の痛みの耐性に関心があるとすれば,比較する集団は明らかに異なった人々となる.
このかたちのデザインを,対象間デザイン(between-subjects design)という.
対象間デザインをもちいた研究の例
ナンタイスースミスら〔Nantais-Smith et al., 2001〕は,母乳育児をした女性とそうでない女性を比較し,産後12か月の時点での血漿と乳頭吸引カロチノイドにおける相違を検証した.
同じ研究参加者での比較が望ましいこともある.
たとえば,看護介入の前後での患者の心拍数を研究したい場合や,2つの異なる体位で寝ている患者の下部背部痛を比べたい場合である.
これらの例は,どちらも対象内デザイン(within-subjects design)を要し,2つの状態,または2つの時点で,同じ人々を比較する.
比較の性質は,使用される統計学的検定のタイプに関係する.
対象内デザインをもちいた研究の例
ヒル,カーコフスキー,ガルシア〔Hill, Kurkowski, &Garcia, 2000〕は,授乳における早産児の吸啜パターンに,囗の支持(頬や顎の支持)がもたらす効果について検証した.
支持ありと支持なしの2つの条件下で20人の早産児を観察した.
時間の次元
ほとんどの研究は,ある一時点でデータを収集するが,以下の4つの状況は,複数の時点でデー夕収集を行う研究デザインに該当する.
1.時間に関係した過程を研究する:ある研究問題は,とくに時間経過とともに展開するような現象に焦点をあてる(例:治癒,学習,常習性,身体的成長).
2.時間の順序性を判断する:現象の順序性を判断することが重要な場合もある.たとえば,不妊の結果,抑うつにいたると仮定するならば,抑うつが不妊の問題に先立っていないと判断することが重要であろう.
3.時間経過に従って比較を展開する:時間経過とともに変化が生じたのかどうかを判断するために,研究を行うこともある.たとえば,10年問にわたって,10代の喫煙行動の傾向を描写することに関係する研究もあろう.もう一例としては,介入が,短期的にも長期的にも効果をもたらすかを検証する実験研究もあろう.
4.研究のコントロールを強化する:量的研究のための研究デザインでは,結果の解釈可能性を高めるために,複数の時点でデータを収集することもある.
たとえば,いくつかの介入の効果に関して2つの集団を比較するとき,介入前にデータを収集することで,研究者は,集団問のもともとの差を発見し,コントロールできる.
研究は,時間をどのようにあつかうかによって分類することが多い.主な区別に,横断的デザインと縦断的デザインがある.
横断的デザイン
横断的デザイン(cross-sectional design)は,ある特定の時点でデータを収集する方法である.
研究する現象は,データ収集の時点で把握できるものである.
横断的研究は,ある定まった時点での現象の状態や,現象間の関係を描写するのに適している.
たとえば,閉経期の女性の心理的症状が生理学的症状と同時的に相関するかどうかを判断したい場合である.
横断的デザインを,時間に関連した目的のために使うことがあるが,結果はあいまいかもしれない.
たとえば,横断的データを使って,過剰なアルコール消費の決定要因は衝動のコントロールが低いことであるという仮説を,心理テストで測定して検証しようとする.
しかし,アルコール消費と衝動のコントロールを同時に測定する場合,どちらの変数がもう一方に影響しているのか,またはどちらもが影響しあっているのかについてはわかりにくい.
横断的データは,次の2つの状況下での時間の前後関係を推論するのにもっとも適している.
@1つの変数が他の変数に先行しているということを示す証拠または論理的根拠があるとき(例:学齢期児童の罹患率への低出生体重の影響を調べるのに,低出生体重が先であるということに何ら疑問がないとき),
A分析を導き出すしっかりした理論的枠組みがあるとき.
継時的に展開するプロセスについて推論できるようなかたちで,横断的研究をデザインすることもある.
それは,測定法が,異なる人々の展開上の異なる時点で,そのプロセスを把握する場合である.
たとえば,看護学生の専門職意識が,4年間の大学教育をとおしてどのように変化するかを研究するとしよう.
学生が卒業するまで,毎年,学生からデータを集める方法があろう.
これは縦断的デザインとなるだろう.
他方,ある一時点で4つの各学年からデータを集め,4つの学年の回答を比べるという方法という横断的デザインをもちいることもできよう.
新入生よりも4年生のほうが,専門職意識について高い測定値を示したとすれば,看護学生は,教育経験によってしだいに専門的に社会化されると推論することができよう.
この種の推論では,4年生が,仮に3年前に調査されていたら新入生と同じように答える,または逆に,新入生が3年後に調査されたら4年生と同じように専門職意識が高くなっていたということを仮定しなければならない.
このように,複数の異なる年齢層の比較をするデザインを,層化(コホート)比較デザイン(cohort comparison design)ということがある.
このような場合の横断的デザインの主な利点は,実用的なことである.
横断的研究は容易であり,比較的経済的でもある.
しかし,横断的デザインをもちいて継時的な変化を推論するには問題がある.
上記の例でいえば,4年生と新入生は,4年間の教育経験とは関係なく,看護の専門性に異なる態度を示すかもしれない.
現代社会は,社会的にもテクノロジーの面でも驚くべき変化が起こっているので,年齢層の違う集団についての行動,態度,特性にみられる差を,コホート差,または世代の差という結果ではなく,時間経過による結果であると仮定するのは疑わしい.
