臨床試験の承認申請【統計解析講義応用】

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臨床試験の承認申請|【統計学・統計解析講義応用】

臨床試験の承認申請【統計解析講義応用】


目次  臨床試験の承認申請【統計解析講義応用】

 

 

臨床試験の承認申請

 

承認申請

 

BLAの内容を規定した規則は21 CFR 601.2に,NDAの規則は21 CFR 314 にある.

 

BLA/NDAは,署名された表紙とForm FDA 356h を含む必要がある.

 

このフォームには. FDAのセンターが申請の種類,申請者,申請理由を認識できる情報が記載される.

 

FDAは年間何千もの申請を日常的に受けており,このフォームは非常に重要である.

 

BLA/NDAの申請の大部分は,一般的に,申請者が製品の安全性や有効性を支持するデータと考える,前臨床および臨床試験の報告書から構成される.

 

申請者はまた,製品の添付文書(labeling)案を提出しなければならず,これにはデータの裏付けが求められる.

 

BLA/NDAは,製品の純度と効力/有効性の標準を満たしていることを確認するために,適切なCMC情報を含む必要がある.

 

これらのデータには,特性解析や,安定性,製造プロセス. (BLAの場合は)製造が行われる設備などの情報が含まれる.

 

特定の製品領域において必要な情報の種類について概説する,多くのガイダンス文書が利用できる.

 

これらの文書のほとんどは,何を提出すべきかに焦点を当てているが.必要な情報をどのように開発するかについてもガイダンスを与えている.

 

いくつかの例においては.製品クラスまたは製造プロセスに関連する重要な問題を特定する文書もある.

 

もともとの申請とともに提出されるわけではないが, CBER (Center for Biologies Evaluation and Research, 生物学的製剤評価研究センター)による評価のために. BLAには製品のサンプルを提出することが多い.

 

CBERは,一巡の製品リリーステストが決定される審査プロセスの間に,製品サンプルの要求を行う.申請者はCBERによる確認のために,要求された製品のサンプルと,それらのリリーステストの結果を提出する.

 

BLA/NDAの申請には,申請を支持するために用いられる非臨床試験が,非臨床試験のためのgood laboratory practice (GLP)の規則を遵守して実施された旨の記述を含む必要がある(21 CFR 58).研究がGLPに従って行われたものでない場合,申請者はなぜそうでなかったかについて説明する必要がある.

 

申請者は,すべての臨床試験が,インフォームド・コンセントやIRBについて規制した21 CFR 50 および56の規則に従って実施されたことを証明しなければならない.

 

また,21 CFR 54 では,申請に用いられた臨床試験を実施した臨床研究者に対して,金銭的証明もしくは開示文書もしくはその両者を提出することを求めている.

 

すべてのBLA/NDAにはまた,カテゴリー適応除外の申し立てか,環境評価のいずれかが含まれる必要がある.

 

現行の規則の下では,ほとんどの医薬品および生物学的製剤の製造販売承認申請は,環境評価を提出する必要性からカテゴリーとして除外されている.

 

しかし,ある種の製品やプロセスのカテゴリーでは,そのような評価がいまだに求められる.試験依頼者は,INDプロセス中に,評価の必要性を認識すべきである.

審査

 

FDAにBLA/NDAが受理されると,「審査時計review clock」が始まる.製品担当事務局の申請部門は,申請を記録し.審査委員会へ送る.

 

審査委員会は,申請の審査を行うのに必要な専門家からなる.

 

一般的に,審査委員会は,臨床および前臨床データ審査の専門家.製品領域の専門家. GMP (good manufacturing practice)の専門家,生物統計家,規制当局のプロジェクトマネージャーによって構成される.

 

必要に応じて.他の専門分野からの審査官が委員会に加えられる.

 

BLA/NDAの初期審査では,提出された申請の適合性に焦点が当てられている.

 

申請が明らかに不十分なものである場合,つまり,実質的な審査を行うために必要な情報を欠いている場合には,委員会は出願を却下することができる.

 

「出願却下」によって,その申請の審査は終了する.

