▼▼▼▼▼▼▼▼
チャンネル登録はこちら

財政の仕組みと現状

財政と金融に関する統計

日本の財政と金融の制度と統計の説明，及び統計データを用いた現状について解説する。

一般に，政府（中央政府や地方公共団体など）が行う経済活動のことを財政と呼ぶ。

資本主義国では，国民の生活にとって必要な財やサービスの提供は，民間企業の自由な活動を原則として，市場を通じて行われる。

しかし，民間企業の活動によってすべての需要が満たされているわけではない。

たとえば，国防，外交，警察などのサービス，また道路・公園・上下水道などの公共施設などは，その性格上，民間企業の活動だけでは国民の需要を満たすことはできない。

このような，民間の経済活動だけでは満たすことのできない財・サービスの需要を充足させるのが政府の役割である。

実際，政府は租税や公債などで収入を得て，国民生活の基盤となる諸条件を整えると同時に，市場メカニズムが円滑に働くようにするために，さまざまな活動を行っている。

このような政府の活動を経済的な側面からとらえたものが財政である。

また，経済全体を見ると，生産→分配→支出→生産という循環をしている。

この循環の過程において貨幣，すなわち金融が重要な役割を果たしている。

金融とはカネの流れであって，モノの流れと表裏一体をなしている。

以下では，まず財政の説明を行う。

続いて，一国全体のカネの流れを表す金融について説明を行う。

ただし, 1980年代後半から1990年代初頭におげる「バプル期」のように，カネの流れの中には一部モノの流れと独立したものもある。

財政の仕組みと現状

財政の機能としては，通常，

�@資源配分の効率化，

�A所得の再配分，

�B経済の安定化

の三つが挙げられる。

ここでは，財政の仕組みと統計データから見た現状を見ることにしよう。

現在の日本において，財政は憲法，財政法，税法などの法律に基づいて行われており，その仕組みを財政制度と呼んでいる。

現在の財政制度のもとでは，政府は毎年予算を編成して議会に提出し，その議決を受け，その議決を受けた予算に従って収入と支出を実行する(単年度主義)。

このとき収入・支出を区分してその対応関係を明らかにするための期間のことを会計年度といい，日本では４月１日から翌年の３月31日までの１年間である(ドイツ，フランスは１月から，イギリス，カナダは日本と同じ４月から，アメリカは10月から始まる１年間を会計年度としている。ただし，アメリカは会計年度が終了する年をその会計年度名としている)。

日本の財政と金融に関する制度と統計について詳しく解説し、現状を統計データとともに説明する。財政とは一般に、政府、すなわち中央政府や地方公共団体などが行う経済活動を指し、国民生活を支えるための基盤的役割を果たしている。資本主義国では、国民の生活に必要な財やサービスの多くが民間企業の自由な活動を通じて市場によって提供されるのが原則である。しかしながら、民間企業の活動だけでは全ての国民の需要を満たすことはできない。たとえば、国防や外交、警察といった公共の安全を保障するサービスや、道路、公園、上下水道といった公共施設は、その性質上、民間の活動だけでは提供が困難であり、国民の期待に応えることができない。このように、市場原理だけでは十分に供給されない財やサービスを提供し、国民の生活を支えるのが政府の重要な役割である。このような政府の活動を経済的な観点から捉えたものが財政である。財政の役割は単に公共サービスの提供にとどまらず、租税や公債などを通じて国民から収入を得ると同時に、それを効率的に分配し、国民生活を向上させるための諸条件を整える点にある。また、財政活動は市場の機能を補完し、その円滑な運営を支える役割も果たしている。たとえば、政府がインフラを整備することで企業の活動が促進され、結果として国民の所得や雇用の拡大につながるという効果が期待される。こうした財政活動の背景には、日本独自の財政制度が存在する。日本では憲法や財政法、税法などに基づいて財政運営が行われており、これらの法律は政府の収入と支出を規律する枠組みを提供している。特に、政府は毎年予算を編成し、それを議会に提出して承認を受けた後に実行に移すという単年度主義が採用されている。この単年度主義の下では、4月1日から翌年の3月31日までの1年間が会計年度とされており、この期間内に収入と支出が行われる。この会計年度の区分は国によって異なり、たとえばドイツやフランスでは1月から始まり、アメリカでは10月からスタートする一方で、イギリスやカナダでは日本と同様に4月から始まる。また、アメリカの場合、会計年度はその終了する年を名称として用いる特性がある。財政の機能には大きく三つが挙げられる。第一に、資源配分の効率化である。政府は市場メカニズムが不十分な分野において、公共財を提供することで社会全体の効率を向上させる役割を担っている。たとえば、公共交通機関の整備や環境保全政策などがこれに該当する。第二に、所得の再配分である。所得の格差を是正し、社会の安定を保つために、政府は累進課税制度や社会保障制度を通じて富の再配分を行っている。第三に、経済の安定化である。景気の変動を緩和し、安定的な経済成長を実現するために、政府は財政政策を活用して需要と供給のバランスを調整する。このような財政活動を支える一方で、金融も重要な役割を果たしている。金融とは貨幣の流れを指し、経済全体の生産、分配、支出という循環の中で不可欠な要素である。貨幣は単なる交換手段としてだけでなく、価値の保存手段や取引の計算単位としての役割を担っており、これによって経済活動が円滑に進む。金融の流れはモノの流れと密接に関連しているが、一部には独立した動きも見られる。たとえば、1980年代後半から1990年代初頭にかけての日本の「バブル期」には、実体経済とは異なる金融の動きが市場に大きな影響を与えた。このような現象は、金融市場の自由化や規制緩和が進む中で、資産価格が急激に上昇し、結果的に大規模な経済的不均衡を生み出した例として注目されている。このため、金融政策の重要性が再認識され、現在では中央銀行が物価安定を目標に金融政策を行い、経済の安定を図る役割を果たしている。財政と金融の関係は相互に補完的であり、政府の活動が金融市場に与える影響、また金融市場の動きが政府の財政政策に及ぼす影響は無視できない。たとえば、政府が公債を発行して財政赤字を埋める場合、その発行量が過剰になると金融市場での金利が上昇し、民間投資が抑制される「クラウディングアウト」効果が生じる可能性がある。一方で、適切な財政運営が行われれば、経済の成長と安定が促進され、結果として金融市場にも良好な影響を与える。このように、日本の財政と金融は相互に関連し合いながら、国民生活の向上と経済の安定に寄与している。今後の課題としては、少子高齢化や社会保障費の増加、財政赤字の解消などが挙げられ、これらに対応するための持続可能な財政運営と金融政策の構築が求められている。