多変量分散分析(MANOVA)|独立変数の効果を下位尺度について互いに独立に推定【統計学・統計解析講義基礎】
多変量分散分析(MANOVA)は、従属変数が複数ある場合に用いられる分散分析(ANOVA)の手法の一つ。1つの従属変数だけを見るのではなく、2つ以上の従属変数について検討される。従属変数間の関係を統制して、もし効果があるとしたら、処遇がどの従属変数にどのような影響を与えるかが明確になるようにする。独立変数の効果を下位尺度について互いに独立に推定
多変量分散分析(MANOVA)
分散分析(ANOVA)には異なる方法がたくさんあると知っても、驚くことではありません。
いずれの方法も、2つ以上の群の平均値を比較するという状況にあてはまるようにデザインされています。
これらの方法の1つである多変量分散分析(MANOVA)は、従属変数が複数ある場合に用いられます。
つまり、1つの結果変数だけを見るのではなく、2つ以上の結果変数、すなわち従属変数について検討されます。
独立変数の効果を下位尺度について互いに独立に推定
MANOVAがすることは、従属変数間の関係を統制して、もし効果があるとしたら、処遇がどの従属変数にどのような影響を与えるかが明確になるようにすることです。
たとえば、インディアナ大学のジョナサン・プラッカーは、才能ある若者たちが学校におけるプレッシャーをどのように処理するかについて、性別、人種、学年による違いを調べました。
彼が用いたMANOVAによる分析は、2(性別:男性と女性の2水準)×4(人種:コーカソイド、アフリカ系アメリカ人、アジア系アメリカ人、ヒスパニック)×5(学年:中学2年生〜高校3年生)でした。
多変量分散分析の結果変数は、青年用コーピング尺度の5つの下位尺度でした。
多変量分散分析を用いることで、独立変数(性別、人種、学年)の効果を5つの下位尺度それぞれについて、互いに独立に推定することができました。
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