エスノメソドロジー研究の例【統計解析講義応用】

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エスノメソドロジー研究の例|【統計学・統計解析講義応用】

エスノメソドロジー研究の例【統計解析講義応用】


目次  エスノメソドロジー研究の例【統計解析講義応用】

 

 

エスノメソドロジー研究の例

 

ウェイクフィールド〔Wakefield, 2000〕は,エスノメソドロジー研究を行い,イギリスのヘルス・サービスで,外科ナースの仕事の計画性について,その実用性を研究した.

 

ウェイクフィールドは,32床の一般外科病棟で働くナースを詳しく観察した.

 

他の多くの質的研究者と違い,エスノメソドロジストは,ときどき,エスノメソドロジックな実験(ethnomethodologic experiment)を行うことがある.

 

こうした実験で,研究者は,集団の規範や前提に反するようなことをして,通常の活動を混乱させる.

 

そして,集団のメンバーがどのような行動を起こし,そこで起こっていることをどのように理解しようとするかを観察する.

 

一例として,集中治療室におけるナースの勤務交代時の報告で,あるナースが期待される適切な行動をしない場合に,何が起きるかを観察するとしよう.

 

たとえば,夜勤のナースが重篤な患者の状態について報告しているとき,日勤のナースが勤務を開始しようというのに,わざと小説を取り出し読んでいるとする.

 

研究者は,そのとき,期待された行動からのこの逸脱に,他の病棟スタッフがどう対処するかを観察するだろう.

 

象徴的相互作用論(symbolic interaction)は,米国のプラグマティズム(合理主義)に起源をもつ,社会学的および社会心理学的な伝統思考である.

 

他の質的研究の枠組みと同様に,象徴的相互作用論は,さまざまな方法で定義され細分化されてきたため,手短に説明するのはむずかしい.

 

象徴的相互作用論は,基本的に,人々が社会的相互作用を理解する仕方や,言語のような社会的シンボルに人々が付与する解釈に焦点をあてる.

 

この伝統には,3つの基本的前提がある.

 

第1に,人々は,彼らの環境内の事物や他者が彼らにとって意味するところに基づいて行為し反応すること,第2に,これらの意味は,社会的相互作用とコミュニケーションに基づいていること,そして第3に,これらの意味は,個々人が行う解釈のプロセスをとおして確立されることである.

 

象徴的相互作用論の研究者は,記号やその意味を研究する記号論(semiotics)をもちいることがある.

 

記号とは,情報をもたらすあらゆる存在物または事物(例:図表や地図,絵)を指している.

 

象徴的相互作用論研究の例

 

レーム〔Rehm, 2000〕は,子どもが慢性の病的な身体状態にあることが,メキシコ系アメリカ人の親による家族関係の認識にどう影響するかについて研究した.

 

研究者は,象徴的相互作用論は,家族成員間の相互作用と.この社会的相互作用をとおして共有される意味とに焦点をあて,家族のコーピングを研究するのに有用な枠組みであると考えた.

 

社会言語学者の探究領域は,人間のコミュニケーションである.

 

この伝統は,会話の規則やしくみ,構造の理解をめざすところから,会話分析(discourse analysis)〔対話分析(conversation analysis)ともいう〕ということが多い.

 

会話分析は,ある種の会話が「成り立つ」行為を理解することを目的とする.

 

会話分析に使用されるデータは,通常,ナースを名づけ,特徴づけるために使用する,

 

その地域の言語や概念,表現手段などが,イーミックなものである.

 

対照的に,エティツクな視点(etic perspective)とは,外部者(アウトサイダー)による文化の経験の解釈である.

 

つまり,外部者が研究する際に,同一の現象を指して使用する言語である.

 

エスノグラファーは,研究する文化についてイーミックな視点を得ようとする.

 

さらには,暗黙の知(tacit knowledge)といわれてきたものが何か,つまり,文化的経験のなかにあまりにも深く浸透しているために,成員はそれについて語ることも,または成員の意識に上ることさえもないような,文化についての情報を明らかにしようとする.

 

当事者の視点を把握することは重要であるが,エスノグラファーが,イーミックと後者(エティック)とのつながり,つまり,知的目標を発展させる統合的,解釈的な概念のつながりを明らかにすることもまた重要である.

 

エスノグラファーは,ほぼ例外なく,関心ある文化集団について知るために広範なフィールドワークに着手する.

 

エスノグラフィーの研究は,通常,フィールドにおいて,何年にも及ぶかもしれない長期的なフィールドワークが必要とされるような,労力のいる骨の折れる作業である.

