基本的な実験デザイン【統計解析講義応用】

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基本的な実験デザイン|【統計学・統計解析講義応用】

基本的な実験デザイン【統計解析講義応用】


目次  基本的な実験デザイン【統計解析講義応用】

 

 

基本的な実験デザイン

 

優しいマッサージが,高齢者ナーシングホーム居住者の痛みのレベルに及ぼす影響を検証する研究について述べた例では,簡単な研究デザインを示した.

 

無作為割り付けが終了し,実験処理を導入したのちに,1度だけ従属変数に関するデータを収集するので,事後のみデザイン(after-only design),または事後テストのみデザイン(posttest-only design)ということもある.

 

事後テストのみ実験デザインの例

 

ミルヌ〔Milne, 2000〕は,事後テストのみデザインをもちいて,尿失禁に関する教育的介入が,その後の高齢者の支援要請行動に与える効果について研究した.

 

個人向けの指示と書面による情報を受け取った群と,書面による情報のみを受け取った群に割り付けた.

 

2か月後,ミルヌは,尿失禁のために専門職の支援を求めた人数を各グループで測定した.

 

2番目の基本デザインは,ナース研究者によってもっとも広く使われる実験デザインである.

 

対流的空気循環毛布は導電性水流毛布よりも,高熱の重症患者の熱を冷ますのに効果的である,という仮説を立てたとしよう.

 

2つの異なるタイプの毛布(独立変数)に患者を割り付け,従属変数(体温)を介入の前後の2回にわたって測る,というデザインを使うことに決める.

 

この方式によって,どちらの毛布がより効果的に熱を冷ますのかを検証できる.

 

つまり,研究者は,このデザインをもった.ブロック変数をもちいて,在胎週数に基づく3群(27〜28週,29〜31週,32〜33週)に標本を分けた,未熟児は,6つのセル(マス目)の1つに無作為に割り付けられる.

 

実験研究におけるセル(ce11 ; マス目)は,処理条件を指す.処理条件は,箱(セル)のデザインで図式にあらわす.

 

要因デザインでは,2つの独立変数を因子(factor)という.

 

「刺激の種類」という変数は因子Aであり,「1日の刺激量」という変数は因子Bである.

 

各因子は,2つ以上のレベル(level ; 水準)をもたなければならない(レベルが1つのみであれば,その因子は変数にはならない).

 

因子Aのレベル1は聴覚であり,レベル2は触覚である.

 

デザインの特徴を説明するには,レベルの数を示す.

 

視覚刺激のような第3の刺激が加えられ,さらに1日60分間の刺激量が加えられれば,そのデザインは3×4デザインとなろう.

 

 

要因実験は,3つ以上の独立変数(因子)をもちいて行うことができる.

 

しかし,4つ以上の因子をもちいたデザインは,ほとんど行われない.

 

デザインを拡張して,2つ以上のブロック変数を含むこともできる.

 

たとえば,先に述べた複数の刺激療法の研究に,新たなブロック変数として,出生時体重を加えることができよう.

 

複数の操作変数を含むことも可能であり,それによって,乱塊法と要因デザインの両方を備えたデザインをつくりだせる.

 

理論上は,ブロック変数と操作変数の数は無制限であるが,実際のところ,それぞれ比較的に数が少ないのがふつうである.

 

デザインを拡張する場合は,通常,さらに多くの対象者が必要になる.セル内を安定させるには,概算で,1つのセルにつき,最低20人の対象者が望ましい.

 

つまり,2×2のデザインでは最低80人の対象者が,2×2×2のデザインでは160人の対象者が必要となろう.

 

乱塊法と要因デザインを組み合わせた例

 

メツガー,ヤロツ,ヌルディン〔Metzger, Jarosz, &Noureddine, 2000〕は,ラットをもちいて,肥満症に関する2つの実験操作の因子(高脂肪の餌と低脂肪の餌との対比,および強制された運動状態と動きの少ない状態との対比)の影響について研究した.

 

この研究のブロック変数は,ラットの遺伝的肥満であった.つまり,遺伝的に肥満しているラットと痩せているラットを,4つの処理条件に無作為割り付けした.2×2×2のデザインであった.

 

 

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