標準得点|【統計学・統計解析講義応用】
偏差値
標準得点または標準化得点(standardized score)は、正規化標準得点(normal score)、Z値(Z-score)とも呼ばれます。
生の点数の平均より標準偏差単位でどれだけ離れているかに変換します。
これは、点数を標準正規分布で評価できるように変換します。
標準化得点が教育および心理学でよく使われるのは、他の点数と比較でき、集団準拠型(norm-referenced)点数付けの一種と考えられるからです。
ウェクスラー成人知能検査(Wechsler Adult Intelligence Scale, WAIS)のようなよく使われる試験では、母集団の平均と標準偏差が既知であり計算に使われます。
WAISでは、平均が100、標準偏差が15です。
元の点数を標準化得点に変換するには、
Z=(X-μ)/σ
の公式を使います。
この式で、Xは生の点数、μは母集団の平均、σは母集団の標準偏差です。
Z値への変換で、すべての点数が、平均が0標準偏差が1の標準正規分布という共通の土俵にのります。
さらに、Z値の確率が既知の正規分布の性質を備えた分布になります。
たとえば、点数の68%が平均の1標準偏差の範囲に収まります。
WAISの生の115点が以下の式のようなZ値になります。
Z=(115-100)/15=1.00
Z値の1.00は、生の点数で84.1%がその点数以下になるという意味です。
標準点は、尺度が異なる試験での点数と比較するときに特に有用です。
たとえば、平均が50で標準偏差が5の数学適性試験を行うとしたとしましょう。
WAISで105、機械的適正試験で60の点数をとった人を、Z値の点数で比較することができます。
WAISでは Z=(105−100)/15=0.33
機械的適正試験では Z=(60-50)/5=2.00
Z値から、この人は知能検査では平均よりも少し上だが、機械的適正試験では、平均を上回る点数を出していることがわかります。
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