統計学におけるマクネマー検定【統計解析講義基礎】

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統計学におけるマクネマー検定|【統計学・統計解析講義基礎】

統計学におけるマクネマー検定【統計解析講義基礎】


目次  統計学におけるマクネマー検定【統計解析講義基礎】

 

 

対応のある対でのマクネマー検定

 

マクネマー検定は、データが一対の標本(対応のある標本や関連標本としても知られている)に由来するときに使う一種のカイ2乗検定である。

 

例えば、マクネマー検定を使って政治広告を見る前と後のある論点に関する世論調査の結果を調べることができる。

 

この例では、各人が2つの意見(政治広告を見る前と後の意見)を提供する。

 

同じ論点に関する2つの意見を独立として扱うことはできないので、ピアソンのカイ2乗は使えない

 

代わりに、同じ人から収集した2つの意見は2人から収集した2つ意見よりも密接に関連するとみなす。

 

マクネマー検定は、一組の兄弟姉妹や夫婦から同じ論点に関する意見を収集した場合にも適している。

 

兄弟姉妹や夫婦の例では、異なる個人から情報を収集するが、各対の個人は密接に関連しているので、全住民から無作為に選んだ2人よりも類似していると見込まれる。

 

マクネマー検定は、重要な特性が極めて一致しているのでもはや独立とはみなせない個人のグループから収集したデータを分析するのにも利用できる

 

例えば、医学的研究ではときには、年齢、性別、人種/民族などの複数の特性が一致する個人のグループ間である危険因子に関連する特定の疾患の発生を調べ、マクネマー検定などの対応のあるデータ手法を使うことがある。

 

このような個人は非常に密接しているので、独立した標本というよりも関連があると考えられるからである。

 

死刑に対する人々の意見を変える政治広告の効果を測定したいとする。

 

そのためには、人々に死刑に賛成か反対かを尋ね、死刑の廃止を主張する30秒のコマーシャルを見る前と後の両方で意見を収集する、という方法がある。

 

 

以下表の仮想データ集合を考えてみよう。

 

テレビコマーシャルを見る前と後での死刑に対する意見のマクネマー検定

 

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同じ人でもコマーシャルを見る前と比べるとコマーシャルを見た後のみが死刑に反対する人が増えたが、この差は有意だろうか、これは、以下式で計算するマクネマーのカイ2乗検定を使って検定できる。

 

マクネマーのカイニ乗検定の式

 

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この式では、以下表に示す文字によるセルの参照方法を使用している。

 

文字による2×2表のセルの参照方法

 

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この式は、不一致対(bとc。この場合は、コマーシャルを見た後に意見を変えた人)の分布だけに基づいている。

 

マクネマー検定は自由度1のカイ2乗分布を持つ。

 

この計算を以下式に示す。

 

マクネマーのカイニ乗検定の計算

 

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カイニ乗表から、α= 0.05の場合、カイ2乗分布の棄却値は3.84なので、この結果はコマーシャルの視聴は死刑に関する人々の意見に影響を与えないという帰無仮説を棄却すべきである証拠となる。

 

また、コンピュータ分析から、人々の意見がコマーシャルの視聴前後で変わらなかった場合、少なくとも6.43と同等に極端な自由度1のカイ2乗統計量を得る正確確率は0.011であることもわかり、この調査の結果が有意あることを裏付けており、帰無仮説を棄却すべきである。

 

 

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