変化を研究するためにデザインした横断的研究では,研究結果に対していくつかの説明が成り立つことが多く,それこそまさしく,優れた研究デザインが避けようとしていることである.
量的研究デザインは、多くの異なる次元を持ち、それぞれの次元が独立していることがしばしばあります。たとえば、研究が横断的(cross-sectional)であるか縦断的(longitudinal)であるかは、特定の次元での違いを指し、これらは互いに独立した選択肢として存在しています。量的デザインの共通の特徴として、かなり構造化された形をとる傾向が挙げられます。量的研究において、研究者は介入内容、比較の方法、外生変数の管理手法、データ収集のタイミング、実施場所、環境、さらには参加者に提供する情報など、詳細に計画を立てます。これらはすべて、データ収集を始める前に設定されるべき要素であり、詳細に計画が立てられます。このような徹底した計画が必要なのは、量的研究がデータの信頼性と再現性を重視するためです。データ収集が始まると、研究デザインの変更は滅多に行われず、研究の一貫性を維持するためにも、初期の計画通りに進めることが求められます。質的研究においては、この点で異なります。質的研究は、量的研究に比べてより流動的であり、データが集まるに従い、研究者が新たな洞察を得てデザインを柔軟に調整することが許されています。この柔軟性は、特にフィールドワークやインタビューのような状況で、データ収集の過程で得られる情報に対応するために重要です。質的研究の特徴としては、予測不可能なデータの変化に対する対応力があり、現場での調査が進むにつれて新たな発見がなされることが多いためです。量的研究デザインの中でも、比較を行うものが多く、この比較には異なる対象間での比較と同じ対象内での比較があります。たとえば、対象間デザイン(between-subjects design)を用いた場合、異なる集団間で比較が行われます。例として、ハイリスクの女性の乳がん発症率に関して、タモキシフェンという薬剤がその発症率を減少させるかどうかを検証することが挙げられます。タモキシフェンを投与した女性と投与しなかった女性を比較することで、薬剤の効果が検証されるわけです。この場合、比較対象であるタモキシフェンを使用したグループと使用していないグループは、異なる特性を持つため、この違いを通じて研究を進めることができます。他にも、男性と女性の痛みに対する耐性を比較したい場合には、それぞれ異なる性別が対象となるため、同様に対象間デザインを用いることが適しています。このような対象間デザインを使うことで、研究者は集団ごとの違いを明確にし、その差異を分析することが可能です。対象内デザイン(within-subjects design)は、同一の集団内で比較を行う場合に用いられます。例えば、特定の看護介入の前後で患者の心拍数にどのような変化があるか、あるいは異なる体位での背部痛の度合いがどのように変わるかといった比較が対象内デザインで行われます。対象内デザインの特徴は、同一の集団に対して2つの異なる条件や時点での測定を行うことで、外部変数の影響を最小限に抑えながら比較が可能になる点です。このように、対象間デザインと対象内デザインのどちらを採用するかは、研究の目的と求めるデータの特性に応じて選択されます。時間的要素を考慮した量的デザインには、横断的デザイン(cross-sectional design)と縦断的デザイン(longitudinal design)があります。横断的デザインでは、ある特定の時点でデータを収集し、現象の状態や関係性を描写します。たとえば、閉経期の女性における心理的症状が生理学的症状とどのように相関するかを調査する場合、横断的デザインが適しています。横断的デザインは、特定の時点での現象の「スナップショット」を得るのに適していますが、継時的な変化を捉えることは難しいため、時間経過による変化を検討したい場合には適していません。また、横断的デザインを用いた場合、過剰なアルコール消費と衝動性との関連を心理テストで検証するような研究も行われますが、この場合、どちらの変数が他方に影響を与えているかを確定することが困難です。横断的デザインが適しているのは、特定の変数が他の変数に先行している証拠や論理的根拠がある場合、または、強固な理論的枠組みに基づいている場合です。対して、縦断的デザインは、時間の経過による変化を追跡するためのデザインです。例えば、ある介入が長期的に効果をもたらすかどうかを検証する場合に用いられます。看護学生の専門職意識が大学生活を通してどのように変化するかを観察することを目的とした場合、毎年データを収集することによって時間経過に伴う意識の変化を追跡することができます。こうした研究を縦断的に行うことで、量的デザインの目的である変化の追跡が可能になります。縦断的デザインには、横断的デザインにはない優位性があり、変化の因果関係を検証しやすくなりますが、研究期間が長くなるため、リソースや時間が多く必要とされます。横断的デザインと縦断的デザインを組み合わせたコホート比較デザイン(cohort comparison design)もあります。これは異なる年齢層や異なる経験を持つ集団を比較することで、推論を導き出すことを可能にするデザインです。たとえば、看護学生の専門職意識が教育年次の進行に従ってどのように変化するかを研究する場合、新入生と4年生を比較することで、教育が学生に与える影響を推測することができます。これにより、4年生が3年前には新入生と同じ意識を持っていたであろう、という前提のもと、教育の影響を推測します。コホート比較デザインは、簡便かつ実用的であり、経済的にも効率的である一方で、推論に限界があるため、継時的な変化の検証には慎重さが必要です。このように、横断的デザイン、縦断的デザイン、そしてコホート比較デザインを使い分けることで、量的研究デザインはさまざまな現象を多面的に解明することが可能です。どのデザインもそれぞれの研究目的に応じた特徴を持っており、研究の信頼性と妥当性を高めるために適切なデザイン選択が求められます。
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