雪玉式標本抽出法|【統計学・統計解析講義応用】
雪玉式標本抽出法
質的研究者は,情報提供者に他の研究参加者を紹介してもらうという雪玉式標本抽出法を使うこともある.
この方法は,すでに標本になっている人の指名に頼る方法なので,指名式標本抽出法ともいう.
研究者は,見つけだすのがむずかしい人々との接触を得るのにこの方法を使うこともある.
雪玉式標本抽出法には便宜的標本抽出法をはるかに上回る利がある.
まず,これは,費用効果がよく,実際的である.研究者は,たとえば,その人々が研究に合うかどうかを決めるスクリーニングにあまり時間をかけない.
さらに,紹介者を通せば,研究者は新しい参加者とさらに早く信頼関係を築けるかもしれない.
最後に,研究者は,新しく参加者に備えていてほしい特性をさらに容易に特定できる.
たとえば,悪夢を見ている人々についての研究では,初期の回答者に,同じような問題をもち,かつ明確に表現できる人を知っているかと尋ねることができるだろう.
また,年齢,人種,社会経済的状況などがさまざまな人々のように,標本の他の側面をもさらに備えた人々を紹介してくれるよう頼むこともできるだろう.
この方法の弱点は,のちの標本が,知り合いという小さいネットワークに限られるだろうことである.
さらに,紹介する標本メンバーが研究者を信用したかどうか,本当に協力したかったかどうかが,紹介された者の質に影響するだろう.
雪玉式標本抽出法の例
メドウズ,サーストン,ベレンソンは,地方に住む中年女性が健康診断について得る情報を研究した.
はじめに便宜的標本抽出法によって,次に雪玉式標本抽出法によって,研究参加者を募集した.
24名の中年女性の標本に面接した.
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