定率減価償却法の全額償却と保証額の仕組み【ChatGPT統計解析】
定率減価償却法では、全額償却の原則に基づき、投資額を残存価額が残らないように全額償却します。2007年度の改正により、定額法も定率法も備忘価額として1円を残すだけで全額償却されるようになりました。新しい定率法では、定額法の2.5倍の減価償却率を適用します。例えば、1000万円の設備であれば、62.5%の減価償却率が適用され、1年目には625万円が減価償却されます。しかし、最終年には全額償却が達成できない場合があり、そのため「保証額」というトリックを導入します。各期の残存価額を残余年数で均等に割った金額を計算し、定率減価償却額がこの金額を下回る場合は、保証額に切り替えて全額償却を保証します。例えば、残存価額が52.7万円で、残りの1年で全額償却を確実にするために保証額を用いることがあります。
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定率減価償却法:全額償却の原則
2007年度からの新規設備投資には,新しい定率減価償却法が適用されます。
従来の償却法では,定額であろうと,定率であろうと,耐用年数内では,1割の残存価額が残ってしまいます。
2007年度の改正では,定額法も定率法もいずれも投資額を「全額償却」して残存価額は残らないようにしました(備忘価額として1円をつけて残す)。
新しい定率法は,定額法の2.5倍をもって定率の減価償却率とします。
1000万円の価額を持つ耐用年数4年の設備では,定額法の減価償却率は1/4 = 25%であるから,この25%を2.5倍した62.5%が新しい定率減価償却率となります。
1年後には,1000万円の62.5%にあたる625万円が減価償却されて,残存価額375万円となります。
翌年, 375万円に対して62. 5%を償却すると, 234.4万円が償却されて残存価額140.6万円となります。
翌々年, 140.6万円に対して62.5%を減価償却すると, 87.9万円が償却されて,残存価額52.7万円となります。
最終年に62.5%の減価償却を行うと, 33.0万円の償却になりますが,残存価額はゼロにはなりません。
19.7 (下線)が残ることになり,新しい減価償却法の「全額償却」という原則に合いません。
保証額を導入して全額償却を保証
そこで,「保証額」というトリックを導入して,全額償却を保証します。
どうするかというと,各期の残存価額を残余年数で単純に割った金額を計算して,これをたえずモニタリングしながら,もしも,定率減価償却額がこの金額を下回る場合には,この金額に乗り換えて,これをもって残余の耐用年数期間中の減価償却額とするわけです。
こうすれば,この金額は必ず全額償却を保証する「保証額」となります。
スピードが落ちてきた定率電車から定常運転の保証電車に乗り換えるわけです。
例の場合,設備購入1年後の残存価額は375万円,残存期間は3年だから,残り3年で均等償却すれば,1年当たりの金額は125( = 375/3)となります。
ところが,この年の定率減価償却額は234.4だから,わざわざ金額の大きい定率減価償却額から小さい金額に切り替える必要はありません。
定率に任せます。
残り1年となった場合,残存価額52.7に対する定率減価償却額は33.0で,これでは全額償却は不可能です。
残り19.7を償却しきれないのです。
そこで,残存価額52.7を償却額とすれば全額償却ができるのです。
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