地域統計【統計解析講義基礎】

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地域統計|【統計学・統計解析講義基礎】

地域統計【統計解析講義基礎】


目次  地域統計【統計解析講義基礎】

 

 

地域統計(area statistics)

 

地域統計は統計理論を指す用語ではなく、統計学のある応用の方面の全体を指している。

 

とはいえ地域統計がわれわれの生活に密接に関連する大切な実践的領域であることに変わりない。

 

ある地域統計の専門家によれば、この語は次のように定義されている。

 

「人が自分の住む町や地域、地方や国の状態に興味をもつのは、自らの生活がその上に立脚しているということからも当然である。このことは今も昔も変わらない。かつて為政者たちは、自らの支配を確立し、納税や兵役といった義務を支配民に課すため、領土やそこに居住する人々を知る必要があった。後に統計学に発展する国勢調査の原点はここにある。現代でも国や地域の状況を表す統計に対する需要は大きい。このような統計は一般に地域統計と呼ばれている」

 

地域統計の一般的な基礎事項は次の3点にまとめられる。

 

統計地域

 

統計の空間単位を指す。

 

統計地域を単位として統計データが表現、表示される。

 

最も代表的な統計地域は行政区域(都道府県、市町村など)である。

 

ほとんどの地域統計がこれによっているが、人間活動は必ずしも行政地域に制約されないから(生活の便から、県をまたいだ市町村合併まで考えられている)、複数にまたがる活動に対する統計ニーズには応えられない。

 

しかし、国や地方自治体の政策決定には、行政区域を統計地域にとったデータは欠かせないものである。

 

行政区域に一致しない統計地域の代表的なものは「人口集中地区」、いわゆるDIDである。

 

これはDensely Inhabited Districtの略語である。

 

DIDは行政区域にはとらわれない実質的な都市地域として、1960年国勢調査以降設けられたものである。

 

定義としては、国勢調査の調査区(平均して50世帯、人口200人)のうち、人口密度が1 km2につき約4,000人以上のもので それらが互いに隣接して、その人口が合計して5,000人以上となる調査区の集まりをいう。

 

1985年の国勢調査では、DID地区数は1,368地区である。

 

DIDは行政地域と異なる統計地域とはいえ、基礎としては行政区域を利用している。

 

これとは異なり、行政地域とはまったく無関係に空間を緯度・経度に平行に基盤目状に規則的に分割した統計地域がある。

 

これを基礎にしたのが「メッシュ・データ」であり、数学的規則性、扱いやすさから、コンピュータによる処理、地図として出力する上で便利なため、多くの利用がある。

 

 

統計地図

 

統計データを視角化して図示することは統計分析に一般的であるが、地域統計ではいっそう図示することのメリットが大きい。

 

そのうち最も基礎的なものは、メッシュ・データの出力図である。

 

ここではデータが網目の濃淡で表現されているが、一般にデータの表現法には、次の方法が用いられる。

 

@コロプレス法:データを段階化し、ハッチングの濃淡、異なる色の塗りつぶしで表現。

 

A点描法:統計数値を点の個数に換算して表現。

 

B円積法、方積法:統計数値を円、正方形の面積に換算。

 

C球形法、立方形法:Bと同じく体積に換算。ただし、ともに立体図形なので、立体感を出す描き方が重要。

 

D等値線法:地図の等高線、天気図の等圧線と同じく、統計数値の同一の地点と結んだ曲線で表現。

 

Eデフォルメした統計地図:各地域の統計数値に比例した面積で原地図を変形(デフォルメ)して表現。

 

以上の方法は主観的な行過ぎが出ていることにも注意すべきだろう。

 

地域統計の分析

 

大別して2つに分類される。

 

一つは通常の統計学分析法(平均、分散、標準偏差、相関係数など)を地域統計に用いるものである。

 

もう一つは地域統計に固有な統計的分析法で、代表的なものは、「特化係数」「特殊化係数」の方法、「重力モデル」(2都市間の交通量、物資流通量を万有引力の法則と類似した数式表現でとらえるモデル)、「商圏分析」(小売店舗や商店街が買物客を吸引する勢力の分析)などがある。

 

これらの方法のいくつかは、むしろ地域経済学、経営学等の固有の考え方が貫いており、統計的方法としては一般的ではないが、従来から地域統計の分析法としてよく知られている。

 

「特化係数」「特殊化係数」は地域の特殊性、一定傾向の立地特性をとらえるうえで平易で一般性もある方法である。

 

この分析は、地域の産業の種類、政党得票率、疾病別、環境指標などでもよく使われている。 

 

 

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