 

多くの場合,研究者は,文化的イベントや活動に積極的に参加しようとする.

 

文化を研究するには,その文化集団の成員とある程度,親密になる必要があり,そのような親密な関係は,一定の時間をかけて,積極的な参加者として成員とともに直接に活動することによってのみ築きうるものである.

 

人類学者がしばしばもちいる,道具としての研究者(researcher as instrument)という概念は,エスノグラファーが文化を分析し解釈する際に担う重要な役割を表現したものである.

 

エスノグラファーが探究する情報は,ふつう,おおまかに,文化の行動(その文化の成員の行為),文化の人工物(その文化の成員がっくり,使用するもの),文化の会話(成員が話すこと)の3つに分けられる.

 

つまり,エスノグラファーは,観察,徹底的な面接(in-depth interview),記録,図表およびその他のさまざまな物的証拠(例:写真,日記,手紙)を含む,広範囲に及ぶデータ源に頼っている.

 

エスノグラフィーの研究の成果は,ふつう,研究する文化の豊かで全体論的な記述である.

 

エスノグラファーはまた,文化を解釈したり,規範的行動パターンや社会的パターンを記述する.

 

ヘルスケアの研究者らは,エスノグラフィーの成果によって,文化や下位文化に根づいている健康に関する信念や慣習を知ることができる.

 

エスノグラフィーの探究によって,健康や疾病に影響する行動が理解しやすくなる.

 

エスノグラフィーの方法は,これまで多大な成果をあげているが,十分に語ることができない.

 

 

エスノグラフイーによる研究の例

 

リプソン〔Lipson, 2001〕は,多種化学物質過敏症の人々の経験について,エスノグラフィーによる研究を行った.

 

米国とカナダそれぞれ2つずつの環境で,データを収集した(徹底した面接と観察を含む).

 

報告には,自己エスノグラフィー(auto-ethnography)〔または当事者研究(insider research)〕の実施,つまり,エスノグラファーが自分自身の文化や集団を研究することについて,とくに與重な論議が書かかれている.

 

エスノナーシング・リサーチ(民族看護学研究)

 

多くの看護研究者は,エスノグラフィーの研究に携わってきた. レイニンガー(Leininger)もその1人で,エスノナーシング・リサーチ(ethnonursing research ; 民族看護学研究)という言い方を提唱し,「特定の文化の看護ケア行動や看護ケアプロセスに関する,その地域に生活する人々の見方,信念,実践を研究し分析すること」と定義づけた.

 

エスノナーシング・リサーチを行う際に,調査者は,レイニンガーの文化ケア理論のような,研究の指針となるおおまかな理論的枠組みを使う.

 

レイニンガー〔Leininger, 1991〕は,エスノナーシング・リサーチを行う際に研究者の指針となる多くのガイドを開発した.

 

「ガイド(enabler)」は,ヒューマンケアといった複雑な現象を明らかにするのに有用な方法である.

 

その実現要因には,見知らぬ大一友人モデル(Stranger-Friend Model), 観察一参加一再確認モデル(Observation-Participation-Reflection Model),文化変容ガイド(Acculturation Enabler Guide)などがある.

 

エスノナーシングリサーチの例

 

ウィティツグ〔Wittig, 2001〕は,ミシシッピー州の地方に住むアフリカ系アメリカ大女性の臓器提供に関する考えに焦点をあてたエスノナーシング・リサーチを行った.

 

ウィティツグは10人のアフリカ系アメリカ大女性を数多く訪問し,徹底的な面接を行った.

 

エスノサイエンス

 

認知人類学では,文化は純粋に心理主義的な用語で定義される.

 

この種のエスノグラフィーでは,言葉と言葉の関係を重視して文化知識を理解しようとする.

 

認知人類学では,ある集団の文化知識はその言語に反映されていると前提する.

 

認知人類学の目的の1つは,文化の認識世界の地図を描くことであり,その認識世界は意味論による規則に対応している.

 

エスノサイエンスは,質的データだけでなく量的データにも基づいていることが多い.

 

エスノサイエンスの研究結果は,系統樹に配置されることが多い.

 

エスノサイエンスの例

 

ハニスターは,西洋文化において中年女性が身体の変化をどう認識するかを,エスノサイエンスの方法で調査した.40〜53歳までの11人の女性を面接し,その逐語記録をスプラッドリーとマッカーディ〔Spradley & McCurdy, 1972〕の方法を使って分析した.

 

 

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