内的妥当性と研究デザイン【統計解析講義応用】

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内的妥当性と研究デザイン|【統計学・統計解析講義応用】

内的妥当性と研究デザイン【統計解析講義応用】


目次  内的妥当性と研究デザイン【統計解析講義応用】

 

 

内的妥当性と研究デザイン

 

準実験研究,前実験研究,相関研究は,とくに内的妥当性への脅威に影響されやすい.

 

こうした脅威は,従属変数の原因である独立変数と競合するような別の説明(対立仮説)を示すものである.

 

強い研究デザインは,こうした競合する説明を排除することを目的とする.

 

よい実験デザインは,ふつう,対立仮説を排除するが,真の実験においてでさえも,研究者はそれらに注意をはらう必要があるだろう.

 

たとえば,実験群とコントロール群とで条件の一定性を維持できなければ,いかなるグループの差も,ヒストリーによるものだという対立的な説明になるかもしれない.

 

死亡率も,真の実験においては大きな脅威となるかもしれない.

 

実験者が,実験群とコントロール群に対し,異なる処理を加えたとすると,各群の対象が研究から脱落するのも異なるだろう.

 

これは,とくに実験処理が痛みをともなったり,不便であったり,時間がかかったり,またはコントロールの条件が退屈だったり面倒な場合に生じやすい.

 

このようなことが起きた場合,研究に残っている対象と去った対象とは,重要な点で異なる。

 

測定用具

 

測定に関するもう1つの脅威は,測定用具(instrumentation)によるものである.

 

この偏りは,データ収集の2つの時点での涓則定用具や測定の方法における変化による.

 

たとえば,研究者があるストレス測定用具を基準値(ベースライン)で使い,フォローアップでその修正版の測定用具をもちいたら,いかなる差も,独立変数の影響というよりは,測定用具の変化を反映するすべての依存症患者を代表してはいないだろう.

 

たとえば,ある特定の民族的,社会経済的,または年齢の集団からの薬物使用者が,その施設を利用しているのかもしれない.

 

おそらく,新しい治療法は,このような集団の個人だけに効果的であろう.

 

 

ケンプソーン〔Kempt home, 1961〕は,対象母集団と標的母集団の違いについて述べている.

 

対象母集団(accessible population)は,特定の研究に利用できる母集団である.

 

上の例でいえば,デトロイトのその治療センターに入所しているヘロイン依存症患者が,これにあたるだろう.

 

対象母集団からの標本抽出に無作為の手順をもちいた場合,研究結果をこの集団に一般化することには何の問題もない.

 

標的母集団(target population;目標母集団)は,研究者が関心をもち,研究結果を妥当に一般化できる対象集団全体をいう.

 

この2つ目のタイプの一般化は,さらにリスクをともない,対象母集団への一般化の場合と比べて,それほど信頼できない.

 

こうした推論が適切かどうかは,2つの母集団における特性の類似性に依存する.

 

したがって,研究者は,対象母集団の特性をよく承知して,そのうえで,対象母集団に似た標的母集団を設定する必要がある.

 

先の薬物治療法の例で,対象母集団は,自由意思で参加したデトロイト在住の20歳代の白人男性で,圧倒的に構成されていたとしよう.

 

すべての薬物依存症患者に研究結果を一般化するのが理想的だろうが,都市在住の若い白人男性で自ら治療を求める人々を標的母集団に設定するほうが,ずっと安全だろう.

 

 

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