 

申請者は,反対を押し切って申請を選択することもできるが.出願却下が行われたということは,最初の審査サイクルで承認につながる可能性の低い,ひどく不十分な申請であることを示している.

 

BLA/NDAが完了した場合,委員会はそれをファイルし,申請の実質的な審査が本格的に開始される.

 

審査中に疑問が挙がることは珍しいことではない.

 

問題点がすぐに解決される可能性が高い場合には,CBER/CDER (Center for Drug Evaluation and Research.医薬品評価研究センター)は,「情報要求(information request)」を行う.

 

情報要求は,電話での会話や文書によって行われる.

 

回答は短く,審査を進めるものであることが期待される.

 

それぞれの分野における審査が終わったら,何が審査され.どのような不備がみつかったかを記載した審査メモが作成される.

 

査察はBLA/NDAの完全な審査の一部である.

 

査察のうちの1つは,前述した生物研究モニタリング査察である.

 

この査察によって,製品の安全性と有効性を支持するために提出された臨床データを,審査委員会が信頼することができるという保証が提供される.

 

他の査察には設備査察があり,製品の専門家やGMPの専門家が製造施設を訪問する.

 

この視察は,製品が適切な状態で作られているか,製造プロセスは検証されたものでかつそのとおりに行われているかどうかを評価する目的で行われる.

 

製品製造のすべての側面が,この視察の間に調査される.

 

申請者は,査察の終了時に,すべての重要な観察結果を知らされる.

 

査察官は査察報告書を完成させ,これは申請審査の一部となる.

 

CBER/CDERはしばしば,審査で持ち上がった問題点について諮問委員会に提示する.

 

諮問委員会を用いることで,審査委員会は特定の疑問や懸念を,より広範な専門家によって討論できる.

 

特定の疑問については,その領域の専門家が,可能な限り最善の科学的助言を提供するために,委員会に任命されることがある.

 

すべてのBLA/NDAが,諮問委貝会に提示されるわけではない.

 

製品が新規の,おそらくその分野において初めてのものである場合や,審査委員会が特定の問題に対して専門家による情報提供を必要とする認識している場合に. BLA/NDAは諮問委員会に提示される.

 

製品の添付文書の評価は,審査プロセスにおいて決定的に重要な部分である.

 

添付文書に記載されるすべての記述は,データによって支持されなくてはならない.

 

添付文書案の審査における最終的な目標は,添付文書が明確に製品を識別し,製品の安全かつ適正な使用を可能にするために十分な情報を提供するかどうかを判断することである.

 

医療専門家向け添付文書は,臨床医が製品の使用について正しい判断を下すことができるように,必要な情報がすべて含まれていなければならない.

 

患者向け説明書は(含まれる場合には),患者が適切な使用方法を理解するように,明確かつ正確である必要がある.

 

審査委員会は正確で有益な添付文書となるよう,申請者と協力する.

 

査察報告書が受理され,審査が完了し,諮問委員会による助言が考慮された後,審査チームはBLA/NDAに関する勧告を出し, FDAのセンターは適切な判断を決定する.

 

申請が承認されると, FDAは承認書を発行し,申請者は製品を州際通商に導入することができる.

 

査察を含む審査の結果.疑義や懸念が残った場合は. FDAは完全回答書簡(complete response letter)を発行する.

 

この文書によって,申請が承認されないことや,承認を得るために対処しなければならないすべての具体的な不備が説明される.

 

申請者がこの文書に回答すると,審査時計と審査が再開される.

 

まとめると,生物学的製剤もしくは医薬品の承認は,その純度,力価,安全性,有効性に基づいている.加えて,申請者はGLPやすべての適用法令,規則を遵守しなければならない.

 

 

市販後調査

 

製造販売承認に続いて, FDAは製品の製造変更や新たな臨床適応など. NDA/BLAへの変更の審査を担当している.

 

これらの変更は. BLA/NDAに承認事項変更(supplements)として申請されなければならない.

 

変更申請は,処方せん薬ユーザーフィープログラムによって記載された審査期限に沿って審査され,承認される(もしくはされない) (www.fda.gov).

