農業衰退と食料自給率の未来図【ChatGPT統計解析】
農林水産省が実施する農林業センサスと農業構造動態調査を基に、日本の農業生産と食料自給の状況を解説する。日本の農家数は1960年の606万戸から2003年には298万戸まで減少し、特に自給的農家の割合が増加している。農業就業人口も減少傾向で、基幹的農業従事者は高齢化が進み、60歳以上が主要担い手となっている。食料自給率は品目ごとに異なり、米は高い自給率を維持しているが、野菜は低下傾向、小麦や大豆は低水準で推移している。肉類と魚介類は90年代以降自給率が低下し、それぞれ54%と50%となっている。全体の供給熱量自給率は1975年度の54%から2003年度には40%まで低下し、先進国中でも極めて低い水準である。他国と比較するとアメリカはほぼ完全自給、フランスとイタリアは自給率が高い品目が多いが、ドイツは相対的に低い品目が多い。
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農業生産・食料自給に関する統計
農業生産・食料自給に関する統計
農林水産省が,農林業を営むすべての世帯・法人を対象に5年ごとに実施している調査が農林業センサス(指定統計)である。
これをもとに標本調査として毎年『農業構造動態調査』が行われている。
ここではこの二つの統計と『食料需給表』から農業生産や食糧自給の状況について解説する。
日本の農家数は, 1960年に606万戸あったのに対して,以後年々急速に減少し,90年には384万戸となり,30年間に30%以上も減少した。
さらにその後も減少を続け, 2003年には298万戸となっている。
そのうち,経営耕地面積が30a未満で,年間の農産物販売金額が50万円未満の農家(「自給的農家」)が約78万戸と農家全体の約4分の1を占めており,その割合は年々増加する傾向にある。
農家数の減少は農業就業者の減少を伴い, 1980年には697万人いた農業就業人口(15歳以上の世帯員)で年間1日以上農業に従事した者)が, 2002年の販売農家のみの農業就業人口では375万人と22年問に50%近くも減少した。
基幹的農業従事者(農業就業人口のうち,ふだんの主な状態が「主に仕事(農業)」である者)について年齢分布を見ると, 1965年には16−29歳までが7%, 30−59歳までが66%,60歳以上が28%と,いわゆる働き盛りの人口が7割を占めていたのに対して,2002年には15−29歳がさらに減少して2%程度,30−59歳も大きく減少して31%,そして60歳以上が68%とその割合が逆転し,60歳以上が農業の主な担い手となっている。
日本の農業は,減少する農家・農業就業人口と農業就業者の高齢化のもとで,近年は農産物の輸入の増加という新たな波にも直面している。
日本の食糧自給については,品目によって
@ほぱ国内で自給するもの(米,野菜など),
A輸入に多く依存するもの(麦,大豆など),
B国内生産が主であるが原材料を輸入に依存するもの(畜産物)
の3種類に分けられる。
それぞれの動向を見ると,@の米は不作となった93年(75%)以外は高い自給率を保っているのに比して,野菜は近年自給率が低下頓向にあり2003年で82%となっている。
Aについては,70年代以降,小麦が約10%,大豆が約5%程度で推移しておりあまり大きな変化はない。
Bに関連して,肉類と魚介類はかつては高い自給率を保っていたが,90年代から大きく自給率が低下し, 2003年では肉類が54%,魚介舶が50%とほぼ半分を輪入に頼っている。
すべての食料を熱量に換算して合計した供給熱量自給率で見ると,75年度時点ですでに54%と低く,2003年度は40%と,先進諸国に類を見ない低い水準になっている。
2001年における自給率を先進諸国と比べると,アメリカは米,小麦,肉類などで100%を超えるほか,他の食料も100%近い。
フランスは砂糖類,小麦,豆煩などが高い自給率をもち,米と魚介煩が低くなっている。
イタリアは豆類や魚介類などが低いほかは,米が200%を超えるなどそこそこの自給率となっている。
ドイツは米,野菜類,魚介類など自給率の低いものが他の国に比べて多くなっている。
