独立事象の不思議!確率が導く予測の世界【ChatGPT統計解析】
統計学における「独立」とは、二つのランダムな事象において、一方の結果が他方に影響を与えない状態を指します。この概念は、事象の条件付き確率を通じて具体的に定義されます。条件付き確率とは、特定の条件下での事象の発生確率を意味し、例えばサイコロを振ったときの特定の結果の確率などがこれに該当します。異なる事象が独立している場合、これらの事象が同時に起こる確率は、それぞれの事象が起こる確率の積として計算される、という積の法則(乗法定理)が適用されます。つまり、事象AとBが独立であるならば、事象AとBが同時に発生する確率は、事象Aの発生確率と事象Bの発生確率を掛け合わせたものに等しくなります。この原理は、事象間の相互作用がない場合にのみ成立することに注意が必要です。
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独立の概念と条件付き確率
統計学では「独立」という言葉がよく出てきます。
独立とは、簡単にいえば、2つのランダム現象があるとき、一方の結果がもう一方の結果に影響しない、という意味です。
たとえば、2つのくじびきがあるとき、一方に当たるともう一方に当たりやすくなるのであれば、この2つのくじびきは独立ではありません。
独立の概念は、正確には条件付き確率を使って定義されます。
今日、雨が降っているときに、明日も雨が降る確率は、ただ単に「明日雨が降る確率」とは異なるということは、日常生活でも実感できることです。
何かが起きるという情報が得られているときの確率が、条件付き確率です。
条件付き確率の定義
サイコロで、「3以下の目が出る確率」を図に表すことを考えます。
サイコロで、可能なすべての目は1,2,3,4,5,6の6通りで、これを集合Ω={1,2,3,4,5,6}で表します。
一方、3以下の目は1,2,3の3通りで、3以下の目が出るという事象をΩの内部にある集合A={1,2,3}で表します。
Ωのことを全事象といいます。
このとき、3以下の目が出る確率は、集合Aの要素が起きる確率なので、事象Aが起きる確率といい、P(A)で表します。P(A)は、集合Aの要素の数を|A|で表すと、
P(A)=|A|/|Ω|=3/6=1/2
となります。
さらにもうひとつ、「偶数の目が出る確率」を考えます。
同様にして偶数の目は2,4,6の3通りで、これを集合Bで表すと、偶数の目が出る確率P(B)は、
P(B)=|B|/|Ω|=3/6=1/2
となります。これらを目に見えるように表したのがベン図です。
では、「3以下かつ偶数の目が出る」確率を考えましょう。
この事象は集合A∩Bで表されますから、その確率P(A∩B)は、
P(B)=|A∩B|/|Ω|=1/6 となります。
ここで、|A∩B|/|B|という確率を考えてみましょう。
図の青いアミの入った部分です。
分母が|Ω|から|B|に変わっていますから、ここでは「偶数の目」がここでの「可能なすべての目」になっています。
一方、A∩Bは「3以下かつ偶数の目が出る」という事象ですが、今は「偶数の目が出る」という事象のなかでしか考えていませんから、この事象は単に「3以下の目が出る」という事象ということができます。
したがって、
|A∩B|/|B|=偶数の目が出るとわかっているとき(偶数の目が出るのが確実なとき)、それが3以下である確率
になります。
これを、Bを条件とするAの条件付き確率といい、P(A|B)で表します。
P(A|B)=|A∩B|/|B|=1/3 ですから、偶数の目が出たという情報が得られているときは、そうでないときよりも「3以下の目が出る」確率は小さくなることがわかります。
ところで、
P(A|B)=|A∩B|/|B|=(|A∩B|/|Ω|)/(|B|/|Ω|)
=P(A∩B)/P(B)
と表され、これを条件付き確率の定義とする場合もあります。
ただし、この場合、分母・分子それぞれの確率は、いずれも同じ|Ω|を分母とする確率でなければならないことに注意する必要があります。
また、上の式から、
P(A∩B)=P(A|B)P(B)
となります。
この式を、確率の積の法則あるいは乗法定理といいます。
積の法則は、簡単にいえば、
「AとBの両方が起きる確率」=「Bが起きたとしたときにAが起きる確率」×「ほんとうにBが起きる確率」
であるということを表しています。P(A|B)とP(A∩B)の違いも、これでわかると思います。
複数の事象が独立のとき同時確率は積の法則
条件付き確率を説明したサイコロの例で、事象Aが「3以下の目」ではなく「2以下の目」だったらどうでしょう。
このときは「2以下の目が出る確率」P(A)=1/3です。
一方、P(A∩B)=1/6やP(B)=1/2は変わりません。したがって、
P(A|B)=|A∩B|/|B|=1/3 も変わりません。
したがって、このときはP(A|B)=P(A)となります。
このときは、事象Aが起きる確率と、事象Bが起きるとわかっているときに事象Aが起きる確率が同じです。
すなわち、事象Aが起きる確率は、事象Bが起きるかどうかに関係がないことを意味しています。
このとき、事象Aと事象Bは独立であるといいます。
数学や統計学でいう「独立」という概念は、物理的に独立に動作する、といったこととは関係ありません。
この例でも、事象Aと事象Bは、どちらも同じひとつのサイコロで起きています。
事象Bが起きるという情報がもたらされても、事象Aが起きる確率には影響がない、というのが、独立という意味です。
事象Aと事象Bが独立のとき、上式で表される積の法則は、
P(A|B)=P(A)ですから、
P(A∩B)=P(A)P(B)
となります。
事象Aと事象Bが独立のとき、A,Bが同時に起きる確率は、それぞれが起きる確率の積になります。
事象Aと事象Bが独立のときにかぎり、こうなるのであって、いつもこうなるのではないことに注意しましょう。
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