 

加えて,申請者は第IV相臨床試験.妊娠登録調査,および追加の検証試験など,承認プロセスへ関与する機会がしばしばある.

 

これらの試験は.製品の安全性と有効性に関する,様々な未解決の問題についての追加データをFDAに提供する.

 

例えば,代替エンドポイントが評価され,迅速承認によって承認された製品は,臨床アウトカムのデータをさらに得るために,第IV相試験において検証される必要がある.

 

有害事象は,生物学的製剤では21 CFR 600.80.医薬品では21 CFR 314.80に従って,報告されなければならない.

 

重篤かつ予期しない有害事象が生じた場合,情報を知り得てから15暦日以内に,市販後15日警告報告書(Post・marketing 15-day “alert reports”)が提出されなければならない.

 

一般的には,医薬品とワクチン以外の生物学的製剤による有害事象はMedwatch(www.fda.gov/medwatch/default.htm ; 訳者によりURL訂正)を通して.ワクチンによる有害事象はワクチン有害事象報告システム(Vaccine Adverse Events Reporting System)を通して報告される.

 

コンプライアンス

 

製品の承認に続いて. FDAは,企業が現行のGMPを遵守しているかどうかを評価するために,隔年ごとの査察を行う(21 CFR 210 および211. 600〜680).

 

査察官が遵守義務違反を認めた場合,観察事項のリストを企業に提示する(FDA Form 483). FDAはその観察を評価し,さらなる規制行動が必要かどうかを決定する.

 

違反が重大である場合, FDAは取り消し通知(“intent to revoke”)を発行でき,それでも適切な是正措置が行われない場合, BLAの承認を取り消すことができる.

 

FDAはまた,試験依頼者に罰金を科したり,製品の販売を停止する差し止め命令を要求することができる.

 

オーファン・ドラッグ法

 

オーファン・ドラッグ法(Orphan Drug Act, 0DA)は,ハンチントン病やミオクローヌス,筋萎縮性側索硬化症,トゥレット症候群など,比較的少数の患者を侵す希少疾病の多くには適切な医薬品や生物学的製剤がないという指摘に,議会が対応して制定された.

 

ODAは,希少疾病の診断や治療に有望である製品の開発に対して,市場独占権や臨床研究のための資金提供などのインセンティブを認めている.

 

FDAのオーファン製品開発課(Office of Orphan Product Development)は.オーファン・ドラッグ開発援助プログラム(Orphan Products Grants Program)を含むODAの主要な規定を処理している.

 

処方せん薬ユーザーフィー法

 

処方せん薬ユーザーフィー法(PDUFA)は,もともとは米国での新薬の承認における認知ラグに対応して(承認審査の迅速化を図るために), 1992年に可決された。

 

PDUFAは,医薬品審査のプロセスをサポートするために. FDAが手数料を徴収することを認めた.

 

手数料には,医薬品や生物学的製剤の承認申請手数料や,毎年の施設手数料および製品手数料が含まれている.

 

その見返りに. FDA長官は,審査期限を設定し間に合わせるというFDAのコミットメントを,議会指導部への書簡に添付して送った.

 

PDUFAは1997年と2002年. 2007年に法律改正が行われた.

 

それぞれの改正において,処方せん薬ユーザーフィープログラムは改訂され,強化されてきた.

 

現在は,審査期限だけではなく,目標や重要な新製品の審査プロセスを改善するための特別なプログラムが含まれている.

 

1997年には,コミットメントはFDAとの連絡・会議に対する要望に対応した.

 

最近では. 2002年に,PDUFAの手数料によって審査マネジメントの原則および手順がサポートされ.承認直後の期間における市販後調査の支援が含まれた.

 

2007年には,製品の全ライフサイクルに対する医薬品・生物学的製剤の安全性プログラムを規制するよう,コミットメントが拡大された.

 

原稿執筆時点では, PDUFAの更新プロセスが進行中である.

 

長官からの最新のコミットメントレター,およびPDUFAコミットメントを詳述した添付書類は, FDAのウェブサイトで見ることができる。

 

 

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