農林水産省が実施する農林業センサスは、日本における農林業を営む全ての世帯および法人を対象に5年ごとに行われる指定統計調査であり、日本の農業や林業の現状を把握する重要なデータを提供している。この調査を基に、毎年行われる『農業構造動態調査』は標本調査として実施され、農業の構造的な変化や動向を追跡する役割を担っている。これらの統計と、食料需給の状況を示す『食料需給表』のデータを用いて、日本の農業生産および食料自給の現状について詳しく解説する。まず、日本の農家数は1960年には606万戸を記録していたが、それ以降急速に減少し、1990年には384万戸、さらに2003年には298万戸にまで減少している。特に経営耕地面積が30アール未満で、年間の農産物販売金額が50万円未満の「自給的農家」の割合が増加しており、2003年時点で約78万戸、農家全体の約4分の1を占めている。このような農家数の減少は、農業就業者の減少にも直結しており、1980年には697万人の農業就業人口(15歳以上で年間1日以上農業に従事した者)が存在していたが、2002年には販売農家のみを基準とした農業就業人口が375万人と、わずか22年の間に50%近くも減少している。また、基幹的農業従事者(農業就業人口の中で、普段の主な仕事が農業である者)の年齢分布を見ても、農業の担い手が高齢化している現状が浮き彫りとなっている。1965年には16〜29歳が7%、30〜59歳が66%、60歳以上が28%と、生産年齢人口が7割近くを占めていたが、2002年には16〜29歳が2%程度にまで減少し、30〜59歳も31%に減少、一方で60歳以上が68%に達しており、60歳以上の世代が農業の主力となっている。このように農家数の減少や高齢化が進行する中、日本の農業はさらに輸入農産物の増加という新たな課題にも直面している。日本の食料自給率については、品目ごとに大きな差があり、国内でほぼ自給しているものとして米や野菜が挙げられる。米は例外的に不作となった1993年(75%)を除いて高い自給率を維持しているが、野菜については近年自給率が低下傾向にあり、2003年には82%となっている。一方で、小麦や大豆など輸入に多く依存している品目では、1970年代以降、小麦が約10%、大豆が約5%程度で推移しており、大きな変化は見られない。また、国内生産が主体でありながら原材料を輸入に依存する品目として畜産物が挙げられるが、肉類や魚介類は1990年代以降自給率が低下し、2003年には肉類が54%、魚介類が50%と、それぞれ約半分を輸入に依存している。このような状況を背景に、すべての食料を熱量に換算した供給熱量自給率を見ると、1975年度の54%から2003年度には40%と大幅に低下しており、これは先進国の中でも類を見ない低水準である。この低い自給率の背景には、農地面積の減少や都市化、農業の生産性向上の遅れ、さらには輸入農産物の増加といった多くの要因が複雑に絡み合っている。さらに、2001年のデータを基に他の先進国と比較すると、アメリカでは米、小麦、肉類などが100%を超える自給率を記録し、他の食料品目についてもほぼ完全自給を達成している。フランスは砂糖類、小麦、豆類などが高い自給率を維持しつつ、米と魚介類が低めとなっている。イタリアは豆類や魚介類が低い一方で、米が200%を超える高い自給率を誇り、全体としてバランスの取れた自給率を示している。一方でドイツは米、野菜類、魚介類など自給率の低い品目が他国と比べて多く、全体的に低い水準にある。このように、日本の食料自給率は他の先進国と比較しても大きな課題を抱えており、特に農業従事者の高齢化や農業の縮小が原因となっている現状を踏まえ、政策的な対応が求められる。食料自給率の向上には、農地の有効活用や生産性の向上、農業への若年層の参入促進、さらには輸入農産物との競争力強化が不可欠である。また、国内の食料生産と消費のバランスを保ちながら、食料安全保障の観点からも自給率の改善を目指す必要がある。日本の農業は国内外の課題に対応しながら、持続可能な発展を遂げるための取り組みが急務である。
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