統計解析用データの作成【医療統計解析】

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統計解析用データの作成|【医療統計学・統計解析】

統計解析用データの作成【医療統計解析】


目次  統計解析用データの作成【医療統計解析】

 

 

統計解析用データの作成

 

集計・解析を実施する場合に, 1998年11月30日に医薬審第1047号として公表された「臨床試験のための統計的原則」を参考とすることが多い.

 

このガイドラインでは解析対象として,「最大の解析対象集団(FAS ; Full Analysis Set)」や「治験実施計画書に適合した対象集団(PPS ; Per Protocol Set)」という概念が導入されている.

 

このそれぞれの解析対象集団ごとの臨床試験データのサブセットをつくることも考えられるが,集計・解析の際にSELECT文などによるフィルタリングを考えた方が効率的であり,品質保証の点から考えても集計・解析用データセットごとに検証を行わなくてよいため,望ましいと考えられる.

 

有効性の採否といった集計・解析上の取り扱いについて考えた場合,有効性の採否に応じて有効性データそのものを「1:著効」から「8:評価不能」に変換して置き換えるということも考えられるが,品質保証の点から考えた場合には処理前と処理後の確認などを行わなければならず効率的であるとは言い難い.

 

万一,このデータを単純にオーバーライトしてしまうような処理体系をつくっている場合には元に戻すには症例報告書などから入力の仕直しが必要になってしまうというような非常に情けない事態になってしまう.

 

このようなことを防ぐためにも採否に関しては,ある種の層別因子であると考え,全体の集計と合わせて示すようにすれば,集計・解析の結果確認にも利用することができる.

 

 

また,併用薬などのデータについて集計・解析を考慮した処理が必要なことがある.

 

すなわち,症例報告書には薬剤名や投与期間などが記載されており,これらがそのままコンピュータに入力される.

 

しかしながら,集計・解析を行う際には個々の薬剤名で処理するよりも,特定の薬効群,たとえばステロイド剤の使用の有無というような形態で利用することがある.

 

このような場合に,薬剤名を入力することにより,自動的にステロイド剤の使用の有無というような薬効群の情報として解析用データに反映されるようになっていれば非常に便利である.

 

このほかに,集計・解析に際して苦労することが多く,統計解析用データとして必要になるのはタイム・ウィンドウ(Time Window)である.

 

これは,臨床検査データのようにいくつもの時点で観察が行われる場合に,どの観察囗のデータをどの時点として採用するかということを決めるために,たとえば1週間目の観察としては7日目±2日を採用とするというようなことである.

 

最近では,プロトコルにこれらの規定が明記されていることが多く,基準を決める不透明さや困難さはなくなってきているが,データベース上にどのように反映するかという課題は残されている.

 

現実的に,症例報告書に記載されている臨床検査データは全て入力されているべきであり,日付とは別に「評価週」というような項目を定義し,タイム・ウィンドウに基づいて1wなどといった情報が入力されるようにしておくことにより対応することができる.

 

また,このアイデアは,経時的なデータにおいて欠測値(Missing Value)が生じた場合に引き延ばし(Carry Forward)などの方法により欠測値を補填して解析する場合や,特定観察時点での採否などを設定したい場合にも利用することができる.

 

なお,品質保証という点から考えれば,統計解析用データの作成に際しては答申GCPでの処理前と処理後の検証が必要になることから,統計解析用データの作成もデータマネジメント部門で行い,解析部門では準備された臨床試験データをそのまま利用することが妥当であろう.

 

 

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